トルコのエーゲ海に面するイズミルは国内第3の都市。エーゲ海地方観光の拠点となる街です。トルコ国内ではもちろん、欧州のリゾート地として古くから愛されてきたエーゲ海エリアは、食べ物もクルージングも古代遺跡などの観光地もまだ知らなかった魅力でいっぱい。第2回目は朝起きるのがワクワクする朝食、リゾートでおすすめのホテル、ランチをご案内。
旅先の朝食はとても大切な時間。そのクオリティによって訪ねた場所の印象が大きく変わるほどです。トルコは食料自給率が100%を超える世界有数の農業大国だけあって、年間を通していろいろな作物が収穫されますが、主要な農産物は小麦やトマト、とうもろこしやブドウなど。朝食の主役、パンの消費量も世界一なのだそう。
焼き方や製法によって、トルコ語でエキメッキ、ピデ、ソムン、シミットなどと呼ばれるパンと一緒に、トマトやキュウリなどの生野菜、白いフレッシュチーズ、卵料理、オリーブの塩漬けなどのピクルス類、ブドウなどのジャム、ハチミツ、フルーツなどがテーブル狭しと並ぶ姿は壮観!食後にトルコの紅茶、チャイを飲むのも定番です。
トルコの朝食は豊かな食材に支えられたヘルシーでシンプルなもの。イスタンブルでもエーゲ海エリアでも特産によって多少の差はあれどラインナップは似ています。単調で飽きるかと思いきや、これがまったく飽きがこない! 唯一注意はつい食べすぎることと心得て、トルコの朝食を味わってください。
イスタンブルの国際空港から車で20〜30分の場所にある、自然に囲まれたコテージ風のレストラン。緑溢れる木立の中に屋根付きのテーブル席が点在し、週末には友人・家族連れでBBQを楽しむ人も多いそう。トルコの朝食のお手本のようなスタイルで提供されます。
写真の左奥にある細長い春巻きはチーズの包み揚げ。カッテージチーズにパセリなどのハーブを混ぜてフライにした“シガラボレイ”と呼ばれるものです。朝食には冷製のおかずに加えて、軽めの揚げ物や卵料理などの温かいおかずも並びます。
Doğa Kır Lokantası
ドア・クル・ロカンタス
https://www.dogakirlokantasi.com.tr/
アラチャトゥは紀元前1世紀頃にオスマンとギリシャの人々が住み着いた、石造りの家が並ぶ美しい村。イズミルのアドナン・メンデレス空港から車で1時間ほどの場所にあります。ホテル、ガイア・アラチャトゥの朝食は、パンのほかトマトペースト、ブドウやゴマのペーストもホームメイドの味わいで、ステイ中はまるで知り合いの家を訪れたようなリラックス気分で過ごせます。
Gaia Alaçatı Bazzr
ガイア・アラチャトゥ・バザール
https://www.hotelsgaia.com/en/gaia-alacati-en/
トルコの未知なるエーゲ海リゾート#1でもご紹介したワイナリーホテル、イエディ・ビリゲレルは、ディナーもさることながら、朝食も充実しています。フレッシュな野菜やフルーツのほか、オリーブやブドウの加熱法に工夫を凝らしたジャムやソースも登場。ふんわり焼き立てのパンケーキも美味!
7 Bilgeler
イエディ ビリゲレル
http://www.yedibilgeler.com/
ワイナリーホテルのイエディ・ビリゲレルから車で1時間ほどの場所に石造りの家屋が点在する小さな村、Doğanbey köyü (ドアンベイ・キョイ)があります。オスマン帝国時代後期の建築様式の家々を修復しながら保存しているこのエリアには、カフェやレストラン、ホステルなどがあり、ウエディングの写真撮影などに訪れる人も多いとか。
エーゲ海を望む木造バルコニー付きの2階建て家屋が建ち並ぶ、狭く緩い坂道は石畳。道沿いにブーゲンビリアが咲き乱れ、桑の木をはじめとするさまざまな樹木が生い茂る美しい村です。かつてトルコとギリシャで人口交流といわれる政策があった際に、移住してきたギリシャ人の名残があるとも言われています。
Doğanbey köyü tarihi Evleri
ドアンベイ キョイ タリヒ エブレリ
所在地 Doğanbey, Unnamed Road, 09220 Söke/Aydın, Türkiye
イズミルから南に下ったエーゲ海沿岸は、ビーチや古代遺跡が多く点在するエリア。中でも最大のリゾート地がボドルムです。
トルコのエーゲ海観光の拠点、アドナン・メンデレス空港から車で約3時間、デニズリ・チャルダク空港から約4時間の場所に位置する風光明媚なボドルムには、ラグジュアリーなホテルやミシュランも注目するレストランが多数あり、5〜10月のハイシーズンは多くの観光客でにぎわいます。
ボドルムでおすすめの「ザ・マルマラ・ボドルム」は街を見下ろす丘に建つ、館内各所からエーゲ海の眺望も見事なホテルです。絶好のロケーションに加え、空の青を映して輝くプールや、スパ、大理石ハマムなどのウェルネス施設も充実。欧風な設えとサービスも心地よい、ホスピタリティ溢れる空間です。
The Marmara Bodrum
ザ・マルマラ・ボドルム
https://www.themarmarahotels.com/bodrum
現在のイズミルは1922年の大火によって焼失したオスマントルコ時代から復興した姿で、それ以前のイズミルはスミルナと呼ばれ、トルコ随一の西洋化が進んだ街だったそう。当時はイスラム教徒よりもキリスト教徒やユダヤ教徒が多く、貿易商などの商人や外交官、水夫などが多く暮らすコスモポリタンの街でした。
その名残もあり、トルコきっての洗練された商業都市として、通りや建物の外観もヨーロッパ風のものが多いのだそうです。
街のランドマーク、サアト・クレシの時計塔の先に広がる「ケメルアルトゥ・チャルシュス」は食品、衣料品、雑貨、貴金属、家電などなんでも揃う巨大バザール。もちろんカフェやレストランもあり、アーケードになったエリアやオープンエアも混在して、1日過ごしても飽きないショッピングのテーマパークです。リゾート地に向かう前後に訪ねてみてはいかが。
Kemeraltı Çarşısı
ケメルアルトゥ・チャルシュス(バザール)
所在地 Konak, Anafartalar Cd., 35250 Konak İzmir, Türkiye
トルコ未知なるエーゲ海リゾート#1のディナー篇に続き、各地のランチをご紹介。ビーチに近いレストランでは魚介をシンプルかつ大胆に調理、少し内陸に入るとチキンやラム、ビーフの料理が多いけれど、野菜をたっぷり使って冷製メゼやサラダを提供するのはどのレストランも同じです。こちらで紹介するレストランはディナー営業もしています。
イズミルの中心街から車で1時間弱のエーゲ海沿いにあるシーフードで有名なデニズ・レストラン。マリーナに面したテラス席で潮風を感じながら、エビやイカ、タイなどの魚介類を中心とした料理が楽しめます。
İzmir Deniz Restaurant
イズミル・デニズ・レストラン
https://www.denizrestaurant.com.tr/
ボドルムのシンボルともいえる聖ペトロ城からほど近いショッピングエリアにある、トルコでは“ロカンタ”と呼ばれる大衆食堂“サカルル・レストラン”。観光客向けでは味わえない雰囲気と店の奥に並ぶ料理から選ぶ楽しさ、そしてなんといってもリーズナブルな価格で満足できるボリュームと味わいが魅力です。
Sakkalli Restaurant
サカルル・レストラン
所在地 Çarşı, Ali 90 Sokak No:11, 48400 Bodrum/Muğla, Türkiye
イズミルの南東、アナトリア西部にあるパムッカレのエリアには「アフロディシアス・アンティーク・ケンティ」と呼ばれる広大な遺跡があります。トルコではエフェソスの遺跡と並び、往時の建築物が残る最も立派な古代遺跡とも言われています(トルコ未知なるエーゲ海リゾート#3でご紹介)。
アフロディシアス・アンティーク・ケンティから車で10分ほどの場所にあるアナトリア・レストラン。イチジクやオリーブ、バラなどさまざまな樹木や花に、踊るインコのお出迎えも楽しい憩いのスポットです。
ほとんどの料理に自家農園の有機栽培素材を使い、近くの牧場から届く牛乳で作られる塩入りヨーグルトドリンクのアイランやデザートの水切りヨーグルトなども味わえます。
Anatolya Restoran
アナトリア・レストラン
https://www.anatoliaturizm.com.tr/anatolia-restaurant/
※2024年9月12日現在1TL(トルコリラ)=4.18円
文=CREA編集部
写真=橋本 篤