明治・大正時代のモダンな洋館に出合える、青森県弘前市。県重要文化財の「旧東奥義塾外人教師館」の1階にある「サロンド カフェ アンジュ」は、異国情緒あふれるロケーションが評判です。お箸で食べるカジュアルなフレンチ料理や、青森県産のリンゴを使ったアップルパイなどのデザートを、歴史に思いを馳せながらじっくり味わってみませんか。
青森県弘前市には明治から大正にかけて建てられた洋館が点在し、カフェとして開放しているスポットもあります。桜の名所として有名な弘前公園近くの追手門広場にある、「旧東奥義塾外人教師館」の1階にあるのが「サロンド カフェ アンジュ」。白色の壁面にグリーンの窓枠が映え、レトロな雰囲気を醸し出しています。
東奥義塾は明治時代に初めて青森県で開校された私学校で、その外国人宣教師たちが生活するために1900年に建てられた洋館が「旧東奥義塾外人教師館」。アンティークな家具や調度品からは歴史の重みも感じられ、当時の趣をそのまま今に伝えています。
たっぷりと日差しが降り注ぐ窓際が一番人気の特等席。外人教師の暮らしを想像しながら外を眺めていると、窓をキャンバスに見立てたアート作品を鑑賞しているような気分にすらなります。
ランチに人気の「フランス御膳(B)」は、フォークやナイフを使わずにお箸で気楽に食べることができます。コース料理のように順々にテーブルに運ばれてくるスタイルで、スープ、オードブル、サラダが最初に登場。ほんのり甘酸っぱいりんごの冷製スープや、ベビーホタテのマリネとマスタード風味のポテトサラダを盛った手の込んだオードブルに心躍ります。
メインディッシュは、肉か魚を選ぶことができます。この日の魚料理は、エビの旨味を感じられるソースがかけられたタイのムニエル。彩り良く野菜が添えられ、ご飯も付いてくるのでしっかりお腹を満たしてくれますよ。さらにりんごのシャーベット、コーヒーか紅茶を食後に楽しめます。
りんごのデザートを3種盛って贅沢に仕上げた「弘前りんごづくしセット」。メインとなるデザートを3種のメニューの中から選ぶことができ、一番人気なのが「アップルパイ」です。青森県津軽生まれの「栄黄雅(えいこうが)」という高糖度で酸味もある甘酸っぱいりんごを使用。手間暇かけて手折りで仕込んだパイ生地はサクサクでバターが芳醇に香ります。
そのほかに、りんごの爽やかな甘味をストレートに感じられる「シャーベット」、もっちりやわらかな餅の中にりんごと白あんを入れたオリジナリティあふれた大福の「キャラりんこ」が添えられ、食べ比べが楽しいですよ。
コンポートしたピーチにバニラアイスやラズベリーソースを合わせた、伝統的な桃のデザート・ピーチメルバから着想源を得て作られたのが「津軽 紅玉りんごメルバ」。紅玉を丸ごと一個コンポートして作られた見た目に、食べる前からワクワクと心がときめきます。ひと口ほお張ると口いっぱいに甘味と酸味が広がり、程よくシャキシャキとした食感。バニラアイスとラズベリーソースを絡めれば、より贅沢感を味わえますよ。
「津軽藩 再現珈琲」は、北方警備に赴いていた津軽兵たちが薬として飲んでいたコーヒーを再現したもの。和テイストなポットの中に麻袋に包まれたコーヒーが浸してあり、スプーンで押して好みの濃さに調整します。
現代のコーヒーとは違い、あっさり飲みやすい味わい。苦いコーヒーが得意ではない方も、ぜひ試してみてくださいね。
追手門広場内にズラリと並んだミニチュアの模型も見どころです。旧弘前市立図書館や旧弘前市役所など、明治から大正期にかけて市内に実在した建造物を10分の1のサイズで再現。本物そっくりで、見れば見るほど精巧な作りに驚きます。無料で見学することができるので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
歴史を感じながら洋館をめぐる街歩きをしてみてはいかがでしょうか。