今年も心おどる桜の季節がもうすぐやってきます。今回は東京都内と近県で桜を楽しめるスポットを6つご紹介します。江戸城のお濠が桜色に染まる「千鳥ヶ淵」や、しだれ桜が見事な名園「六義園」、のどかな景色が多くの人に親しまれる「井の頭恩賜公園」など都内の名所から、チューリップとの競演に心癒やされる「江川せせらぎ緑道」など近県のスポットまで。まずはおうちでゆっくりお楽しみくださいね。
1393年に創建された浄土宗七大本山のひとつ「増上寺(ぞうじょうじ)」。江戸幕府の歴代将軍をはじめとする徳川家ゆかりの人々の菩提寺としても知られ、6人の将軍が眠る「徳川将軍家墓所」や宝物展示室、造営当時の江戸初期の面影を残す「三解脱門」、首都圏最大級の御堂である「大殿」など見どころも多くあります。
広い境内には約200本の桜の木がありますが、こちらの特徴はなんといっても東京タワーが近いこと。満開の時季には、お寺の背後にそびえる東京タワーと大殿、桜が競演するここだけの絶景が楽しめます。
靖国通りから北の丸公園に沿って続く江戸城のお濠「千鳥ヶ淵(ちどりがふち)」。都内でも指折りの名所で、お濠沿いには「千鳥ヶ淵緑道」があります。
緑道沿いにはソメイヨシノを中心に約260本が並び、お濠の土手にせり出すように咲き誇るさまは見事。お濠にはボート場もあり、水面から眺めも楽しめます。2021年は残念ながら現地でのお花見は難しいですが、開花の様子はライブカメラで配信しています。
江戸幕府の5代将軍・徳川綱吉の側用人だった柳澤吉保が自ら設計した「六義園(りくぎえん)」。和歌の趣味を基調とする回遊式築山泉水庭園です。園内には和歌に詠まれた名勝や、中国古典の景観が八十八境として映し出されています。
園内の桜は30本ほどありますが、中でも内庭大門をくぐると視界に飛び込んでくる樹齢約70年のシダレザクラが有名。段になって地面までしだれる滝のような樹形は、高さ約15m・幅約20mに及び、息をのむ大迫力です。
日本で最初の郊外公園として開園し、2017年に100周年を迎えた「井の頭恩賜(いのかしらおんし)公園」。現在は住宅地にありながら武蔵野の面影を残す貴重な緑地となっています。井の頭池や御殿山といった古くから残る自然をはじめ、動物園やバードサンクチュアリ、スポーツ施設が広大な敷地に点在。多くの人に親しまれています。
桜は公園全体で約400本あり、西側の敷地は品種が豊富。2月上旬には早咲きの品種が咲き始め、ヤエザクラやシダレザクラ、ヤマザクラなどが続き、4月中旬まで楽しめます。
農業用水だった水路を市民の憩いの場として整備した遊歩道「江川(えがわ)せせらぎ緑道」。春には約200本のソメイヨシノと約1万4000本のチューリップが咲き誇ります。
写真のような眺めが楽しめるのは東方地区の1kmほどの区間。水面近くでは色とりどりのチューリップが風にゆれ、土手の上には桜が両脇から枝を伸ばして桜色のトンネルができます。チューリップはいずれも地域の人や企業などによって植えられ、守り続けられているもの。水の流れとともに春を感じながらさんぽできる全長4kmほどの道です。
1kmにわたって桜のトンネルが続く埼玉県の代表的な桜の名所「幸手権現堂桜堤(さってごんげんどうさくらつつみ)」。大正時代に利根川の支流・中川の堤に桜が植えられたのが始まりで、戦後の伐採や植樹を経て約1000本のソメイヨシノが咲く桜並木に。現在は河川敷に菜の花も植えられ、桜色と鮮やかな黄色の組み合わせがすてきです。
県営権現堂公園の一部で、例年は公園を会場に100を超える露店が並ぶ「幸手桜まつり」を開催。初夏の紫陽花や初秋の曼珠沙華など、四季折々の花の名所でもあります。