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【東京都】〈第2回 にほんくらし籠展〉COSMIC WONDERと日本の名工による美しい籠たち|コロカルニュース

  • 2017年4月11日
  • コロカル

2017年4月15日(土)から30日(日)まで、東京・南青山の〈Center for COSMIC WONDER〉にて〈第2回 にほんくらし籠展〉が開かれます。

会場に並ぶのは、日本各地のさまざまな用途の籠。

あけび蔓の籠(秋田県)

山葡萄の手提げ籠、沢胡桃の手提げ籠(秋田県)

すず竹の市場籠(岩手県)

篠竹や山桜樹皮等のげし笊(宮城県)

欅の手提げ籠、山胡桃の手提げ籠(新潟県)

真竹のふご(千葉県)

女竹の花籠(千葉県)

根曲竹の林檎籠(長野県)

淡竹の買い物籠(長崎県)

真竹の米揚げ笊(熊本県)

真竹の角籠(熊本県)

葛藤の手提げ籠(鹿児島県)

蓬莱竹のバーキ(沖縄県)

わらびの手付き籠(沖縄県)

月桃の籠(沖縄県)

いずれも、コズミックワンダーが各地の職人を訪ね、新たに編まれた籠たちです。初日の4月15日・16日には、2015年度日本民藝館賞を受賞されたあけび蔓籠職人の中川原信一さんによる制作実演もあるそう。

主宰は、現代美術作家の前田征紀さん率いる〈COSMIC WONDER〉(コズミックワンダー)。近年は手仕事による工藝を組み合わせた美術作品、服、印刷物などを制作し、コレクションとして発表するほか、美術館などにも活動の幅を広げています。

昨年の冬には京都・美山の重要伝統的建造物群保存地区にスタジオを移し、ますます枠にとらわれない活動を行っているよう。どの仕事にも、ていねいな手業や自然に宿る息吹が吹き込まれているようです。

最新のコレクションは、日本の古の衣や古代諸国の民族衣装の構造を用い、最小限の表層からさまざまな印象を伝える〈竜宮衣〉。苧麻布のドレスや手紡ぎ綿の羽織、有機栽培綿の仕事着コート……。

いずれも手紡ぎの自然栽培綿や有機栽培綿・麻、刺し子織の大麻布などの天然素材によって構成され、自然と寄り添うかたちに辿りついた「わたしに帰する衣」。そんなコズミックワンダーが永いときを超え伝えられてきた籠に惹かれたのは、自然なことだったのでしょう。

職人と真摯に向き合う、コズミックワンダーからのメッセージ

本展のために職人さんとやりとりを重ねてきたCOSMIC WONDERの前田尚謙さんから、メッセージをいただきました。職人さんと前田さんたちのものづくりに対する熱意が伝わってきます。ぜひご一読を!

本展は昨年に続き2度目となります。

今回は予てから訪ねてみたかった新潟、山形、沖縄を新たに周りました。

新潟では、欅(けやき)、山胡桃、山葡萄を使って籠を編む職人が現役です。どれも採取の難しい素材ですが、特に山葡萄は、山奥の10〜20メートル頭上に這っていますので採取は一苦労です。職人は80歳を超えてなお材料の採取から行います。今回特別に依頼したのは欅の籠です。職人を訪ねた際に、欅と山葡萄を使った美しい籠を見せて戴きました。

その籠を見ているとふとおもいました。縦と横、全て欅を使った籠はさぞ格別ではないかと。尋ねてみますと過去に作った記憶がある程度で、最近は作ったことがないとのことでした。書くと長くなりますが欅を籠にするのは高度な仕事です。あえて格を付けますと山葡萄ほどになるかと思います。

「全て欅でできた籠を実際に見たことがあるのか?」と職人に訊かれるほど、欅でできた籠は珍しいものです。編むにも力が必要ですので、職人も1つ作るのに疲労困憊です。今回は手提げと脱衣籠を依頼していますが、脱衣籠ほどの大きさは職人も製作に億劫になる程の仕事と言います。

「おとうさんにしかできない仕事、ぜひとも見たいです。」と言いますと、「後期高齢者をひどく働かせるな。」と返されます。手提げ籠は本展に間に合い、脱衣籠は間に合わないかもしれませんが、出来上がりがとても楽しみです。

山形では、山葡萄の籠を探しました。以前、西日本にあります店で数十年前に編まれたであろう山葡萄の籠を見ました。おそらく山形県産です。少し膨らんだ健康的な胴の形、持ち手と縁巻きも見事な仕事です。

店主に産地を尋ねることはできたでしょうが、店主も苦労して探したことを思いますと、それを良しとしませんでした。あのような仕事が残っているのであればぜひ見たいと思いました。それから数ヶ月の後に山形に入りまして、いくつかの集落を訪ねました。職人に会い、その籠も見ることができました。

しかしながら、あの時の感動が心の中で起こることはありませんでした。良い仕事に変わりはありませんが、最良の仕事から妥協することはできず、この地で山葡萄を注文することはありませんでした。山形は山葡萄の籠の立派な産地ですが、運に恵まれなかったのです。

そのことを新潟の職人に伝えました。「山形で感動する山葡萄にあえませんでした。」、「それなら作っておくよ。」注文の多い職人は2年待ちとも聞きますので多くはお願いできませんが、1つは本展に間に合わせて貰えることになりました。職人のひと言を思い出します、ほんとうによく働かせます。

人生2度目の沖縄は、那覇からはじまり、最北端まで島を車で移動、数百キロの旅でした。集落から集落まで、村の方の話を頼りに巡りました。沖縄の籠はバーキと言いまして蓬莱竹を使います。私の住む山里の家屋は梅雨時期、湿気がたいへん多く、竹、樹皮、蔓、あらゆる籠に黴(カビ)がつき難儀しますが、蓬莱竹には不思議と黴がつきません。通年で気温が高く湿気の多い土地の竹は黴がつきにくいと想像しています。

バーキ作りはそれを商売とするかどうかは別としまして、各集落に1人か2人は作る方がいらっしゃいます。その中でも見事な仕事をする職人に出会うことができましたので、本展に向けて依頼しました。昨年夏にお願いをしていましたが、手の持病が悪くなり、残念ながら本展には間に合いませんでした。その素晴らしい仕事をいつかお見せできればと思います。

自然に恵まれた沖縄には、竹の他にも籠になる材料があります。ある島で作られる月桃を使った籠は、美しく縄れた細い籠縄で編まれます。ほのかな月桃の香りがとても良いものです。本土では見かけることのない素材で作られる沖縄の手仕事も、本展にて展示いたします。

〈第2回 にほんくらし籠展〉、今も日本各地に残る見事な手仕事の数々に直接触れて戴く機会となれば幸いです。

COSMIC WONDER 前田尚謙

information

第2回 にほんくらし籠展

開催日:2017年4月15日(土)〜30日(日)

時間:11:00〜19:00

休館日:4月14日(金)

会場:Center for COSMIC WONDER

住所:東京都港区南青山5-18-10

アクセス:東京メトロ各線「表参道」駅 徒歩10分

Web:第2回 にほんくらし籠展

writer profile

Yu Miyakoshi

宮越裕生

みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。

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