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【西奈良Trip】古き神社仏閣が 不思議な世界へとあなたを誘う

  • 2021年4月13日
  • CREA WEB

作家の森見登美彦さん。

 住宅街に現れる森、神秘的な寺などが点在する「西奈良エリア」。

 この地とゆかりが深い作家・森見登美彦さんに魅力を伺い“森見ファンタジー”を育んだ、ひと味違った奈良の旅へと誘います。


古き都に住む人は四方が低い山だと安らぐもの


住宅街をぐるりと囲むように低い山が連なる風景。西奈良は奈良中心地から車で15分ほどで来られるエリア。

 新興住宅街に古い寺や神社が点在しているのが西奈良の面白さ。

 エッセイ『ジブリの教科書12 千と千尋の神隠し』で綴られているように神社仏閣を覆う森を「不思議な世界への入り口は近所にある」と感じていたという。

「王龍寺は高校時代によく行っていた寺のひとつ。中に長い山道があり、いつ行っても人気(ひとけ)がなくて静かなんです。神様がいるみたいというか。本堂の前に腰かけがあって、よくそこでぼーっと過ごしていました」

 山に囲まれた街並みは森見さんにとっては心安らぐ原風景でもある。


宝山寺駅から少し歩くと開放感ある眺めが。

「奈良県人は低い山が好きなんです(笑)。なだらかで、ゆったりとした山がないと安心できない。京都を含めて昔の都に住んでいた人は、同じ感覚を持っていると思いますよ」

 また、どこか秘密めいた場所と語るのが広大な敷地に建つ料亭 百楽荘。


料亭 百楽荘、「鈴蘭」と名付けられた2階建ての棟。

「一軒まるごと借りられる、秘密基地みたいな和食の店です。贅沢な場所なので記念日など特別な時に伺います」

 西奈良を旅するなら、生駒山まで足を延ばしてほしいと森見さん。そこで、お茶目なデザインの生駒ケーブルに乗り、宝山寺駅で下車。生駒山の中腹にある寳山寺は、自然豊かでピースフルな時間が流れている。

「息抜きに寳山寺の山間を登り奥の院まで散歩に出かけると気分転換になります。生駒山は僕にとっては特別な場所なんですよね」

「不思議な世界への入り口は近所にある」これこそ、子ども時代の私を支配していた感覚だった。
――『ジブリの教科書12 千と千尋の神隠し』より


野趣あふれる里山に建つ神秘に満ちた禅寺

◆王龍寺


山門から渓流沿いを300mほど登ると見えてくる本堂。

 西奈良の矢田丘陵に作られた禅宗の寺院で現在の形になったのは江戸時代。

 本尊の十一面観音菩薩像は岩壁を仏の形に彫った磨崖仏で、蝋燭の灯で照らされた神秘的な姿に心奪われる。


高さ4.5m、幅5.5mの巨大な十一面観音菩薩像は本堂の裏の岩とつながっている。頭に十一の顔がついており穏やかな表情に癒やされる。

 樹齢300年以上のヤマモモの大木や本堂周辺の山林は、奈良市の指定文化財であり、手付かずの里山の自然に浸ることができる。

「新緑や紅葉の時期はとくにきれいですよ」

王龍寺

所在地 奈良県奈良市二名6-1492
電話番号 0742-45-0616
http://oryuji.com/

数寄屋造りの趣ある一軒家で贅沢ランチ

◆料亭 百楽荘


“百楽荘滋味野菜ランチ” 2,750円は、“春のベイクンコロッケ”ほか、彩り豊かな5品とスープ、“季節野菜御飯土鍋炊き”が付く。1棟につき部屋代1,100円がかかる。

 約1万坪の土地に点在する10棟の数寄屋造りの家屋を一棟貸しで利用できる「料亭 百楽荘」。

 昭和初期に建てられた風情ある一軒家で贅沢な時間が過ごせる。


居間から季節を感じる景色が楽しめる。

 料理は会席コースがメインだが、気軽に楽しんでもらおうと今年から平日限定でランチセットが登場。

「季節を感じる庭を眺めながら、ゆったりと食事ができるのがいい。桜の時期に一度行ってみたいと思っています」


建具にあしらわれた鹿の模様が奈良らしい。

料亭 百楽荘

所在地 奈良県奈良市百楽園3-1-3
電話番号 0742-45-0281
営業時間 11:30〜15:00、17:00〜22:00(19:00 L.O.)
定休日 無休
予約 必要
https://hyakurakuso.com/

もとは奈良時代の修験の場。親しみ深い生駒の守り神

◆寳山寺


本堂の背にそびえる巨岩は「般若窟」と呼ばれ、修行をした役行者がお経を書写して納めたことが由来に。

 霊峰生駒山の中腹に建てられたこの寺は、奈良時代の宗教家・役行者や空海の修験の場として開かれたのが始まり。

 現世のあらゆる願いを叶えてくれる“生駒の聖天さん”と親しまれ、年間を通じて多くの参拝者が訪れる。


両側に灯籠が建てられ、階段が続く長い参道を登ってようやく鳥居に辿り着く。木々の隙間から差し込む光が美しい。

 本堂から奥の院まで山間の道を歩いていくと、両脇にはお地蔵様がずらりと並び、見上げれば杉の木立に覆われて、心も体も浄化されるよう。

寳山寺

所在地 奈良県生駒市門前町1-1
電話番号 0743-73-2006
https://www.hozanji.com/

森見登美彦(もりみと みひこ)

1979年、奈良県生まれ。2003年、京都大学農学部卒。同大学院在学中に『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。’07年に『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞する。著書は『ペンギン・ハイウェイ』『夜行』『熱帯』ほか多数。

※価格はすべて税込です。

撮影=佐藤 亘

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