ウィリアムモリスの壁紙が印象的な「Pimpernel Tea Room(ピンパーネル ティールーム)」は、店主が手づくりするケーキを英国で人気のティーブランド「ヨークシャティー」とともにいただける静かなティールームです。細い小径を進んだ先の古民家はまるで隠れ家のよう。イギリスの田舎町にでも訪れたかのように落ちつくお店をお目あてに、江ノ電でお出かけしてはいかが?
江ノ電が路面を走り、街全体にノスタルジックな雰囲気が漂う腰越にたたずむ「Pimpernel Tea Room」。静かな住宅街のなかの古民家カフェの目印は遠慮がちにかかるユニオンフラッグです。本当は秘密にしておきたいほど素敵な隠れ家です。
英国が大好きと話す店主が出迎える古民家を彩るのは、ウィリアムモリスの代表的な作品の一つ『ピンパーネル』というシリーズの壁紙です。チューリップとその葉っぱが曲線を描くように描かれ、その間に小さなピンパーネルの花がポイントになるよう描かれています。
カウンター下の壁はもちろんふすまにもこの壁紙を張っているものの、欄間や障子といった和室のしつらえに不思議とよくあい、心地のいい空間を作り出します。店名はこの壁紙に由来しているのだそう。
カウンターには手作りのスコーンやショートブレッドなどの英国菓子が並びます。こんがりと焼いたスコーンは、南部小麦を使い小麦の素朴な美味しさを味わえます。
ケーキはヴィクトリアケーキやコーヒーウォルナッツケーキをはじめ数種類。英国の伝統的な味わいが楽しめますよ。一方カップに入ったキャロットケーキは、バタークリームで季節の花を絞ったオリジナルスタイル。取材で訪れたときは、夏らしいヒマワリで季節感いっぱいでした。
英国のティータイムに欠かせない「クリームティー」にはアッサムやアールグレイなどいくつかの紅茶が用意され、その中でもおすすめは英国で親しまれている「ヨークシャティー」です。牧歌的なパッケージとは裏腹のリッチな味わいは、ミルクティーにするのが英国流なのだとか。
お皿やカップ&ソーサーも素敵な英国ブランドが揃います。英国を代表する磁器ブランドのロイヤルアルバートやバーレイといった素敵なティーカップでいただけるのもこのティールームの魅力の一つです。取材時の「クリームティーセット」はバーレイ社のブルーキャリコという小花柄のシリーズでした。
英国では収穫時期にたくさん採れるベリー類を「サマープディング」という冷たいお菓子にするのが定番です。外側は鍋で煮詰めたベリー類に浸して濃いピンク色になった食パンで、その中にとろりとしたベリーがたくさん詰まっています。ひんやりとした甘酸っぱさに夏の暑さも忘れそうになるほどで、こうした季節のスイーツも登場します。ぜひ英国の文化に触れて、楽しいひと時を過ごしてくださいね。