茨城県にある、歴史と自然が調和する美しい町・笠間。江戸時代から続く陶芸の街として知られ、伝統工芸の魅力を感じられる場所が多く点在しています。また、笠間は日本有数の栗の産地としても知られ、栗を使ったスイーツもこれからの時期のお楽しみ。
東京からアクセスしやすく、秋は陶芸市など多くのイベントも開かれ、1日かけておさんぽするのにぴったり。四季の移り変わりとともに、自然の美しさを感じられる笠間の町をさんぽしながら、お気に入りのうつわ探しや栗スイーツを堪能しませんか?
「笠間工芸の丘」は、笠間市のほぼ中央に広がる笠間芸術の森公園内にあります。ここは、笠間のアートやクラフトに触れられる中心的なスポット。10月には「クラフトギャザリング2024秋」、11月には「陶と暮らし2024」といったイベントが開催予定です。
到着したら、まずは中心のセンタープラザへどうぞ。一歩入ると、笠間焼のうつわをはじめ、陶芸用品や工芸品、県内の特産物を展示販売するクラフトショップが出迎えてくれます。
ろくろや手ひねり、絵付けなどの陶芸体験は、センタープラザに隣接したふれあい工房で行われています。おすすめは、なんといってもろくろ体験。実際に土に触れ、自分の手の中でうつわを仕上げていくのはまたとない体験。世界でひとつ、自分だけのとっておきの作品をつくりましょう。
笠間ギャラリーロード沿いに建つ「回廊ギャラリー門」は、訪れる人と笠間のつくり手をつなぐ、まさに“門”のような場所。ぐるりと中庭を囲む全周約50mの回廊に、笠間焼を中心とした実に多くの作品が、重鎮から新人まで分け隔てなく並べられています。
自然光の中で鑑賞できるからうつわの色や形がわかりやすく、何より開放的な空間が気持ちいい。中庭の緑を眺めつつ、おさんぽ感覚でひとつひとつの作品を見てまわれます。
街の雰囲気を楽しみながら、ギャラリーロードをおさんぽした後は、お待ちかねのランチ。
笠間稲荷神社の門前通りに建つ「庭カフェ KULA」は、江戸時代から残る2階建ての土蔵をリノベーションしたカフェ&バー。和の趣が漂うアプローチには笠間の特産・稲田石が敷き詰められ、まるで京都の路地裏に迷い込んだような非日常の気分を味わえます。
大きな梁や漆喰の壁など、蔵の雰囲気を生かした店内もいいですが、晴れた日のおすすめは蔵の裏手に広がるテラス席。表通りの賑わいから離れ、緑の中でゆったりくつろぐことができますよ。
料理に使われるうつわはもちろん笠間焼で、お店のスタッフが作陶したものもあるというからびっくりです。ここに来たらぜひいただきたいのが、フレンチテイストの盛り合わせ「KULAプレート」。小皿にはさまざまな種類があり、組み合わせの妙を見るのも楽しいです。仕切りのある木箱にのせるというアイデアも、お弁当感覚で素敵です。ついつい集まりがちな小皿を、こんな風に生かしてみては?
「笠間稲荷神社」は日本三大稲荷にも数えられ、とくに秋の菊まつりには多くの人々が訪れる神社。境内には狛犬ではなく、きつねの像が安置されています。「お稲荷さん」といえば「おきつねさま」のイメージですが、きつねは神様ではなく、稲荷大神のお使いをする「眷属(けんぞく)」で、霊獣なのです。中世のころは、人々が神様に直接お願いするのはおそれ多いと、特別に選ばれた動物を通してお願いをしていたそうです。境内のあちこちに奉納された「おきつねさま」がいるので、表情の違いを楽しんでみて。
おみくじはさまざまな種類がありますが、「きつねみくじ」や、笠間の名産・栗をモチーフにした「栗みくじ」が人気。飾りたくなるような、ころんとしたフォルムが愛らしいです。
また、10月下旬からは日本最古の菊の祭典「笠間の菊まつり」が開催。笠間稲荷神社をメイン会場に、立ち菊、懸崖菊、千輪咲き、古典菊、盆栽菊など、多種多様で色鮮やかな菊の花を楽しむことができますよ。
JR笠間駅前にある、地元民御用達のパティスリー「洋風笠間菓子グリュイエール」。店内には、笠間の歴史や風景、逸話にちなんだオリジナルの菓子がズラリと並びます。なかでも、笠間名物の栗を使ったスイーツは、その数なんと30種類以上。大粒の渋皮付きの栗をまるごとパイ生地で包んで焼き上げた「ろまんパイ」をはじめ、新栗の時期は限定のお菓子も数多く登場します。
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いかがでしたか?今回は、過去に「ことりっぷWEB」で紹介したお店の中から、笠間をピックアップしてご紹介しました。
イベントの開催に合わせて、ぜひ訪れてみてくださいね。