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松たか子主演ドラマはメガネ男子揃い “メガネイケメン”の誕生と変遷を考察

  • 2021年5月5日
  • CREA WEB

 メガネ男子ばっかりじゃないか……!

 これが、松たか子さん主演で放送中のドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)を観たときの率直な感想でした。


『大豆田とわ子と三人の元夫』には3人のメガネ男子が登場


公式HPより。

『大豆田とわ子と三人の元夫』は、ドラマ『東京ラブストーリー』(1991年/フジテレビ系)、ドラマ『カルテット』(2017年/TBS系)などのヒット作を数多く手がけてきた、脚本家・坂元裕二氏のオリジナル作品ということで注目を集めています。

 さて、『大豆田とわ子と三人の元夫』は3回離婚した大豆田とわ子(松さん)が、3人の元夫たちに振り回されていくロマンティックコメディーですが、その主要キャラである元夫3人が全員メガネキャラなんです。

 松田龍平さん演じる1番目の夫は、女性にモテる優しい性格のレストランオーナー兼ギャルソン。

 東京03・角田晃広さん演じる2番目の夫は、周囲から器が小さいと言われるファッションカメラマン。

 岡田将生さん演じる3番目の夫は、理屈っぽくひねくれた性格のエリート弁護士。

 三者三様の個性ある元夫たちですが、3人ともメガネをかけているんですよね。

 恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーである筆者は、“メガネイケメン”というジャンルがここまで多様化し定着していたのか! ……という驚きを覚えたものです。

メガネキャラは、かつては非モテのオタクキャラだったが……


©Getty Images

 ヒロインのお相手役が複数いるドラマは珍しくありませんが、その主要キャラ全員がメガネをかけているというのはかなり稀有。これはすなわち、“メガネイケメン”というジャンルがそれだけ浸透し、バリエーションも豊富になっている証拠ですよね。

 昔は“メガネキャラ=オタクキャラ”というイメージがありました。かつては“メガネイケメン”なんて概念は、ほぼなかったように思います。

 ですが今や、ひとつのドラマの主要男性キャラが3人ともメガネをかけていて、しかも誰一人オタクキャラではないのです。

 時代は移り変わっていくもの。

 現在、メガネをかけた男性キャラに、非モテのオタクという印象はだいぶ薄れ、知的なイケメンのイメージが定着しているでしょう。実際、昨今はドラマにもアニメにも、数多くの“メガネイケメン”が登場しています。

 では、いったいいつ頃から、“メガネイケメン”というジャンルが浸透してきたのでしょうか? ここからは過去の名作ドラマやアニメを振り返り、そのルーツを探ってみたいと思います。

『東ラブ』と『あすなろ白書』がジャンルの下地を作った?


 ドラマ界にいきなりド直球の“メガネイケメン”が現れたわけではなく、世間に慣らしていった期間があったのではないかと筆者は考察しています。

 トレンディドラマ全盛期である1991年に放送された恋愛ドラマの金字塔『東京ラブストーリー』には、江口洋介さんが演じる三上健一というチャラいモテ男がいました。

 普段の三上はノーメガネなのですが、医学部の学生である彼が大学にいるシーンなどでたまにメガネ三上が登場。デフォルトでメガネをかけているキャラではないものの、ナンパなモテ男がメガネをかけている姿は新鮮に映ったものです。

 1993年に放送されて大ヒットしたドラマ『あすなろ白書』(フジテレビ系)では、稀代のモテ男・木村拓哉さんがメガネキャラである取手治を好演していました。

 劇中ではヒロインにフラれてしまうあまりモテない役どころでしたが、演じたのが人気急上昇中だった木村さんだったこともあり、“メガネでもかっこいい”というイメージの刷り込みに一役買っていたように思います。

 このように1990年代前半の大ヒット恋愛ドラマによって、“メガネイケメン”というジャンルの下地ができていったのではないでしょうか。

マンガやアニメにも“メガネイケメン”という枠が誕生


 それと並行して、マンガやアニメの登場人物たちにも、“メガネイケメン”の潮流が生まれていきます。

 1992年にマンガ連載がスタートし、アニメ化や実写ドラマ化もされて人気を博した『金田一少年の事件簿』には、主人公のライバルであり仲間でもある明智健悟というキャラがいます。警視庁刑事部捜査一課の警視というエリートな彼は、容姿端麗な“メガネイケメン”でした。

 また、1999年からマンガ連載がスタートしてアニメ化や実写映画化もされた『テニスの王子様』は、イケメンキャラが大洪水していた作品として有名ですが、本作の中でも屈指の人気を誇る青春学園中等部テニス部部長・手塚国光はストレートな“メガネイケメン”。

 クールでインテリジェンスに富んでおり、しかも運動神経抜群という隙ナシの最強モテキャラだったのです。

『テニスの王子様』にはほかにも忍足侑士という“メガネイケメン”や、続編『新テニスの王子様』でも入江奏多という“メガネイケメン”が登場していました。

 手塚国光や忍足侑士は、作中でかっこいいキャラとして扱われているだけでなく、読者の女性ファンたちからも高い人気を集めていたのです。メガネでもモテる時代が来たのか? と驚いたことを記憶しています。

――近年のドラマには、『ダメな私に恋してください』(2016年/TBS系)のディーン・フジオカさん、『ホリデイラブ』(2018年/テレビ朝日系)の中村倫也さん、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(2019年/日本テレビ系)の菅田将暉さんなど、“メガネイケメン”は当たり前のように登場します。

 “メガネイケメン”という概念がここまで世に定着したのは、『あすなろ白書』の木村拓哉さんや、『テニスの王子様』の手塚国光などの功績が大きかったのかもしれませんね。

堺屋大地(さかいや だいち)

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『文春オンライン』(弊社)、『smartFLASH』(光文社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラムを寄稿。これまで『女子SPA!』(扶桑社)、『スゴ得』(docomo)、『IN LIFE』(楽天)などで恋愛コラムを連載。LINE公式サービス『トークCARE』では、恋愛カウンセラーとして年間1000件以上の相談を受けている(2018年6月度/カウンセラー1位)。
公式Twitter @SakaiyaDaichi

文=堺屋大地

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