朝ごはんは、旅の楽しみのひとつ。しっかり食べれば気分もあがり、その日の観光がさらにアクティブになりそう。西京漬の老舗・京都一の傳(でん)がプロデュースする発酵カフェ 「Haccomachi(ハッコマチ)」は、本格派の発酵ごはんや発酵スイーツがカジュアルに味わえる一軒です。店が開くのは朝の8時。滋味深い発酵モーニングで旅の朝を充実させてみませんか。
発酵カフェ「Haccomachi」へは、京都駅から地下鉄で3分の四条駅で下車。そこから錦市場のアーケードを東へ向かい、柳馬場通と交わる辺りにお店があります。町家風の格子が建物の外からもうかがえる、京情緒たっぷりの外観です。
店内は小上がりになったお座敷席。格子窓からは柔らかな光が広がります。テーブルは曲線的なかわいいフォルム。発酵や麹から連想される丸くやわらかなイメージを形にしたそうです。
そして、このお店を営むのは、1927(昭和2)年創業の西京漬の老舗・京都一の傳。西京漬とは、白味噌や醤油、酒などを使って作られる味噌床に魚や肉を漬け込む京都の伝統料理です。素材の旨味をさらに引き出す「発酵のちから」をもっと身近に感じて欲しい、発酵をもっと日々の暮らしに取り入れて欲しいという思いから、京都一の傳 本店にはないカジュアルなメニューをそろえた「発酵カフェ」というスタイルができあがったそう。
少しずついろいろなものが味わえる「発酵ごぜん」は、どの品にも発酵食品が使われています。甘酒からはじまり、ヨーグルトに漬け込んだジューシーなタンドリーチキン、べったら漬けのすり流しスープ、みりんや醤油を使ったみたらしあんたっぷりの特製プリンまで盛りだくさんの内容。
珍しい味付けや食材に出会える一方で、醤油などおなじみの調味料も実は発酵食品だったということに気づかされます。
食前酒替わりに添えられるノンアルコールの甘酒は自家製。米と麹だけから作られており、麹が生み出す自然の甘味を存分に味わえます。また、そのグラスにあしらわれているのは伝統的な麹づくりをモチーフにしたロゴ。日本の発酵文化を支える「麹」への尊敬の念が込められているそうです。
塩麹の力でふんわり柔らかに仕上げられた焼き魚や、西京味噌(白味噌)のこっくりした甘みが持ち味の焼きおむすびなど、和の伝統食を支えてきた「麹」が醸し出す旨味やコクを感じてみましょう。
11時からは、バラエティ豊富な発酵クレープもスタンバイ。プレーンなものから、チョコバナナ、抹茶とあんこ、軽い食事にもなりそうなものまでがそろいます。なかでも最も「発酵」が感じられるのは、塩麴キャラメルを使ったクレープです。
発酵クレープのおいしさの秘密は甘酒の入った生地。独特の奥行と丸みのある甘さと、香り豊かな発酵バターの塩気が相まって、なんとも言えないコクが生まれてきます。また、生地には米粉もミックスされており、表面はカリッと、中はもっちりした食感が楽しめます。
旅の朝を彩り豊かな発酵ごはんでスタートできる発酵カフェ「Haccomachi」。カフェタイムには、クレープや甘酒でほっと一息つくのもよさそうですね。京都の食文化が勢ぞろいする錦市場さんぽの際に、ぜひ立ち寄ってみませんか?