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【鳥取編②】鳥取のうつわや民藝の魅力を伝える「鳥取たくみ工芸店」と「たくみ割烹店」

  • 2021年11月30日
  • ことりっぷ


鳥取民藝美術館に隣接する「鳥取たくみ工芸店」と「たくみ割烹店」は、鳥取の民藝プロデューサーと言われる吉田璋也(よしだしょうや)が手がけた施設です。使い心地を味わいながら食事を楽しんだり、食卓を彩る食器をお買い物したり。鳥取のうつわの魅力を味わいに、2つのスポットを訪れてみましょう。
「職人の技術の熟練のためには、継続して仕事を与える仕組みが必要である」という吉田璋也の考えのもと、職人が作った品物を販売する場として誕生したのが「鳥取たくみ工芸店」です。日本で初めての民藝店であり、1932(昭和7)年の開業以来、作り手と使い手をつなぐ場として民藝の魅力を発信しています。
こちらに並ぶのは、染織や因州和紙、木工や郷土玩具など、鳥取の代表的な民藝品が中心。特に陶器の品ぞろえは豊富で、染め分けが印象的な「牛ノ戸焼」と「因州中井窯」、シンプルで力強い作風の「延興寺窯」、温かみのある形と色遣いが魅力の「山根窯」など、約5つの窯元のうつわを取り扱っています。吉田璋也と親交の深かった島根県の出西窯(しゅっさいがま)や湯町窯(ゆまちがま)のうつわも充実。ほかにも、沖縄の北窯(きたがま)、大分の小鹿田焼(おんたやき)などもそろいます。
2階は「ギャラりーたくみ」として開放され、県内外の工芸作家の個展や企画展を開催。陶器を中心に、染織、木工、ガラスなど展示内容はさまざま。入れ替えは、月に1~2回。もちろん販売も行うので、こちらもぜひ訪ねてくださいね。
「美術館に飾られたうつわを見るだけでなく、暮らしの中で美しく用いることを伝えたい」という吉田璋也の思いから、1962(昭和37)年に開店した「たくみ割烹店」。こちらで使われるのは、「延興寺窯」や「山根窯」などの鳥取の窯元を中心に、島根や沖縄など、各地から集めた手仕事のうつわたち。デザインも窯元もさまざまですが、手仕事だからこその温かみが食卓を和やかに包んでくれるのを感じます。
「若い人にも気軽に味わってもらえるように」とリーズナブルなランチも提供。なかでも人気なのが「鳥取和牛のみそ煮込みカレー」です。デミグラスソースの代わりに、味噌を使いコクをプラス。上質な鳥取和牛のおいしさがルーに溶け込んだ一品です。
夜にぜひ味わってほしいのが「すすぎ鍋」。吉田璋也が戦時中に赴任していた中国・北京で食べた羊鍋をアレンジしたのが、後のしゃぶしゃぶと言われています。形が美しいホウコウ鍋で、鳥取和牛を軽く湯にすすぎ、胡麻ダレで召し上がれ。
こちらを訪れたら、空間美もぜひ注目ください。因州和紙を張った障子の組子、温かみのあるデザインの照明、スイッチやコンセントの木製カバーなど、吉田璋也が考案した建築意匠はどれも上品で素敵。さりげなく飾られた芹沢銈介の暖簾や版画、味わい深いテーブルや椅子など、民藝品に囲まれた空間は、ほぼ開店当時のまま。うつわや空間の随所に民藝が宿るこの割烹店を、吉田璋也は「生活的鑑賞の美術館」と称したといいます。五感を使って、その魅力を味わってくださいね。

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