この後ブレイクアウトルーム(小部屋)にわかれて、「あなたにとってのローカルファーストなアクションって、なんですか?」というテーマの他、これまでのお話から感じたことや気づいたことを自由に語り合いました。
参加者からは、以下のような意見や感想がありました。
対話の後は、参加者からの質問を交えた全体セッションが行われました。
参加者1:
私たちのグループでは神社詣が話題にのぼりました。昔の神社詣は、ある地域から神社に詣でて、参道にはたくさんの店舗ができ地域が栄えました。そういうローカルファーストな仕組みがありましたよね。
参加者2:
神社詣だけでなく、昔のシステムや考え方、地域の小さなローカルの良いところを見直して発信していくことで大きな意味でのローカルが活性化していくと思いました。
亀井:
元々日本はとてもローカルファーストな国でした。高度成長などを経て今は一時的に従来の価値観が失われているだけなんです。地域の持っている文化や自然などの資源に、もう一度目を向けてもらいたいと思います。
参加者3:
私たちのグループはみな移住者で、近所のつながりがないという話をしました。地域の人が集まるところに行きたいと思っても、隣近所の人とすらコミュニケーションが取れていないのが現状です。
どこがローカルなのかの実感もないので、これから先まちがどうなっていけばいいのかという理想も描きにくいと思いました。
森:
子どもがいれば保育園や学校のつながりで自然と近所の付き合いができるようになるかもしれませんが、きっかけがないと難しい部分もありますよね。
参加者4:
コロナ禍でどこにも行けなくなり、地元を見直す機会が増えたという話をしました。
コロナ禍でローカルファーストの取り組みに何か変化はありましたか?
亀井:
コロナ禍が地域を見直す大きなきっかけになったと思います。商売をされている方でも地域とのつながりが強い方の方がコロナ禍の影響を受けにくかったというのもありますし、 何よりテレワークやステイホームで地域にいる時間が増えました。
地域で過ごす時間が多いということで、そこに魅力が多いと生活が豊かになります。実際、コロナ禍で茅ヶ崎市の人口は増えました。東京23区の住民からいちばん選ばれたのが茅ヶ崎なんです。
森:
選ばれる決め手になったのは何だと思いますか?
亀井:
他のまちとは違う個性と魅力があるからだと思います。茅ヶ崎にはパン屋さんや美容院が多いのですが、その多くは今までの仕事を辞めて自分の店に挑戦し、勉強しながらお店づくりをしている方です。他にも、サーフィンをするために移住してくる方もいます。
茅ヶ崎には新しいチャレンジや自分のやりたいことを実現しやすい土壌があり、それがまちの豊かさになっているのだと思います。
森:
今日スタッフとして参加している櫻庭さんも、地域おこし協力隊として宮城に移住という新しいチャレンジをされたんですよね。
櫻庭:
東京で働いていましたが、宮城に移住して空き家を改装して農泊にチャレンジしながら今日のようなオンラインの仕事もして、複業という新しい暮らし方をしています。やはり、元々住んでいた方々に新しい住民を受け入れていただけるとチャレンジしやすい土壌が生まれると感じています。
以前は地域と言われてるようなところは新しいことがなかなか許されない雰囲気がありましたが、今は日本全国で新しい人を受け入れてくださるところが増えてきていると思います。だからこそ地域へ移住して地域おこし協力隊という働き方でローカルファーストな取り組みを行う人も増えています。