趣きのある門をくぐると和風庭園が広がる「蕎麦処 くに作」。季節の花々が咲く庭を眺めながら素材を厳選した十割板蕎麦がいただけます。その日の天気によって水分量を調節する十割蕎麦には醤油ベースと木の実が入って香りのいいつけ汁の2種類が用意され、蕎麦の自然なおいしさをゆったりと堪能できます。食後には蕎麦粉のケーキやアイスクリームで、のんびりとしたひと時を過ごしてはいかがでしょうか。
白い暖簾のかかる冠木門が目印の「蕎麦処 くに作」。賑やかな町田駅から徒歩5分という便利な場所にありながらも、緑をたたえる生垣に囲まれた敷地内は小鳥のさえずりも聞こえてとても静か。和風のホッと落ち着く雰囲気に包まれます。
門をくぐると手入れの行き届いた庭を見ながら石畳の小径沿いに玄関へと進みます。この地で代々続いた名家の邸宅をリノベーションし庭の雰囲気を楽しみながら蕎麦をいただけるお店は、今の店主・石川桃子さんが2代目として引き継いだのだそう。お茶会や和歌の会が開かれていたという雰囲気はそのままに、今は時おりピアノの演奏会も開かれます。
300㎡ほどの和風庭園には幾種類もの木々のほか石灯篭やししおどしなどのしつらえがあり、季節の花々が彩りを添えます。庭園の中央には心地いい風が吹くウッドデッキのテラスがあり、大きなパラソルのもと小鳥のさえずりを聞きながらお蕎麦をいただく贅沢な時間も過ごせますよ。
自慢の十割蕎麦は、山形県の鳥海山の麓に流れる清流水で育てた「出羽かおり」という品種の蕎麦粉を100%使用します。蕎麦粉と水にこだわったお蕎麦は十割とはいえ意外なほどツルンとしたのど越し。その日のお天気によって毎朝蕎麦の水分量を変えて打ち、できたてを提供するので本来の美味しさが十分に味わえます。
蕎麦を板にのせているのは山形の名物である板蕎麦から。山形ではお蕎麦を食べる時に一緒にテーブルを囲んだ人とのご縁が板につくようにとの願いを込めて、ザルではなく板の木箱の様な器にお蕎麦を盛りつけるのだそう。そんな思いも一緒にいただくとさらに美味しくなりますよ。
蕎麦のつけ汁は2種類の味が楽しめます。本枯節の鰹の一番だしと羅臼昆布の合わせだしの醤油ベースと細かく砕いたアーモンドやクルミなどの木の実ベースのつけ汁。どちらも控えめの品のいい味わいが蕎麦の風味をよりいっそう引き立たせます。最後は蕎麦湯をどうぞ。
お蕎麦を堪能した後は蕎麦粉を使ったデザートもおすすめです。
オリジナルレシピで作る「蕎麦ケーキ」は蕎麦と同じ一等級の上質な蕎麦粉を使ったグルテンフリーの自家製ケーキ。紅茶のアールグレイの香りと楽しむと、お蕎麦屋さんにいることを忘れてしまいそう。
風味のいい蕎麦粉はアイスクリームとの相性も抜群です。濃厚なまったりとした味わいはテラスでいただくとよりいっそう会話も弾みます。木々に集う小鳥のさえずりを聞きながら、ゆったりと過ごしてくださいね。