「10年ぐらい前は海外製品ばかりで…」コスメキッチンバイヤーに聞く“フェムケアトレンド”の変遷&売上No.1商品

  • 2025年3月26日
  • CREA WEB

 2004年、東京・代官山に1号店をオープンして以来、「肌や心に、おいしいものを。」をコンセプトに、オーガニック&ナチュラルコスメ市場をけん引してきた「コスメキッチン」。

 実は、フェムケアアイテムの取り扱いも業界に先駆けていました。現在も幅広いフェムケアアイテムを取り扱うバイヤー・マーチャンダイジングの清水朝子さんに、店舗で扱うようになったきっかけやトレンドの変遷、今イチオシのアイテムなどについてたっぷりお聞きしました。


創業当時の2004年からフェムケアアイテムを販売


コスメキッチン バイヤー・マーチャンダイジング 清水朝子さん。

――2025年3月現在、全国に67店舗を展開する「コスメキッチン」。国内外問わず、ナチュラル&オーガニックに特化した化粧品を中心に取り扱う人気店です。フェムケアアイテムを扱うようになったのは?

清水さん 実は、創業当時の2004年から取り扱っているものがあります。現在も売れ続けているチェコのブランドのボディオイルで、母娘の二世代でご愛用くださっている方もいます。当時、ある販売スタッフがPMSに悩まされていたときに、デリケートゾーン専用のアイテムを使ったところ、「悩みが軽くなった」と話していて、そこから“フェムケア”という分野に注目したのがきっかけと聞いています。


創業当時(2004年)から取り扱っているボディオイル、アロメディカ フェミノール。

――一人のスタッフの声を拾い上げたのがきっかけとは驚きました。現場の声を大切にしているのが垣間見えます。

清水さん どんなブランドを扱うか、そして仕入れるかというのは、もちろんバイヤーが判断していますが、店舗スタッフの意見やスタッフが聞いたお客様の声をとても参考にしています。特にフェムケアアイテムに関しては、デリケートゾーンは皮膚の42倍もの経皮吸収率があるということもあり、確固とした成分ポリシーがありますが、それに敵ったものならば、候補に挙がることは多々あります。

――フェムケアアイテムのみならず、「可能な限りオーガニック原料や天然由来原料を使⽤しているものを扱う」という成分ポリシーがあるそうですね。

清水さん お客様に「コスメキッチンに来れば、安心して使えるアイテムがある」と思っていただけるように安心・安全は担保したいと思っています。ですから、候補に挙がっていても成分を確認したうえで、販売を見送るものもあります。

――特に、デリケートゾーンに使用するフェムケアアイテムはそのあたりがとても重要ですよね。

清水さん 個人的な意見ではありますが、フェムケアアイテムはスキンケア以上に「自分をいたわる」という意識で使用するものだと思います。ですから「手に取りたくなる」「使っていて楽しい」「継続的に使える価格帯」ということにこだわっています。

ここ数年で、世間のフェムケアに対する意識は激変!

――20年前、フェムケアアイテムを店舗で扱うことに関し、社内からはどんな声があがったのでしょうか?

清水さん 「コンセプトに合っているし、やるべきだ」という肯定的な意見ばかりだったと聞いています。ただ、生理用ナプキンの取り扱いは難しかったですね。当時は「隠れて買うもの」という意識があって、ドラッグストアで買ってもこっそり中の見えない紙袋に入れられるような時代でしたから……。販売しにくいのでは、という意見もあったようです。

――今は、生理用ナプキンをコソコソ買うということはなくなりましたよね。

清水さん 10年くらい前は、フェムケアアイテムを購入するきっかけというのは「憧れのモデルさんや女優さんが使っているから」が多かったような気がします。当時は海外製のアイテムばかりでしたが、ここ数年で日本製のものがとても増えましたよね。日本のアイテムは、悩みに応じて製品が細分化されていたり、洗浄料を例にするならば、海外製のものは自分で泡立てが必要なのに対し、日本製のものは泡状で出てくるなどの差があると思います。


日本初のデリケートゾーン専門美容サロンがプロデュースした洗浄料「ピュビケアオーガニック フェミニンシフォンソープ」。泡で出てくるので、すぐに使えて便利。

 また、2〜3年前から一部の店舗とオンラインストアでプレジャートイの取り扱いを始めたのですが、このときは「お客様のために、導入すべきだよね」となりました。本当に、時代が変わったと認識しています。

現在のトレンド、そして今後の動向は?


コスメキッチン バイヤー・マーチャンダイジング 清水朝子さん。

――現在、コスメキッチンのお客様はフェムケアに関して、どんな悩みを持っているのでしょうか?

清水さん デリケートゾーンの黒ずみやかゆみ、そして生理不順やPMSが多いようですが、アイテムを変えたことで、悩みが軽くなったという声も多いようです。

 そしてフェムケアやオーラルケア、そしてシャンプーは「一度オーガニックのものを使うともう戻れない」というお客様が多数いらっしゃるようですね。

 オーガニックアイテムというのは、その人が持っている本来の機能を取り戻してくれるものなのではないかと個人的には思っています。例えばデリケートゾーンの洗浄料の場合、一般的な界面活性剤を使ったようなアイテムは“オフする”機能がメインなのに対し、オーガニックのアイテムはミネラルなど自然の成分の力が不調なところに作用し、コンディションを整えてくれるのではないでしょうか。

 さらに、お客様が気兼ねなくフェムケアアイテムのショッピングができるのは、店舗にいる女性スタッフが親身になって相談を受けてくれるからというのも理由のひとつだと思います。あるお客様が肌あれで困っていると聞いたときにデリケートゾーンのケアを勧めた結果、悩みが解決したという事例もあります。

――同性だからこその悩みが共有できるというのは、とても心強いですね。現在取り扱っているアイテムの傾向はどんなものでしょうか?

清水さん 6〜7割がデリケートゾーンの洗浄料です。他はオイルやクリームなどのデリケートゾーンの保湿アイテムが多いですね。使用後に爽快感があり、ムレを防ぐミストも人気です。また、韓国コスメの人気に伴い、韓国産のフェムケアアイテムの取り扱いも増えています。

――30代から更年期までと、幅広い年齢層のお客様がいらっしゃると聞きましたが、清水さんが注目している“これから来るトレンド”を教えてください。

清水さん 和式トイレの減少に伴い、ふんばる機会が減ったため腟の周囲にある骨盤底筋の筋力が低下し、尿漏れに悩む女性が増えていると聞きますから、尿漏れ対策としてのショーツやパンティライナーはこれからもっと需要が増えていくのではないでしょうか。

 また、ここ数年の酷暑とそれが長期間続くことにより、デリケートゾーンのかゆみや炎症に悩む女性が増えてきているので、これらの悩みに応じたアイテムも増えると思います。

――なるほど。トレンドを見据え、多くの女性たちに快適さを提案し続けているコスメキッチン、これからも注目していきますね。

コスメキッチンバイヤーが注目するフェムケアアイテム5選

【01】アロメディカ フェミノール


アロメディカ フェミノール 100mL 3,960円。

 コスメキッチンにてNo.1のロングセラー。チェコ発ブランドのボディオイル。常在菌を守りながらデリケートゾーンを洗浄するのに適していて、保湿効果も高い。イランイランやローズの香りで癒し度満点。

【02】アルジタル デリケートハイジーンソープ


アルジタル デリケートハイジーンソープ 250mL 3,300円。

 コスメキッチンフェムケアカテゴリーにおける売り上げランキング1位のアイテム! イタリア発ブランドの海洋性ミネラルや保湿成分をたっぷり含んだ、グリーンクレイ配合のデリケートゾーン用洗浄料。臭いやムレにもアプローチ。たっぷりの容量も嬉しい。

【03】ピュビケアオーガニック フェミニンシフォンソープRY(ローズ&イランイラン)


ピュビケアオーガニック フェミニンシフォンソープRY 220mL 2,750円。

 日本初のデリケートゾーン専門美容サロンがプロデュースした泡状洗浄料。天然由来成分100%、そのうちオーガニック成分74.7%で、弱酸性。国産ならではの高い機能性が魅力。

【04】ソエル LIVING-OIL デリケート フェミニンオイル


ソエル LIVING-OIL デリケート フェミニンオイル 30mL 4,800円。

 セサミ、バオバブ、カカイなど厳選された天然植物由来100%のオイル。乾燥、かゆみ、ムレから肌を守り、うるおいを与える。ベタつきが少なく、顔にも使える。2種類のオーガニック認証を取得。

【05】ロジア バイ ハーリップトゥ ヴェルサイユ フェムローズオイル/ヴェルサイユ フェムローズウォッシュ


写真左から、ロジア バイ ハーリップトゥ ヴェルサイユ フェムローズウォッシュ 150mL 3,300円、ヴェルサイユ フェムローズオイル 30mL 4,900円

 小嶋陽菜氏プロデュースのランジェリーブランドから、この春誕生。オイルと美容液の二層式で、みずみずしいうるおいを与えるオイルと、やわらかな泡で洗い上げる洗浄料。共に天然由来成分100%配合。

お話を聞いたのは…

清水朝子さん

コスメキッチン バイヤー・マーチャンダイジング。2016年入社。店舗スタッフ、営業、バイヤーを経て、現職。入社前からコスメキッチンの大ファンであり、顧客の声を大切にした商品企画と店舗作りを推進。

コスメキッチン
https://www.cosmekitchen-webstore.jp/

文=増本紀子(alto)
撮影=平松市聖

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