青森市にある「ウィーン菓子 シュトラウス」は、一流の菓子職人にしか与えられないオーストリアの国家資格「コンディトア・マイスター」の称号を持つパティシエがオープンしたショップ兼カフェ。正統派のウィーン菓子がそろい、なかでもザッハートルテは県外からリピーターが訪れるほど評判です。気になるお店をさっそくのぞいてみましょう。
JR青森駅から徒歩約5分、アーケード街に建つ「ウィーン菓子 シュトラウス」は、1893年創業の老舗和菓子店「甘精堂本店」に併設するカフェ。甘精堂本店の5代目社長、故・三浦祐一さんが1987年に開いたお店です。
実は三浦さんは和菓子店の跡取りでありながら、東京の洋菓子店で経験を積んだ後、オーストリアで7年間修業。オーストリア国家公認菓子職人の最高位である国家資格「コンディトア・マイスター」を取得した凄腕の持ち主です。
当時は日本国内に4名しかおらず、現在も日本人でこの資格を持っている人は少ないそう。「ウィーン菓子 シュトラウス」では、三浦さんから受け継いだレシピで作るウィーン菓子を提供しています。
店内は、1階がテイクアウト専門のショップ、2階がカフェになっています。ウィーンのカフェを参考にした内装は、高級感あふれるクラシカルな雰囲気。シャンデリアやオブジェなどの調度品が美しく、洗練された空間です。
いちばん人気の「ザッハートルテ」は、本場オーストリアの作り方や味を忠実に再現。たとえばチョコレートは大理石の上でテンパリングしています。
フォークを入れると、シャリシャリとした食感のチョコレートフォンダンが口の中の温度でゆっくりととろけ、濃厚な甘みが充満。生地にサンドしたアプリコットジャムの酸味が、チョコレートフォンダンの甘みをより一層ひき立てます。添えられている生クリームはザッハートルテとのバランスを考え、砂糖をほとんど使わず甘さひかえめに。ウィーン風に生クリームをたっぷりとつけて味わいましょう。
青森産りんごを使った「アップフェルシュトゥルーデル」もおすすめです。アップフェルシュトゥルーデルとは、りんご、クルミ、レーズンを薄い生地で巻いて焼き上げたアップルパイのようなウィーン菓子。青森ではさまざまな品種のりんごが栽培されていますが、「ウィーン菓子 シュトラウス」では甘さに深みのある「ふじ」を使っています。
りんごの甘み、クルミの香ばしさ、レーズンの風味と、素材同士のバランスが絶妙。シナモンのスパイシーな香りが味わいのアクセントになっています。
ほかにも、地元産のカシスを使った「カシスケーキ」(420円)や、ウィーンで親しまれているコーヒー「ヴィーナメランジュ」(600円)など、気になるメニューがいっぱい。ザッハートルテやアップフェルシュトゥルーデルはお取り寄せもできるので、気になる方は「ウィーン菓子 シュトラウス」のホームページをチェックしてみては。