サイト内
ウェブ

京都の魅力再発見! ちりめん街道篇 ハイカラ・モダンな建造物を巡る

  • 2021年6月11日
  • CREA WEB

 古き神社仏閣や歴史的な建造物が建ち並び、今なお伝統と革新が交錯する魅力的な街・京都市。

 そんな京都市から少し足を延ばして“北京都”へ行ってみませんか? そこにはいつもとはまたひと味違う、新しい京都が待っていますよ。

 第四弾となる今回は“ちりめん街道”と呼ばれる与謝野町加悦の重要伝統的建造物群保存地区を紹介。

 しなやかな肌触り、染め付けの良さ、豊かな色合いで、日本国内はもちろん、世界的にも高く評価されている「丹後ちりめん」の生産地であるこの地区には、木造・土壁の町家などの、明治・大正・昭和の各時代の建造物がいくつも建ち並んでいます。

 その光景は“屋根のない建築博物館”とも称されるほど。そんな歴史の風情を感じる街道へ出かけてみませんか。


「スパニッシュ・ミッション」様式の旧役場庁舎がお出迎え


 ちりめん街道を散策するなら、まずは京都府指定重要文化財の旧加悦町役場庁舎へ。

 この庁舎は昭和2年のM7.3の巨大地震の復興のシンボルとして、翌年に建造されたものです。

 生糸ちりめん問屋として栄えた尾藤家の11代目尾藤庄蔵が建築費の半分を寄付しており、「丹後ちりめん」の栄華を象徴する建物です。

 当時としてはモダンな建築様式「スパニッシュ・ミッション」を採用した建築で、当時の最新の技術と工法を用いて作られました。

 修道院(ミッション)の建築様式にちなむこの建物は、クリーム色の外壁とスペイン風の赤瓦。左右対称というところが特徴です。役所らしい落ち着きのある風情でありながら、どこか温かみを感じます。駐車場も隣接されており、散策の拠点に使うと便利です。

 さらに、与謝野町観光協会が庁舎内に設置されているので、観光ガイドの申し込みもここで出来ちゃいます(当日は対応できない可能性があります)。

 自分のペースで散策もいいけれど、エピソードを聞くとより楽しめるので、時間がある方はガイド付きがおススメです!

いよいよ街道散策へ、まるでタイムスリップしたよう



井筒屋旅館は創業明治23年の老舗旅館。1日3組限定の宿として現在も営業をしており、歴史的建造物に実際に宿泊することができる。

 南北に走るこの街道は全区間およそ830メートル。一歩街道へ足を踏み出すと、なんだか空気が変わったような心地がします。

 穏やかでのんびりとした街並みはまるで明治・大正にタイムスリップしたよう。そぞろ歩くにはぴったりです。

 これらの建物には、現在でも多くの住宅に住人が暮らしているとのこと。

 人の生活する息吹を感じることができるから、ノスタルジックな街並みでありながら活気や温かさを保っていて、より当時の雰囲気を醸し出しているんですね。

唯一内部をゆっくりと見ることのできる尾藤家


 ちりめん街道の中でもゆっくりと見て回りたいのが、旧尾藤家住宅。

 唯一家屋の内部を一般公開しています。かつて丹後ちりめんを生業にしていた大豪商の邸宅だったこの場所は、1階が和、2階は洋の和洋折衷の当時としてはモダンな設計。奥座敷や中庭などもあり、外観からは想像できないような空間が広がっています。



 歴史を感じる和の調度品と、進歩的な洋のインテリア。旧尾藤家住宅を表現するとすれば、まさにハイカラ。明治・大正・昭和の素敵なものがギュッと詰まっている、そんな感じです。

当時の文化を実感できる企画展なども



2021年2月27日〜3月7日には雛人形の展示が行われた。街道での催しと連動した企画なども行っている。

 旧尾藤家住宅では、季節によって企画展が実施されることも。歴史的に貴重な展示物や明治・大正・昭和を振り返ることのできるさまざまな展示が催されているので、歴史情緒にどっぷりと浸ることができます。

街道には丹後ちりめんの製造所も


工場の向かいにある事務所に声を掛けると見学することも。

 当時の面影だけでなく、今まさに丹後ちりめんを製造しているその現場を見学することもできます。街道にある株式会社丸中では現在でも変わらぬ製法で生地を作っています。

 ちりめんを織る機械の音は「ガッチャン、ガッチャン」となんだか心地よい響き。一定のリズムで刻まれるその音は母親の心音に似ていると言われ、与謝野町では「機織りの音が止むと、赤ちゃんが起きて泣き出してしまう」という逸話もあるそう。

 ちりめんという生業とともに成長し、生活していた人々の姿が思い出されるようです。

 現代の喧騒から少し離れて、ちりめん街道をゆっくり歩く。そんな歴史の情緒に触れる休日もおススメですよ。

ちりめん街道

所在地 京都府与謝郡与謝野町加悦
アクセス
鉄道:京都丹後鉄道宮豊線「与謝野駅」下車、タクシーにて約10分
車:山陰近畿自動車道 与謝天橋立ICから約15分
https://yosano-kankou.net/chirimenkaido/?page_id=54

文=CREA編集部
写真=鈴木七絵

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) Bungeishunju ltd. All Rights Reserved.