広々とした日本庭園のある大きなお屋敷でランチやティータイムを楽しめる食事処「Sasho」。窓際の席に座ると静けさの中に小鳥のさえずりが響きわたり、自然とゆったりとした気分になります。古都鎌倉で穏やかな時の流れを感じてみませんか?
鎌倉駅西口から北鎌倉方面につながる扇ガ谷は、幹線道路から一本入ると生垣のある大きな一軒家が続く静かな住宅街です。昭和の一時期は政財界人の別荘地としても人気になったエリアで、そうした地域にある「Sasho」も細い路地を登った一番奥にある由緒あるお屋敷です。
約500坪の敷地に建つお屋敷は昭和2年に建てられました。神社などでもよく見られる入母屋造りの屋根をもつ風格のある日本家屋で、その南側には裏山から水を引いて滝と池をしつらえた池泉式庭園が広がります。この庭園は京都の名園を次々と手掛けた庭師・小川治兵衛によるもので、池を囲むように植えられた松の木や雪見灯篭などが四季折々の様子とともに楽しめます。
ガラガラと音のする木戸を引いて玄関から上がると、通されるのは客間とその奥にある書斎として使われていた部屋です。広い縁を利用して窓際に席が設けられ、どの席からでも緑をたたえる庭の様子がうかがえます。よく磨かれたガラス戸には昔ながらの製法で作るやや歪みのあるガラスがはめられ、木造建築の情緒をより豊かに感じますよ。
広いお屋敷で様々な種類の鳥たちのさえずりを聞きながらのランチは格別で、日頃のあわただしさを忘れてゆったりとした雰囲気の中で過ごせますよ。看板メニューはたっぷりの国産牛ほほ肉をトマトと一緒に煮込んだ「ビーフシチュー」。隠し味に味噌を使い、煮込みと火を止めて休ませる時間を3日間繰り返しながら味をなじませていきます。
その一方、季節の食材を味わう和食のコースは自家製のごま豆腐など細やかな手仕事のほどこされた料理が並びます。春は庭の竹やぶで収穫した筍が料理されるなど旬の味わいも楽しめ、心も豊かにしてくれます。
居心地の良さから食後ものんびりと過ごしたい時には自家製スイーツがおすすめ。外はこんがりと焼き内側はまったりとしたバスク風の「チーズケーキ」やグルテンフリーの「ガトーショコラ」(550円)、季節のタルトなどお気に入りを味わって。
通常の営業は午後5時までですが予約をすればディナーにも応じてくれます。日本の伝統を受け継いだお屋敷で鎌倉らしい時間を過ごしてくださいね。