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京都・東山のお屋敷カフェ「Salon de KANBAYASHI」で、お重に入ったアフタヌーンティーを♪

  • 2025年1月18日
  • ことりっぷ


京都らしい町並みといえば、清水寺と祇園を結ぶ石畳のさんぽ道。そのエリアのランドマークでもある八坂の塔近くに、大正時代の実業家の邸宅がひっそりと残っています。その広大な森に点在する離れや蔵を利用した日本茶カフェで、庭園を眺めながらアフタヌーンティーや日本茶スイーツ味わい、贅沢な大人時間を過ごしてみませんか。
「Salon de KANBAYASHI」へは、京都駅からバスで約20分の清水道で下車。八坂の塔手前にある小さなお寺「八坂庚申堂」の角を左に曲がります。この下河原通沿いを歩くと、すぐに見えてくる高い塀で囲まれた邸宅がカフェへの入り口です。
お寺のような立派な門をくぐると、観光客で賑わう町の喧騒とは無縁の静寂な空間が広がります。もともとは、1925(大正14)年に、銅の加工メーカーのオーナー宅として建てられたそう。今では「レストラン ルアン」や「高台寺-KIWAMI-」という2軒のレストランを有する「アカガネリゾート」として利用されており、京都宇治の老舗茶舗・上林春松本店とコラボした敷地内の日本茶カフェが「Salon de KANBAYASHI」なのです。
まずは、母屋で受付を済ませ、アフタヌーンティーの会場である離れ「望楼棟」へ向かいます。
こちらのクラシカルな洋間は、受付横の貴賓室。贅を凝らした寄木作りの床、ステンドグラス、部屋を装飾する彫刻など、当時の華やかな面影が色濃く残されている部屋です。大正から昭和にかけては、玄関に近い位置に、応接間として洋室を作ることが流行ったそうです。
母屋を出ると、そこに広がるのは約700坪の森。清水寺と祇園という京都屈指の観光地に、こんな緑あふれる空間が潜んでいたなんて信じられませんね。森を流れるせせらぎ、点在する和建築などに目をやりながら望楼棟へ進みましょう。
望楼棟は4階建ての和建築。賓客をもてなすために建てられた離れで、かつては吉田茂首相が宿泊したという由緒ある建物です。大正時代には、物見やぐらから八坂の塔や清水寺、高台寺が見渡せたそう。
この日、通されたのは、如月(きさらぎ)の窓とよばれる丸窓が印象的な1階席。庭園の風景が絵画のように切り取られ、天井や襖にも凝った装飾が施されています。
アフタヌーンティーの飲み物には、シェフやパティシエ、スタッフが料理やスイーツとの相性を考えて揃えた選りすぐりのものがラインナップ。サンフランシスコ発のティーブランド「Mighty Leaf」のオーガニックティー6種類と、上林春松本店のオリジナル煎茶、オリジナルブレンドコーヒーの計8種類から、好みのものが選べます。もちろん、種類を変えてのおかわりもOKですよ。
八坂の塔をイメージした五段重は、セイボリーが2段とスイーツが3段という構成。
「おばんざいの段Ⅰ・Ⅱ」と名付けられたセイボリーのお重は、クロワッサンサンドとサラダ、4種のフレンチオードブルなどの詰め合わせ。アカガネリゾート内にあるフレンチレストランのシェフによる本格的なものです。
スイーツのお重には、4種のプチガトーが盛られた「季節の段」、ほうじ茶「雁ヶ音(かりがね)」を使ったクリームブリュレやパウンドケーキがメインの「八坂の塔の段」、抹茶の緑が鮮やかな「枯山水の段」という、京都らしい名がそれぞれ付けられています。
なかでも、「枯山水の段」には上林春松本店の抹茶「琵琶の白」を贅沢に使ったガトーオペラが、まるで禅寺の静かな庭に配された石のようにアレンジされています。抹茶スポンジと抹茶クリーム、チョコレートの層が繊細に重なり合う様子は、工芸品を見ているようですね。
ゆっくりと時間をかけて楽しむアフタヌーンティーもいいけれど、散策の途中に一息入れたいというときは、門を入ってすぐの場所にあるカフェも利用できます。
日本茶カフェらしく、玉露2種、煎茶7種ほどが常時スタンバイ。ちなみに、上林春松本店は、ペットボトルの緑茶「綾鷹」の開発にも関わった老舗茶舗。「綾鷹煎茶」という銘柄もありますよ。また、スタッフが緑茶のおいしい淹れ方も教えてくれます。
カフェのおすすめメニューは、お茶づくしスイーツセット。ほうじ茶を使った、マドレーヌ、クリームブリュレ、ガトーショコラ、生チョコ、季節のジュレがワンプレートに盛られ、ドリンクが付きます。ちょうど、アフタヌーンティーの「八坂の塔の段」をコンパクトにまとめたイメージです。「枯山水の段」の抹茶のガトーオペラも単品で提供されていますよ。
Salon de KANBAYASHIのアフタヌーンティーの特徴のひとつは2時間半という時間の長さ。食事を味わい、目の前に広がる森の緑を愛で、昼下がりのティータイムを楽しむ、そんな午後の時間がゆるりと過ごせます。また、時間のないときは、蔵カフェで気軽にお茶を楽しむのもOK。贅沢派もカジュアル派も満足できる日本茶カフェで、旅のひとときを過ごしてみましょう。

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