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いまさら聞けない地球温暖化〜私たちが直面する現実とは〜
― 第23回エコ×エネ・カフェ(前編)

  • 2016年12月9日
  • 緑のgoo編集部

地球温暖化の現状を、どう捉えるか

柳:まず、地球温暖化は公害問題と違って、原因物質がひとつに限定できない、経済活動に不可分なエネルギー消費と関連する、影響が途上国に出やすく、南北問題と同義で議論されるといった特徴を持っています。


柳 :農林水産省の計画では、気候変動の影響への対応のために、米などの栽培種を変えるといった「適応」が必要と発表しています。

森 :つまり、気候変動があることを前提に対策が考えられているのですね。

柳 :対策と適応の両方ですね。

上野:1970年以降の温度上昇は、自然の変化とは言えないレベルに達し、現時点で既に、産業革命前と比べ0.7-8℃上がっていると言われています。1988年頃からは国際問題になり始め、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書の記述も徐々に変化し、“人間活動”が主な原因の可能性が極めて高いと言われるようになりました。


地球温暖化に対する異説をどう思う?

森 :でも、社会には、地球温暖化に対する異説を唱える人たちもいますよね?

上野:寒冷化しているなど、いろいろな説が言われていますが、人間活動が主因であるということはほぼ崩れないと認識しています。

森 :秋なのにあまり寒くないとか、台風が大きくなったということも温暖化と関係しているのですか?

上野:現象の1つ1つを温暖化によるものかそうではないのかを区別することは難しいですが、長い期間での傾向として、たとえば台風が大きくなるといったことが今後、観測されていくと思われます。

温暖化がこのまま進むと、どうなる?

上野:IPCCのレポートは、温度上昇が増え、人間や自然に対する危険度は増すという情報を伝えています。

森 :具体的にはどんなリスクがあるのでしょう?


上野:生態系への影響や異常気象が起こっているとされています。そして、温暖化の影響は地球全体に均質に現れるのではなく、場所や所得によって受けるダメージに差が生じることもポイントです。他方、温暖化の原因となる排出に目を転じると、新興国の排出がこの15年で急増しましたが、人口の差を考慮した、各国の国民一人あたりの排出量について見ると、国や地域間の差が依然、大きいです。

森 :地球温暖化がプラス1℃ぐらいでキープできていればそれほどでもないけれど、上昇が大きくなるとヤバくなっていくということでしょうか?

柳 :脆弱な地域に暮らしている人たちが地球温暖化から受ける影響は大きいと、IPCCは認めています。対策する予算・技術・人員のない国に対しては、国際協力も必要になるでしょう。

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