ちょっと遠出してキャンプやハイキング、身近な自然でバーベキューやピクニック……そんなアウトドアの時間をいっそう楽しくしてくれるのが、機能的で素敵なアイテムたち。でも数多く発売されているアウトドアグッズの中からどれを選べばいいのか迷ってしまう。そこで外遊びの達人である、アウトドアブランドの社員に、おすすめを聞いてみよう。
連載第26回は、デザインと機能性を両立した製品で大人気のアウトドアブランド「Snow Peak(スノーピーク)」から広報の小野愛実さんが登場。幼少期から家族とともに野遊びに親しみ、各地でキャンプを楽しんでいる小野さんが選んだアイテムとは?
ビクトリノックス
https://www.victorinox.com/ja-JP/
「スノーピークに新卒で入社したとき、父親からプレゼントしてもらったのがマルチツールでした。父が長年愛用しているアイテムでもあり、『ひとつ持っているといいぞ』って新しいものを買ってくれました。両親は大のアウトドア好きで、私は0歳のときから家族と一緒にキャンプへ行っているんです。マルチツールのコンパクトは15もの機能がありますが、私はお酒が大好きなので、オープナーや栓抜きを使うことが多いです。あとはおつまみを切るのにナイフも。小さくて持ち歩きやすく、お気に入りです」
スライドガストーチ ST-480C/SOTO
https://soto.shinfuji.co.jp/products/st-480c/
「キャンプでの調理や、ちょっとした火が必要なときに、とにかく便利。使用時は、火口のノズルを伸ばせるので手元から離して安全に使えます。燃料は充てん式で買い替える必要はなく、私は先輩からおすすめしてもらって以来、もう10年くらい愛用しています。自宅でもキャンドルやお香に火をつけるときに使っています」
スノーピーク
https://ec.snowpeak.co.jp/snowpeak/ja/
「小さくてかわいいデザインがお気に入りのLEDランタンです。従来の乾電池式に加えて、USBタイプCに対応した充電式モデルが新しく発売されました。ループはマグネット式で便利。暖色のやさしい灯りで、キャンプサイトに吊り下げると素敵な空間を演出できて、私は5個持っています。光量の調整もできるので、テントの中や自宅のベットサイドなどいろんなシチュエーションで使っています。防災用品としてもおすすめ」
「ちょっとしたピクニックでもキャンプでも、自宅でも気軽にお茶が淹れられるティーポットセット。アウトドアでも手軽にお茶を楽しめるように、と開発された商品で、随所にこだわりが込められています。たとえば、ポットがクリアなのでお湯を注ぐと茶葉が花開くようにフワーッと広がる様子が見えてきれい。ポットと湯呑みは、ガラスではなく割れにくいトライタン素材なので、アウトドアでも安心して使えます。また構造がシンプルでパーツが少なく、お手入れがラクなのも好きなポイント」
フマキラー
https://fumakilla.jp/insecticide/836/
「私はアレルギー体質なので、ブヨや蚊などの虫刺されが重症化してしまうことがあり、虫よけスプレーは絶対に欠かせません。これまでいろいろな商品を試したなかで、一番効果を感じたのが、虫よけ成分イカリジンを高濃度で配合した『天使のスキンベープミスト プレミアム』。アウトドアには大小2サイズを両方持っていって、大きいほうはキャンプサイトに置いておき、小さいほうを持ち歩いています」
フルコートF/田辺三菱製薬
https://hc.mt-pharma.co.jp/site_flucort/
「対策をしっかりしながらも、もし虫に刺されてしまったときのために備えて持っているのが軟膏の『フルコートF』。以前、キャンプイベントでブヨに刺されて、先輩から教えてもらったこの軟膏を塗ったらよく効きました。それからは、お守りのように肌身離さず携帯しています」
「乾燥味噌とトリュフソルトを合わせたスパイスです。パスタやサラダ、チーズ、お肉、ご飯……本当になににかけてもめちゃくちゃおいしい。キャンプでも家でもよく使っています。宮崎県の『早川しょうゆみそ』の商品で、今年オープンしたスノーピーク都城キャンプフィールド内のレストランでも販売しています」
のどぐろだし塩
https://haginoshokuhin.co.jp/334/
「夜は飲みすぎた……というキャンプの朝は、『のどぐろだし塩』をお湯に溶かしたスープが沁みます。もちろんそれだけじゃなく、肉料理にも炊き込みご飯にもよく合います。私にとって“キャンプはお酒を楽しむもの”というくらい仲間とたくさん飲むので(笑)、だしの味はホッとします」
「アメリカのミシガン湖で見た風景が思い出深いです。ミシガン州立大学に留学中の夏休み、友だち10人くらいで遊びに行きました。透明度が高くてきれいなミシガン湖で遊んだあと、近くのシルバー・レイク・サンド・デューンズという広大な砂丘に行って、夕陽を見ながらビールを飲んで、まったり過ごしました。
当時アメリカの自然を訪れた経験は、私にとって、やっぱりアウトドアが好きだなとか、自然と関わる仕事をしたいなと再認識する機会になりました」
――そんな小野さんがアウトドア初心者に伝えたい、「アウトドア半径を広げるコツ」とは?
「周りに経験者がいなくてどうやって始めたらいいかわからないという場合は、アウトドアイベントへの参加がおすすめです。スノーピークでも、季節によっては毎週のように全国各地でキャンプイベントを開催していて、入門者向けの『スターターキャンプ』もあります。
イベントではスタッフからいろんなノウハウを学べて、友だちづくりのきっかけにもなります。ひとりで参加する方も多いですし、一緒に始めたい友だちと一緒に参加するのもいいですね。いきなりキャンプはハードルが高いという場合には、近所の公園でピクニックとかチェアリングから始めてみるのはいかがでしょうか」
スノーピーク
1958年、金物問屋として、山井幸雄氏が創業した「山井幸雄商店」が前身。登山を趣味とする山井幸雄氏が、当時の登山用品を改良したいと、オリジナルの道具を開発、全国に販売を開始。その後、現社長である山井太が入社し、オートキャンプという新たな領域を切り拓く。独自の「スノーピークレイアウトシステム」は、フィールドでの居住性を第一に、ファニチャーからバーナー、キッチンテーブルなどすべてのオートキャンプ用品をシステムとして設計し、瞬く間にキャンパーの心をつかんだ。現在は、日本国内に直営店だけでも37店舗、中国、台湾地区、韓国、アメリカ、イギリスなどでも展開している。近年は環境への取り組みとして、ダウン、化繊、コットンなどの素材の回収・再利用、キャンプギアのリユース事業も開始した。
https://www.snowpeak.co.jp/
文=一ノ瀬 伸
写真=今井知佑