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花屋さんで花束をオーダーするとき 予算より伝えるべき魔法の言葉とは?

  • 2020年8月2日
  • CREA WEB

 コロナ禍で気づいたのは、より心地よい空間に住みたいという欲求。

 整理され掃除がいきとどいた部屋、クリーンな空気、目に優しい照明……さらに花があれば、自然が息づく潤いある空間に。

 花とともに暮らすハウツーをフラワーデザイナーの佐藤俊輔さんに教えていただきました。5回にわたって特集、今回は4回目です!



教えてくれるのは、フラワーデザイナーの佐藤俊輔さん。

花屋さんに 美しい花束を作ってもらうコツ

 前回は「いい花屋さんの見分け方」についてお伝えしましたが、お気に入りの花屋さんは見つかりましたでしょうか?

 今回は、花束のオーダーの仕方についてレッスンします。

 みなさんは花束をオーダーする際、どのような情報を伝えているでしょうか? よくある例を挙げていきます。

1. 用途 母の日、誕生日、開店祝い、お悔み、お供えなど
2. 色合い ピンク系、黄色系、パステル、原色など
3. イメージ  華やか、爽やか、可愛い、シックなど
4. ボリューム  大きく、コンパクトなど
5. 予算
6. 相手の情報  渡す相手の性別、年齢、依頼主との間柄、好きな花など
7. いつ花束を贈るのか

 オーダーする側が伝えたい情報は、このようにかなりたくさんあります。ではこのなかで、オーダーされる側の花屋さんが一番知りたい情報はなんだと思いますか?

 実は、花屋さんが知りたい情報は、7の「いつ花束を贈るのか」です。

「デートの直前に花屋さんに寄って花束をオーダー」「仕事のお昼休みに花屋さんに行き、送別会用の花束を買って、その日の夜に渡す」「母の日の前日、仕事帰りに花屋さんで花束を買い、翌日の母の日に渡す」など、買ってすぐ渡すのか、その日の夜に渡すのか、次の日に渡すのか、「花束を贈る」までの時間は人によってさまざま。

 花にはそれぞれ綺麗に咲く時間があり、花屋さんはそれを熟知しているので、「いつ花束を贈るのか」を知ることができれば、その時に一番綺麗に咲く花をセレクトして花束を作ることができるんです。

 花束をすぐに渡す場合は、今まさに花が開き、綺麗に咲いている状態の花をセレクトし、自分用のもので、自宅で長く楽しみたい人には、つぼみを多めにセレクトする、といったように。


つぼみが多ければ、それだけ長く花束を楽しめる。

 極端な話をすれば、「いつ花束を贈るのか」さえ伝えれば、ほかの情報は必要ありません。

「女性だからピンク?」「お葬式だから菊?」「70歳だから紫?」「バラ好きな人だからバラ?」「2,000円、2,200円?」……1〜6のどの情報にも不確定な要素があるなかで、7の「いつ花束を贈るのか」といった時間は確実で、渡すタイミングに合わせて作った花束には、間違いがありません。


コツさえつかめば、簡単に美しい花束が手に入る!

 花束を買うということは、ケーキを買うことと一緒です。作り立てのケーキを持ち帰り、すぐ食べるのが一番おいしいのと同じで、基本的にはその日のうちに花束を渡すのがベストです。

 花束をすぐに渡せないときは、ケーキに保冷剤を入れてもらって持ち帰るのと同様、花屋さんにいつ花束を渡すのかを伝え、必ず対策をとってもらってください。

 花屋さんは、花が一番美しい時間と、枯れてしまう時間を知っていますので、状況に応じて最適な花を見繕ってくれるはずです。

 ちなみに、オーダーで作ってもらう花束は、1つ1つ自分でセレクトするよりも多く花が入っている傾向があるのをご存じですか?

 例えば花屋さんが2,000円の花束をオーダーされても、花の値段には幅があるので、2,000円分ぴったりの値段の花を入れるのはほぼ不可能。

 そのとき、1,980円分で納得いかない花束を作るよりも多少値段をオーバーして2,080円分で、納得いくデザインの花束を持ち帰ってもらいたいと思っている場合がほとんどなので、予算以上の花を持ち帰ることができるんです。

 花束オーダーのコツと一緒に、こちらも覚えておいてくださいね。

花:緑=1:1が きれいな花束の黄金バランス


花:緑=1:1がベストバランス!

 美しい花束をオーダーするコツがおわかりいただけたでしょうか? ぜひ試してみてください。

 ここでは、自分で花をセレクトして花束を作るときのポイントをレクチャーします。

 ヒントは花屋さんが作ってくれる花束にも隠されています。

 花屋さんが作る花束は、自分が特に気にも留めていなかった花がメインで入っていたり、「プロに学ぶ、いい花屋さんの見分け方」でご紹介したように、さまざまな色が混在するミックスカラーになっていたり、たくさんの発見がありますが、なによりも特徴的なのは、花と緑の割合です。

 自分でセレクトすると、ついつい花ばかりになってしまいがちですが、花屋さんの花束は緑や実の割合が多いんです。

 花1に対して緑1、もしくは花1に対して緑1.5くらいの割合だと、プロが作る花束に近づけることができますよ。

花屋さんとの付き合い方 <上級編>


花の世界は奥深い。バラひとつとっても多種多様。

 さて、いい花屋さんを見つけて、オーダーも楽しめるようになったら、次は、花屋さんとコミュニケーションをとって、色々な情報を聞き出してみましょう。花の世界は奥が深く、そこが面白いところなんです。

 花をお酒で例えてみると、あなたは最近、日本酒に興味をもったとします。日本酒は各地に酒どころがあり、同じ酒どころでも酒蔵によって味が違います。

 さらに日本酒を仕込む水や、お米の品種や磨き具合によっても味が変わるので、自分好みの1本を自力で見つけるのはなかなか至難の業ですよね。そんなときに、お酒のプロであるバーテンダーさんと色々お話をすると、お気に入りのお酒に出合えることも。

 花も同じで、バラひとつとっても、品種や産地、さらには農家によって咲き方、品質はさまざま。

 花をお酒とするなら、花屋さんはバーテンダーさんのようなものです。ぜひ味方につけて、たくさんの情報を聞き出してみてください。

 自分だけのお気に入りの品種や、農家さんを見つけるのも楽しいですよ。


佐藤俊輔(さとう しゅんすけ)

フラワーデザイナー。大手百貨店退社後、花の世界へ。2014年モナコ国際親善作品展国内選考会で特別賞を受賞。'17年「女性自身」(光文社)、’19年日本最大級の花材通販「はなどんやアソシエ」にて季節のアレンジメントを連載。テレビ、ラジオ出演のほか伊勢丹メンズ館のディスプレイ装飾など幅広く活躍中。

文=佐藤俊輔
撮影=平松市聖

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