秩父山系の伏流水で作る天然氷を使ったかき氷は、秩父・長瀞のご当地グルメのひとつ。長瀞周辺にはかき氷が食べられるお店が数多くあります。なかでも有名なのが明治23年創業の「阿左美冷蔵」。長瀞駅から宝登山神社へと続く宝登山参道沿いには「阿左美冷蔵 寶登山道店」があり、ふわふわ食感のかき氷を味わうことができます。
「阿左美冷蔵」は創業明治23年。当初は飲食店などに天然氷を卸販売する蔵元としてスタートし、1993年からかき氷の専門店を始めました。
上長瀞駅近くの金崎本店と、長瀞駅に近い支店の寶登山道店の2店舗あり、両店は歩いて15分ほどの距離。古民家を改装したレトロな雰囲気の金崎本店に対し、こちらの寶登山道店は和モダンでシンプルなインテリアが印象的です。定休日が異なるので、食べ損ねる心配はありません。
天然氷とは、自然の中に水を引いた製氷池の表面をゆっくり凍らせて作る氷のこと。落ち葉などの不純物を取り除きながら職人が手間と時間をかけて作る天然氷は透明度が高く、かき氷にするときめが細かく、ふわっとした食感で軽い口溶けが楽しめます。
普通の氷と比べて密度が高いために溶けにくく、少し常温に置いてから削るそう。そのため、頭がキーンとなりにくいのだそうですよ。
ふわふわに削られた氷もさることながら、天然素材で作るシロップも絶品です。四国阿波和三盆糖を使った特製の秘伝みつをはじめ、果物の果肉が入った果汁系やミルク系など約15種類の無添加シロップがラインナップ。白玉や抹茶あん、黒みつなどのトッピングの追加もできます。
ガラスの器に山盛りで出てくる氷はかなりボリュームがありますが、自然な甘さのシロップと軽い口溶けの氷が一体となってスプーンが止まらず、ペロリと食べられてしまいます。1人で一度に2種類のかき氷を食べる人も珍しくないのだとか。
寶登山道店はシロップのラインナップが金崎本店とは少し異なり、店限定のメニューもあります。
京都の老舗・小山園の抹茶を使った「プレミアム抹茶あずき 白玉付き」も寶登山道店でしか食べられない限定メニューです。注文を受けてから点てる抹茶は濃厚で、甘さ控えめな粒あんやシロップとの相性が抜群。もちもちの白玉も付いたぜいたくなかき氷です。
かき氷以外にも、お抹茶や白玉ぜんざい、水羊羹などの甘味メニューも揃えています。なかでも、ちょっと変わったビジュアルで目を引くのが「氷屋のアイスコーヒー」です。
グラスにかき氷が高く盛られたアイスコーヒーは、まさにかき氷屋ならでは。別添えのポットに入った温かいコーヒーを上から注ぎ入れ、氷を溶かして飲みましょう。
カフェメニューの水羊羹は、おみやげ用も用意しています。天然氷に使われる宝登山麓の伏流水とお店特製の黒みつで作る水羊羹は、上品で風味豊かな味わい。ころんとした丸壺型のガラス瓶もかわいらしく、和スイーツ好きな人への手みやげにすると喜ばれそうです。
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例年、夏には長い行列ができることで有名な阿左美冷蔵ですが、夏が来る前にひと足早く訪れれば、行列を避けてスムーズにお店に入ることもできそう。長瀞名物の絶品かき氷、一度味わってみてはいかがですか?