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【谷口ももよの“一日一薬膳”】 薬膳の本場・台湾への旅。 薬膳に興味を持ったあなたへ

  • 2023年11月21日
  • CREA WEB

 7日間で薬膳の基礎を学ぶ、短期集中連載「谷口ももよの【“一日一薬膳”】」。

 年齢を重ねると起こる、さまざまな身体の変化と上手に向き合っていくためにも、自分の身体と対話しながら、ゆるく薬膳を始めませんか? 薬膳知識のはじめの一歩を、薬膳料理研究家・谷口ももよ先生に教わりました。


旅先では「サンダル」が定番


「よく台湾へ薬膳の勉強をしに行きます」と谷口先生/写真提供 アフロ

 今年もまた台湾に行ってきました。薬膳の勉強のために定期的に訪問しているのですが、毎回、朝から晩まで精力的に動き回ります。長くいられるわけではないので、一食、一食がとても大切。何を食べたいか考えて、事前にしっかりリサーチとスケジューリングをして、街に繰り出します。

 普段、運動靴を履き慣れていないので、旅先でも少しヒール感のあるサンダルが定番です。「疲れませんか」と言われるけれど、雨が降っても爪先はすぐ乾くし、旅先でもおしゃれをしたいし、何より慣れているから私はこれでOK。服装も、蒸し暑い台湾には涼しげなワンピースを持参します。

 フォーマルではないけれど、上級のカジュアルに見えるような、しっかりした布のもの。上下の組み合わせを考えなくていいし、シワにならないし、下にスパッツを履けば、お腹の冷え防止にもなりますしね。

旅のおともは「半夏厚朴湯」&ホテルは絶対バスタブ付き


行きたい店の情報は入念にリサーチするそうだ。

 今回は湿気にやられて途中でちょっとダウンしそうになってしまったけれど、無事に予定はこなし、同行者と半分ずつにしたりして食べたかったものも全部、制覇しました。顆粒の漢方薬「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」を必ず持って行くんですが、これは不安からくる体調不良、動悸などによい薬で、私の大切なお守りです。

 あとホテルはバスタブがあるところを選びます。普段から一日の疲れをリセットするのにちゃんとお風呂に入っているので、旅先でも同じようにその日の疲れはその日にとります。そうしないと予定が狂ってしまいますからね。

 台北の迪化街(ディーホアジェ)はレトロな街並みが素敵な漢方薬や乾物屋の集まる問屋街。高麗人参、枸杞(くこ)の実、棗(なつめ)や、日本ではあまり手に入らないような乾物を探して店を渡り歩きます。たくさんお店がありますが、乾物でも艶があってフレッシュなものを扱っていたり、葉っぱや根の形が綺麗に整えられていたり、店によって保存状態が全然違うんですね。

 買い物をする時はしっかり店を見極めて買うようにしてください。ジェスチャーで値段を交渉するのも楽しいです。今回はよもぎのアイテムが何かないかなと探していたんですが、足湯に入れるティーバッグ状のものを見つけました。これも日本ではやらせたいなと思っています。


迪化街にあるカゴの店もお気に入りの一軒だとか。

忘れられない高雄の結婚式


「久しぶりの台湾は湿気がきつかった」と谷口先生。

 今回は高雄が目的地。私の生徒さんでもある台湾人姉妹が経営するスパに行ってきました。高級でエレガントな雰囲気のスパなんですが、そこで出す薬膳料理のレシピの監修をしているんです。

 初めての訪問だったのですが、レシピがきちんと守られているか、どのメニューが人気なのか、新しい提案は何ができるか……など、実際にいらしているお客様の顔ぶれや年齢層を見ながら、チェックすることができました。日本風の薬膳カレーが人気なんですって。


台湾ちまきの作り方を教わる。

 台湾は生活の中に薬膳の考え方が日常的に取り入れられているのが素晴らしいと思います。生薬を使ったスープを売る屋台を所々で見かけますが、苦かったり、まずかったりする生薬が、きちんとした食べものに昇華されているのがすごい。見た目は素朴だったり、美しくはなかったりもするのですが、美容、健康の考え方のもとにきちんと成り立っているんですね。毎回、新たな発見があります。


谷口ももよさんが参加した高雄の結婚式。

 そして忘れられないのは高雄で、まったく知らない人の結婚式に参加したこと。ケータリングや料理を持ち寄ってパーティーを屋外で催す「バンゾー」という高雄南部の風習を体験してもらいたいと、クライアントが手配してくれたのです。親戚だけではなく、来たい人は主賓家族に断りを入れれば、誰でも参加できるそう。移動屋台みたいにガスコンロやせいろ鍋を屋外に設置して、大人数分の料理を作るのを見学させてもらいました。

 烏骨鶏のスープ、棗が入った薬膳スープ。チョウザメの蒸し料理など。その日はお寺のホールで行われて、20卓、250人くらい集まっていたかしら。新郎新婦だけがドレス姿で、親族の方々はみんなラフな格好でした。ユニークで、大らかなおもてなし文化ですよね。美味しいものを皆で食べてお祝いして笑顔になる、こういう気持ちを改めて大切にしたいと思いました。

年齢ごとに変化する自分の身体に寄り添う

 心と身体、どんなこともバランスが何より大切です。身体の声を聞き、年齢ごとに変化する自分の身体に寄り添うこと。ちょっとしたことの積み重ねで身体は変化してくれます。薬膳は難しいと思う方も多いと思いますが、その時、その時に必要なものが何かを知り、無理なく美味しく食べ、そして少し身体を動かすことと、心のご褒美も忘れずに。

 身体が軽いと心も軽く、身体が喜ぶことをすると心も嬉しくなるはずです。できることからぜひ試してみてください。みなさんの毎日に少しお役にたてたらうれしいです。


谷口ももよ(たにぐち・ももよ)

「健康は日々の食卓から」と「美食同源」をテーマに、身近な食材を使った簡単で美味しい薬膳レシピを提案。なかでも豆腐や野菜を中心としたよりヘルシーな“ベジ薬膳”を提唱する。薬膳料理教室を主宰し、講師育成の薬膳講座を全国で展開。レストランへのレシピ提供や企業との商品開発など活動は多岐にわたる。著書も多数出版し、『身近な10の食材で始める薬膳ビューティーレシピ』(講談社)、『5色の野菜でからだを整えるべジ薬膳』(キラジェンヌ)で、グルマン世界料理本大賞グランプリを2度受賞。「東洋美食薬膳協会」代表理事、「全日本薬膳食医情報協会」名誉顧問、「日本豆腐マイスター協会」理事、薬膳料理教室「Salon de Maman」主宰。国際中医師。

文=大滝美恵子
写真提供=谷口ももよ

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