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再エネ特措法改正に対する提言を公表

  • 2019年7月21日
  • エネクトニュース
次期改正法への見解
2019年7月17日、自然エネルギーを基盤とする社会の構築のため市場や社会の力を活かした政策、制度、金融・ビジネスモデルの研究、構築、および提言を行う公益財団法人自然エネルギー財団は「再エネ特措法改正に対する提言」を公表した。

現在、経済産業省の「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」において、現行の再エネ特措法で規定されたスケジュールにのっとり、見直しの議論が行われている。

この中でもとくに大きな変更点として「固定価格買取から直接販売及びプレミアム制度(FiP)への移行」「自然エネルギーの大量導入を実現するための計画的な系統形成」の2点を挙げている。

変更点への同財団の見解とあわせ、今後運用拡大が予想される入札制度についても、次期改正再エネ特措法において追加的に規定すべき点についての見解を示し、3つの事柄を提言として行った。

再エネ拡大に向けた3つの提言
同財団の提言は「自然エネルギーの市場統合のための環境整備を先行させる」「中長期の計画的な系統形成を進める」「入札量について複数年計画をたてる」の3点だ。

1つ目の「自然エネルギーの市場統合のための環境整備を先行させる」については、市場環境の整備なしに、拙速な直接販売の義務化を行うことは適切ではないとし、市場環境整備や発電事業者側の準備状況をみつつ、適切な移行期間を設定すべきとしている。

発電事業者が電力を直接販売をするうえでの現状の課題点として、事業者自身が直接販売できるノウハウやシステムを有していないことと、電気を販売し、需給調整する市場制度が未成熟であることを指摘し、販売システムや業者の育成、自然エネルギーからの出力の予測誤差調整も含めた環境整備が必要と述べている。

2つ目の「中長期の計画的な系統形成を進める」については、脱炭素社会の実現のため、自然エネルギーをさまざまな段階で拡大導入していくことを念頭に、前もって系統整備計画をたてることが重要であるとしている。

すでに欧米では、自然エネルギーの大量導入を想定した送電網の長期開発計画の策定や自然エネルギーの最適地に直接送電線を敷設することなど、またそれらを実行するための法規制の調整が実施され、成果を上げている。

そのような背景を受け、大幅な自然エネルギー目標値の引き上げを行い、その効率的な達成のため、現実的な地理的配置に関する検討を行うこと、政策目標達成のための系統整備にかかる費用については全国負担とし、また送電事業者のコスト効率的な事業運営を促すためにも、託送料で負担するのが基本であることを述べている。

3つ目の「入札量について複数年計画をたてる」については、現状の入札制度は毎年度入札募集枠を決める方法であるため、事業者は市場の展望を持てず、積極的な開発に踏み出しににくいということを指摘している。

ドイツが実施している数年先の入札量や上限価格などの事前公表する事例を挙げ、予見性を提供することで事業者が開発を進め入札参加の準備を進めることと、サプライチェーンに対しても数年間の市場供給量を予見しやすくなるため長期的な投資を決めやすくなるというメリットを提示している。

期間としては、入札指定をする電源区分のそれぞれ3~5年程度で調達する目標値を定め、各年で行う入札について入札量・実施回数等の複数年計画を定めることが適当であるとしている。

またあわせて、再エネ特措法の事業計画認定量がエネルギーミックスで想定していた導入量に近い、あるいは、超えている電源もあることから、調達する目標値の設定のためには、エネルギーミックスの引き上げが必要であるとしている。

(画像はホームページより)


▼外部リンク

公益財団法人自然エネルギー財団 ニュースリリース
https://www.renewable-ei.org/

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