冷たく乾いた木枯らしが吹き、日本に冬がやってきました。自然の美しさと厳しさをひときわ感じる季節です。
凍てつく寒さが生む景色や、澄んだ空気に映えるイルミネーション……日本各地の冬ならではの絶景・風物詩を集めました。
暖かくして、今しか見られない冬景色に会いにいってみませんか? 今回は、長野県が誇る冬の絶景・風物詩をピックアップ。日本の各地に息を呑むような素晴らしい景色が広がっています。
標高1,500〜1,900メートルに位置する霧ヶ峰高原。夏は美しい丘陵地帯をドライブするビーナスラインが人気だが、冬はスキーを楽しむ人で賑わう。
なかでも霧ヶ峰の厳しい寒さが作り出すダイヤモンドダストやサンピラー現象は必見。標高が高い霧ヶ峰高原は、厳冬期にはマイナス10度以下の世界になり、本州では珍しいサンピラー(太陽柱)を見ることができる。カラマツ林の霧氷と相まって絵画のように美しく幻想的。出合えたら本当に幸運ともいえよう。
霧ヶ峰のサンピラー(きりがみねのさんぴらー)
所在地 長野県諏訪市霧ヶ峰高原
https://www.go-nagano.net/topics_detail6/id=1925
例年1月下旬から2月中旬まで開催される「氷雪の灯祭り」は、木曽路の地元住民が作りのアイスキャンドルや竹灯籠を作り、木曽路の町並みを美しく彩る人気のイベント。
木曽路内の宿場などで行われ、それぞれ趣向を凝らした街並みを楽しむことができる。石畳や史跡などの古い町並みに明かりが灯され、昼間の宿場とはまた違った幻想的で風情ある光景は、映画の世界のセットさながら。アイスキャンドルの暖かい光に包まれた、期間限定の景色を満喫できる。
開催期間:2025年1月25日(土)〜2月15日(土)まで 開催場所を変えて開催。
木曽路 氷雪の灯祭り(きそじ ひょうせつのひまつり)
所在地 木曽路内の宿場
https://kiso-nagano.ne.jp/recommend/2025ice_festival/
北八ヶ岳のふもとにある松原湖は、ブナやカラマツの樹林が湖を取り囲み、湖畔から見る八ヶ岳の眺望が絶景。冬の風物詩となっているのが、氷上でのワカサギ釣りだ。色とりどりのテントが点在し、それぞれがワカサギ釣りに奮闘。ドーム桟橋も登場し、道具は一式レンタルできるので、手ぶらでも暖かく気軽に楽しめる。
自分で釣ったワカサギをその場で天ぷら等にしていただくことも。水のきれいな松原湖のワカサギは、身が引き締まっていて特に絶品。近くには八ヶ岳の温泉があるので、冷えた体を温めて旅を締めくくるのもいいだろう。
時期:2024年12月下旬〜2025年3月上旬(予定) ※氷の状況による
小海町 松原湖 氷上のワカサギ釣り(こうみまち まつばらこ ひょうじょうのわかさぎつり)
所在地 長野県南佐久郡小海町豊里
https://www.koumi-kankou.jp/tour/experience/552/
「スノーモンキー」として、冬にはサルが温泉に浸かる様子で知られる、国際的な観光地が地獄谷野猿公苑。冬に外国人が訪れたい長野県の観光地として、上位に挙がる名所だ。
冬の寒さをしのぐために温泉へ浸かるようになったと言われるニホンザル。1964年の開苑以降、ニホンザルと人間との共生を掲げ、柵や囲いを設けずに自然に近いニホンザルの姿を間近に見ることができる。温泉へ入る姿が見られるのは主に冬だが、春には生まれた子猿を育てる姿が見られることも。
温泉に浸かりながら気持ちよさそうに目をつぶった様子を見ていると、ほっこり癒されることだろう。
地獄谷野猿公苑(じごくだにやえんこうえん)
所在地 長野県下高井郡山ノ内町平穏6845
https://www.go-nagano.net/natue-and-outdoors/id12212
江戸時代から「杖要らずの湯」として親しまれてきた鹿教湯(かけゆ)温泉。「鹿が教えてくれた湯」と伝わる山間の小さな温泉地として、毎年冬になると約200個の氷で作られた「氷灯篭」の光が静かな温泉地に灯る。
午後4時30分からは点灯体験に参加したり、長野県産のお酒を扱う栄屋さんでは、掘り出し物のワインに出合えることも。
鹿教湯温泉は上田市と松本市の間に位置するので、鹿教湯を拠点に観光に行けるのも魅力。
開催期間:2024年12月27日(金)〜2025年1月31日(金)
開催時間:午後4:30〜午後9:00頃(ロウソクの灯が消えるまで)
※天候不良により中止となる場合があります
鹿教湯温泉 氷灯ろう夢祈願(かけゆおんせん こおりどうろうゆめきがん)
所在地 長野県上田市鹿教湯温泉 文殊堂・薬師堂周辺湯坂〜共同浴場(文殊の湯)〜五台橋〜文殊堂〜薬師堂
https://www.kakeyu.or.jp/kooridourou/
長野県飯山市の「かまくらの里」に、毎年1月下旬から2月下旬までの約1か月間、雪で作られた20基程の「かまくら」が設置される。
かまくらは、昼は空の青と雪の白いコントラストが見事。夕方になり日がかげってくると、かまくらブルーに、夜は明かりが灯された幻想的な雰囲気とさまざまな表情を楽しめる。真っ白な雪原に大きなかまくらがいくつも出現した光景は、豊富な積雪量を誇る飯山市の冬の風物詩となっている。
かまくらの中で食べられる名物グルメは、野菜やきのこ、北信州みゆきポークなど、飯山産食材たっぷりの「のろし鍋」。このほか雪遊びなども楽しめる。
開催期間:2025年1月24日(金)〜2月28日(金)
飯山市 かまくらの里(いいやまし かまくらのさと)
所在地 長野県飯山市寿807-2
https://kamakuranosato.net/
https://www.iiyama-ouendan.net/special/kamakura/
松本市の乗鞍高原にある善五郎の滝は、番所大滝、三本滝とともに、「乗鞍三名滝」と称される滝のひとつ。落差21.5メートル、幅8メートルの善五郎の滝は、グリーンシーズンには朝日を受け、美しい虹が現れることも。そして厳冬期は氷瀑となり、普段の滝とは全く違う迫力のある姿を見せる。
寒さが作り出す氷瀑は荒々しくも繊細で、まさに自然が生み出した芸術作品。乗鞍岳をバックにした氷瀑の壮大さを味わってみて。
※氷瀑観賞は、氷瀑が崩れ落ちたり、滝壺にクレバス(氷の割れ目)があったりと、危険を伴います。冬山装備が必要なので、現地ガイドなどに相談してください。
善五郎の滝 氷瀑(ぜんごろうのたき ひょうばく)
所在地 長野県松本市安曇乗鞍高原
https://norikura.gr.jp/content/hyoubaku-kottataki/
南アルプスを望む豊かな自然に恵まれた南信州地域は、光の干渉が少なく県内でも美しい星空を見ることができるエリアのひとつ。冬の澄んだ空気が魅せる満天の星は、一度見ておきたい絶景。夜空には星がこんなにあったのかと思うほどの星空を見上げれば、宇宙へつながる自然の壮大さを感じるだろう。
肌がピリッと張り付くような寒さの中での天体観測は、一瞬寒さを忘れるほどの輝きを見せてくれる。プラネタリウムやツアーも開催されているので、大切な人と静かな夜に星空を見上げてみては。
南信州の星空(みなみしんしゅうのほしぞら)
所在地 長野県南信州地域
https://www.go-nagano.net/theme/id=17413
たくさんのスキー場がある長野県では、県内各所で雪に包まれた大自然の壮大な景観を楽しむことができる。極上のパウダースノーを求めて国内外からスキーヤーやボーダーが集まり、バリエーション豊かなスキー場は、上級者からファミリー層までファンが多い。
ノンスキーヤーでも楽しめるアクティビティも充実。スノーシューで雪原を歩いたり、山頂のカフェで絶景を眺めたり、かまくらの中で食事ができるスキー場も。すぐそばには癒しの天然温泉と絶品グルメも待っている。長野県なら、雪遊びのアクティビティを存分に満喫することができるのだ。
スノーリゾート信州(スノーリゾートしんしゅう)
所在地 長野県内各地
https://www.go-nagano.net/theme/id=19767
麻績村(おみむら)にある聖山の麓になだらかに広がる聖高原は、幻想的で美しい樹氷の風景を観賞できる人気スポット。聖高原の寒さが作り出す樹氷の森は、まるで映画の世界のよう。樹氷の森は聖山高原県立自然公園の中にある。
純白の樹氷の森は気温が上がると消えてしまう儚い景色。いくつもの条件が重なった日にしか見ることのできない絶景は息を呑む美しさで、この景色をフィルムにおさめようと多くのカメラマンが足を運ぶ。
聖高原の樹氷の森(ひじりこうげんのじゅひょうのもり)
所在地 長野県東筑摩郡麻績村聖高原
https://www.go-nagano.net/natue-and-outdoors/id21497#anchor07
文=CREA編集部