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世田谷線沿線で愛されるパン屋若林「ナイーフ」|by PARIS mag

  • 2018年3月13日
  • ことりっぷ


毎日の暮らしのなかで少しだけ心が弾むような豊かさをお届けするWEBマガジンPARIS mag(パリマグ)から、赤い扉が目印のパン屋「naïf(ナイーフ)」をご紹介します。
『世田谷パン祭り』が人気を博していることが表しているように、パンの名店が多い世田谷区。その中でも近頃特に気になるのは、かわいいローカル線「東急世田谷線」沿いに店を構えるパン屋さんたち。今回は世田谷線の若林駅から徒歩2分ほどの場所にある「naïf(ナイーフ)」へ行ってきました。
三軒茶屋から2つめの若林駅周辺は、駅を降りるとのどかな住宅街。行き交う人たちものんびりとしています。環七に出て通り沿いを歩くと、目印の赤いドアが見えてきました。
出迎えてくれたのは『ナイーフ』の代表であるタニカミ フミエさん。「ナイーフ」のシェフを務める谷上 正幸さんの奥様でもあります。さっそく、おすすめのパンについてうかがいました。
「イタリアのクリスマス菓子『パネトーネ』がおすすめです。年間を通して提供しており、レギュラーのフィリングはレーズンとオレンジピールを使用しています。また、季節限定のものもあります」。
限定タイプのパネトーネは季節によって変わるので、こちらもお楽しみに!クリスマスが近づくころは、ドイツのクリスマス菓子「シュトーレン」も登場する予定なのだそう。
「お客様に一番人気なのは『ミルクフランス』です。トーストするとミルククリームが少し溶けておいしいですよ」と教えてくれました。
タニカミさんにお話を聞いている間にも、次々とお客様がいらっしゃいます。バゲットを買っていくダンディなおじさまや赤ちゃん連れのママなど、地元の方に愛されていることが垣間見れました。
「お客様は地元の方がほとんどですが、全国からもいらっしゃいます。最近は海外からのお客様も来てくださいますね。先日も台湾からのお客様がいらっしゃいました。もしかしたら日本でパンの修行をした台湾の方が、台湾で紹介してくれたのかもしれませんね(笑)」。
タニカミさんは来店するお客様に「風邪治りました?」「連休はどう過ごされたんですか?」と声をかけていました。地元の方に愛されるお店だからこその風景にほっこり。
もともとは中目黒の人気店だった「ナイーフ」が若林の地に移転したのは2015年のこと。人が集まる繁華街から、なぜ住宅街に移転したのか、シェフの谷上さんに伺いました。
「中目黒のお店を閉店したあと、ずっとお店を開くための物件を探していたんですけど、なかなかいい物件に巡り合えなかったんです。でも、この近くをたまたま歩いていたらここの場所を見つけて。ちょうどテナントを募集していたのですぐに不動産屋さんに連絡を入れました。
環七沿いだから車の通りは多いけれど、不思議と音も気にならない場所なんです(笑)。あと、世田谷区には有名なパン屋さんも数多くありますよね。パン屋さんにとっていい土地なんだと思います」。
ショーケースに並ぶパンはどれも魅力的。谷上さんはどんなパンを得意としているのでしょうか?
「やはりカンパーニュなどのハード系ですね。僕がこの世界に入った30年前に比べて、ハード系のパンが日常生活に根付いてきているように感じます。昔はレストランで出されるパンといったらバゲットくらいでしたが、最近はその土地その土地でオリジナルのパンが提供されるようになりましたよね。みなさん、パンの多様な食べ方を受け入れられるようになってきたのではないでしょうか?」と谷上さん。
確かにこの数年で、私たちの「パン偏差値」は向上しているような気がします。好みのパンを食べたいという思いも強くなっているのかもしれないですね。
「こだわりは持たないようにしているんですよ。『こうじゃなきゃいけない』という考え方は持たないようにしています。作ったものがおいしければいいかな…と(笑)。
小麦粉もバターも今は国産のものを使っているけど、いつ価格が高騰して使えなくなるかわからないですしね。食べ方だってこだわらなくていいと思うんです。食パンに海苔をのせても、納豆をのせても、それがおいしければいい。お客さんにはパンの食べ方も自由に楽しんで欲しいんです」と、「こだわりを持たない」というこだわりを教えてくれました。
最後に今後「ナイーフ」をどんなパン屋さんにしていきたいか聞いてみました。
「今は行列もなくのんびり営業しています。だからこそお客様も、店番をする家内との会話を楽しみにして来てくれるし、それでまたお店にも足を運んでくれる…。この雰囲気を大事にしていきたいですね。
パンについては『おいしい』というのは変わらない絶対条件。そこにプラスαを加えて、とにかくその時々でおいしいパンを提供していけたらと思います」。
フミさんの温かい接客と、谷上シェフの「こだわらないパン」に溢れる「ナイーフ」は、優しさたっぷりの空間でした。

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