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関東最東端・犬吠埼で太平洋を一望 ご来光を浴びながらの温泉が最高です

  • 2020年5月16日
  • CREA WEB

#195 Inubosaki
犬吠埼(千葉県)


房総半島の最東端に立つ犬吠埼灯台。

 房総半島の最東端、犬吠埼。ちなみに、「崎」ではなく「埼」。崖が海に突き出ている状態は「埼」なのだそうです。


このあたりの地層は、恐竜が生きていた頃に堆積した砂岩。

 犬吠埼周辺の砂岩は、約1億2,000万年も前に堆積した地層。なんと恐竜が闊歩していた白亜紀に形成されたものです。


犬吠埼灯台周辺は遊歩道が整備されています。

遊歩道の途中には、こんなトンネルも。

 その大昔、このあたりは水深が浅かったそうで、海岸へ下りて岩場に近づくと、波や潮流が海底の砂を巻き上げて作った地層の模様を間近で見ることができます。

 白い砂岩と黒い泥岩が交互に積み重なった層や、嵐の時にできるという海底のデコボコを残したもの、アンモナイトの化石や海岸付近の植物の化石が混じっていることも。こうした岩場を「白亜紀浅海堆積物」というのだそうです。

 そして犬吠埼の突端に立っている真っ白な犬吠埼灯台が、とても美しいこと!


日本が世界に誇る美しき灯台、犬吠埼灯台。

 完工したのは1874年(明治7年)のこと。日本の“灯台の父”と呼ばれるイギリス人の灯台技師、リチャード・ヘンリー・ブラントンによって建てられた、西洋型第一等灯台です。日本で24番目に点灯された灯台になります。


薄暮に明かりが灯り始めた灯台。

 建設時、イギリス人技師は建材のレンガを、質の悪い日本製ではなくイギリスから輸入しようとしたそうです。それを日本人の灯台技師が「国産でなくては!」と、良質の土を探し回り、ようやく県内で発見。19万3,000枚もの国産レンガを使った灯台が完成しました。

 当初は石油灯だったそうです。その後、あれこれと試しつつ、今は400ワットの電球を使って約36キロ先の沖まで照らしています。

 灯台の完成前は、地元の漁師さんたちにとって、海が明るく照らされたら魚が逃げてしまうのではないかという不安があったそうです。

 けれど、夜の海に光が当たればプランクトンが集まり、それを狙って魚もやってくるものです。翌年はカツオが大漁で、漁師さんたちは「灯台のおかげ!」と、大喜びしたとか。

“99段”の階段を登って 灯台のてっぺんへ!


このあたりの海域は小島や岩礁が多く、船の遭難事故が多かったことから灯台建設が決まったそうです。 

 この美しき白い灯台、日本で「世界灯台100選」に選ばれている5基のひとつであり、国内で登ることのできる16基のうちのひとつでもあります。

 登れるとなれば、登りたくなるのが人情。

 いざ! と、一歩踏み出したところで目にする張り紙があります。

「階段は、99段 さぁ大変、頑張ろう 99? 九十九里?… 太平洋の見晴らしは最高!」

 いきなり高い目標設定を見せつけ、登るのを諦めさせたいのか、がんばらせたいのか……。

 ちなみに階段の段数は、イギリス人の灯台技師が九十九里にちなんで99段にしたそうです。

 階段を登り始めて3分の1までは引き返そうかと思うくらいキツいのですが、99段という設定がわかっていると、乗り切れるものですね。


灯台のてっぺんから見た太平洋。

灯台のてっぺんの違う位置から海岸を。

 てっぺんから見た太平洋、張り紙のとおり、最高! でした。

ご来光を浴びながら 朝風呂に浸かる贅沢


猿田神社のお水取りの帰りに立ち寄る方もいるそうです。

海岸線の風の強さが、木のたわみ具合でわかります。

 犬吠埼灯台の周辺には遊歩道が整備されていて、その一角に、「犬吠埼湧水」という湧き水があります。

 近隣にあるパワースポットの猿田神社のお水取りと合わせて、ここの湧き水も持ち帰る人がいるそうです。

 さらに5分ほど歩いた先にある「別邸 海と森」は、伏見宮貞愛親王の別邸“瑞鶴荘”の跡地の丘に建てられたもの。

 明治時代に人気があった借景式庭園で、海の眺めを巧みに取り入れたこの立地は、その特徴がはっきりと出ています。


親王が眺めてらした海の美しさは、おそらく当時と変わらぬまま。

 そして時は第一次大戦、元帥陸軍大将だった伏見宮貞愛親王が丘の上の見晴らし台に立たれると、沖を航行する軍艦の軍人たちは船上に並び、一同敬礼したまま航行したそうです。

「別邸 海と森」は温泉施設を併設したホテルなのですが、離れの6室がオススメ。独立型ヴィラでテラスに天然温泉の露天風呂がしつらえてあります。


離れの「月汐」。2面の窓がシームレスに周囲の自然とつながります。

離れ「海吹」から眺めた関東一、早い朝日。

 離れの中でも「月汐」は、東と南東の2面が大きな窓ガラス。

 テラスの露天風呂もちょうど太平洋から昇る朝日に向かって置かれています。関東の東端に位置するココ、この海の向こうにはアメリカ。

 カリフォルニアを想像しながら、ご来光を浴びる朝風呂。贅沢な気分です。

犬吠埼

●アクセス 銚子駅から車で約20分。東京から車で約2時間30分
●おすすめステイ先 別邸 海と森
http://www.umitomori.jp/
※2020年5月15日(金)現在、緊急事態宣言を受けて臨時休業中。営業再開日はホームページを参照。


古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

文・撮影=古関千恵子

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