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創業130年の和菓子屋が鎌倉駅前で手掛ける王道の喫茶室♪豊島屋「パーラー扉」

  • 2024年10月8日
  • ことりっぷ


鎌倉銘菓・鳩サブレーの豊島屋がプロデュースする「パーラー扉」は、カフェの多い鎌倉の中でも老舗の喫茶室。昭和30年のオープン以来、約70年という長い歴史の中には作家の川端康成をはじめ鎌倉文士たちの憩い場にもなっていた時期もあったのだそう。創業時から変わらないポットで提供するスタイルのコーヒーや紅茶、受け継がれてきた人気のスイーツなど、由緒ある喫茶室をご紹介します。
JR鎌倉駅前の扉ビルは1階が鳩サブレーなどを扱う豊島屋の売店と焼きたてのパンが並ぶベーカリー、3階が喫茶室「パーラー扉」です。4階建てのビルに建て替えたのは昭和の終わりごろで、今のようにリニューアルしたのは10年前。鎌倉駅から歩いてすぐの立地は鎌倉のお土産をそろえるのにも便利です。
豊島屋は明治27年に創業した和菓子屋です。当時としては珍しい電気オーブンを持っていたことから、戦後の食糧難の時代に配給用のパンを焼く依頼をされた時代がありました。パンの原材料が十分に揃わない中では、さまざまな苦労もあったのだとか。そんな時代を乗り越え、今だからこそ焼ける美味しいパンを味わってもらいたいという想いを込めて1階にベーカリーを併設しています。
大きな窓から明るい日差しの届く「パーラー扉」の店内は開放感があり、窓からは鎌倉駅前のロータリーでバスやタクシーが行き交う観光地らしい光景が見られます。電車がつくたびに三角屋根の駅舎から多くの観光客があふれるように出てくる様子は、昔も今も変わらない風景です。
屋号「扉」の名付け親は、明治から昭和にかけて活躍した鎌倉文士・久保田万太郎です。鎌倉の玄関口でお客様をお迎えする扉を意味しています。
1階のベーカリーのパンを使ったサンドイッチや一日15食限定の「日替わりランチ」(800円)などをラインアップするなか、ここでしか味わえない特別なメニューがいくつかあります。その一つがまん丸の形をした「扉風オムライス」。風味のいいバタ―ライスを玉子でやさしく包み、コクのあるベシャメルソースでいただきます。
玉子はスフレのようなふわふわとした食感で、まるでデザートのようにも感じられるほど。こうした口当たりのオムライスが昭和の中頃からあったことは、時代の先端を行くハイカラな喫茶室として親しまれてきたことをうかがわせます。
ティータイムに立ち寄って、ポットサービスのコーヒーや紅茶でほっと一息つくのもおすすめの過ごし方です。窓から見る鎌倉駅前の光景はどことなくノスタルジックで、しみじみと旅情を誘いますよ。
お茶と一緒にオーダーしたいのが創業時からの人気スイーツ「パンドラ」です。アイスクリームを丸いスポンジケーキではさんだ上にチョコレートソースをたっぷり。トッピングのカラースプレーには昭和らしさが漂います。70年という長い年月を経ても変わることなく親しまれ続けるスイーツをぜひ味わってくださいね。

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