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「おいしい」が応募条件!名古屋発『おいしい映画祭』って?

  • 2024年11月20日
  • コロカル

「おいしい」をキーワードに、学生と一般の2部門で映像作品を公募し、そのなかから各入賞5作品と招待作品を上映する『おいしい映画祭』が、2024年11月30日(土)、12月1日(日)の2日間、名古屋にある映画館〈ミッドランドスクエアシネマ2〉で開催されます。

今年で3回目を迎えるこの映画祭を立ち上げたのは、東海圏を中心に活躍する映画パーソナリティーであり、コーディネーターの松岡ひとみさん。コロナ禍において活動が制約されてしまった映像クリエイターや来場者が激減してしまった映画館を支援したいとの思いから、始められたそうです。

『おいしい映画祭』プロデューサーであり、映画パーソナリティの松岡ひとみさん。

『おいしい映画祭』プロデューサーであり、映画パーソナリティの松岡ひとみさん。

「おいしい」は映像作品のスパイス? どんな映画にも登場する食事シーン

映像製作に関しての条件はひとつ。「おいしい」を映画のなかに取り入れた、5分から30分以内の短編映画作品であること。その理由を松岡さんはこう語ります。

「映画には、必ずといっていいほど、食事のシーンが登場します。監督たちとも話すのですが、群像劇や家族の映画に食べ物が出てくると、個々のキャラクターや家族関係が、一発で映し出されます。お父さんはごはんを食べ、娘はパンを食べる。それだけでも家族の状況がわかったり。それがおもしろいなと。それに食べるって、生きることにつながっているし、主人公の食べる姿は見ていて元気になります。私自身も食べることが大好きで、「おいしい」をテーマにした映画のコラムなどを書いていたこともあり、これをキーワードに映像作品を製作してもらおうと考えました」

初年度の応募作品には、名古屋メシで有名な「天むす」や「ひつまぶし」を取り入れた映画の応募が多かったのだとか。名古屋メシの魅力を伝えることにも一役買っているようです。

150作品以上が全国から。2024年も入賞作品は個性派ぞろい

東海圏を中心にスタートした『おいしい映画祭』ですが、今や全国から150作品を超える応募があり、うれしい悲鳴を上げる映画祭スタッフ。映像編集が手軽にできるようになったほか、スマホで撮影する縦型動画などもあり、時代の変化とともに映像形態が多様化する一方で、自分の家族や身近な人をテーマとしたドキュメンタリー映画も増えているそうです。

学生部門入選の安川明里監督作品『曇り味噌』。

学生部門入選の安川明里監督作品『曇り味噌』。

「学生の作品は、この時代にしか撮れないものも多く、社会に忖度せず、自由にテーマを選んでいるのもおもしろいです。一般の部には、プロを目指している人も応募してきますが、この映画祭をきっかけに代理店から声がかかったり、商業映画が撮れるようになるなどの動きも出てきています」と松岡さん。

一般部門入賞の浮辺奈生子監督作品『MADE IN JAPAN』。

一般部門入賞の浮辺奈生子監督作品『MADE IN JAPAN』。

映画祭をきっかけに商業映画デビューを果たした監督も!

今回の招待作品のひとつ『台湾ラーメンリハーサル』は、2023年の『おいしい映画祭』でグランプリを受賞した山口晃三郎監督の作品です。

サンミュージック名古屋製作。愛知県出身の俳優・タレントの磯部圭佑が主演、アイドルグループ甘党男子や清水由紀も出演。

サンミュージック名古屋製作。愛知県出身の俳優・タレントの磯部圭佑が主演、アイドルグループ甘党男子や清水由紀も出演。

これは名古屋にあるプロダクション、サンミュージック名古屋から、山口監督に、事務所の俳優を使って映画を撮ってほしいとオファーがあり、実現したものだとか。「名古屋の俳優が出演する映画なら、名古屋メシでやりたいと思っていたところ、名古屋の老舗中華料理店〈矢場味仙〉がスポンサーになってくださることに。映画祭を通じて、名古屋の企業がスポンサーとなり、映像クリエイターを育て、その映画をまた『おいしい映画祭』で上映できる、そんな循環が生まれています」

名古屋観光大使を務める元美少女クラブ31の清水由紀さんがトークイベントの司会も担当。

名古屋観光大使を務める元美少女クラブ31の清水由紀さんがトークイベントの司会も担当。

「おいしい」をキーワードに招待作品も話題作ぞろい

また映画祭を開くことで、監督や映画関係スタッフが交流する場も生まれ、「次回は、こんな作品を一緒にやろう」といった企画が生まれたり、映画関係者とのネットワークが広がったりと、映画界自体の活性化にもつながっているようです。映像クリエイターを目指す若者たちにも、プロである映画監督たちと直接話せる貴重な機会となっています。

また、映画は観る人あってのもの。ひとつの映画を多くの人と笑いあり、涙ありの時間を共有することで、相乗効果で元気になっていけるのです。招待作品も「おいしい」をキーワードに、話題作が満載。単館での公開から3か月、今や話題騒然、全国で上映されている『侍タイムスリッパ―』の安田淳一監督が製作した『ごはん』(2017年)。実家が農家である監督ならではの厳しい視線と美しい田園風景、そしてほかほかの炊き立てごはんに胸が熱くなります。

安田監督の2作目。日本の米作りを巡る現状を背景に、農業を引き継ぐことになった若い女性の奮闘を描くドラマ。自身の体験も盛り込みながら、4年の歳月をかけて米作りの現状をリアルに描いた秀作。

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SNSで話題となり、映画化となった篠原涼子と芳根京子母子が繰り広げる愛情コメディー『今日も嫌がらせ弁当』は、岐阜県出身の塚本連平監督の作品。

日本中をオリジナリティ溢れるキャラ弁で笑わせ、何があっても変わらない母の愛で泣かせた、累計20万部突破エッセイを塚本連平が映画化!

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当日は、監督とともに出演俳優である元SKEの松井玲奈さんがゲストとして登壇。さまざまな映画エピソードを披露してくれます。

俳優、作家としても活躍の松井玲奈さん。

俳優、作家としても活躍の松井玲奈さん。

今回の招待作品のなかで唯一のドキュメンタリー映画作品『WILL』は、山のなかでの狩猟生活を実践する東出自身が問い続けている日々を生々しくスクリーンに映し出していくエリザベス宮地の渾身の一作。エリザベス宮地監督は、自らの元恋人との2年間の生活を当時の写真と映像で綴ったMOROHA『バラ色の日々』が話題に。個性的なふたりのトークも楽しみです。

俳優であり、狩猟家の東出昌大さんの山での生活を追った作品。

俳優であり、狩猟家の東出昌大さんの山での生活を追った作品。

手羽先や味噌カツ、ひつまぶしなど全国に知られるようになった名古屋メシですが、台湾ラーメンやあんかけスパゲティ、小倉トースト、名古屋のソウルフード〈寿がきや〉など、まだまだ、ユニークな名古屋メシもたくさんあります。映画を観たあとは、名古屋メシで盛り上がる。そんな「エンタメ」と「グルメ」が、一度に楽しめる一粒で二度おいしい映画祭、ぜひ名古屋へきて、観てください!

information

おいしい映画祭 2024

日時:2024年11月30日(土)から12月1日(日)

会場:ミッドランドスクエアシネマ2

料金:作品に記載のないものは通常料金、短編は1000円

コンペティション部門は 一般1,500円,大学生以下・シニア・障がい者割引1,000円

主催:株式会社オフィス・シネマレスト/中日本興業株式会社

Web:おいしい映画祭

上映スケジュール

11月30日(土)

・招待作品

【上映作品】『ごはん』

【時間】9:25〜12:15

【トークショーゲスト】安田淳一監督、沙倉ゆうのさん

【チケット料金】一般2500円/学生・小人・シニア1500円

コンペティション部門(学生の部)&短編作品上映

【短編作品】ほろほろほかほかワシワシ食べる

【場所】シネマ2 SCREEN9

【時間】12:45〜15:00

【ゲスト審査員】森谷雄プロデューサー、松本優作監督、株式会社ロボット・丸山靖博さん、塚本連平監督、俳優・清水由紀さん

【トークショーゲスト】東かほり監督

【チケット料金】1,500円均一

・招待作品

【上映作品】『三日月とネコ』

【時間】15:30〜18:05

【トークショーゲスト】上村奈帆監督、森谷雄プロデューサー

【チケット料金】一般2500円/学生・小人・シニア1500円

・招待作品

【上映作品】『WILL』

【時間】18:35〜21:35

【トークショーゲスト】エリザベス宮地監督、俳優・東出昌大さん

【チケット料金】一般2500円/学生・小人・シニア1500円

12月1日(日)

・招待作品

【上映作品】『おいしい給食 Road to イカメシ』

【時間】9:25〜12:05

【トークショーゲスト】俳優・羽田野栞さん

【チケット料金】一般2,500円/学生・小人・シニア1,500円

コンペティション部門(一般の部)&短編作品上映

【短編作品】『台湾ラーメンリハーサル』

【時間】12:35〜16:30

【ゲスト審査員】森谷雄プロデューサー、松本優作監督、株式会社ロボット・丸山靖博さん、塚本連平監督、俳優・桃月なしこさん

【トークショーゲスト】山口晃三朗監督、俳優・磯部圭佑さん

【ゲスト司会】俳優・清水由紀さん

【チケット料金】1500円均一

・招待作品

【上映作品】『今日も嫌がらせ弁当』

【時間】17:00〜19:30

【トークショーゲスト】塚本連平監督、俳優・松井玲奈さん

【チケット料金】一般2500円/学生・小人・シニア1500円

※ チケットは、完売になり次第販売終了

writer profile

Naomi Kuroda

黒田 直美

くろだ・なおみ●愛知県生まれ。東京で長年、編集ライターの仕事をしていたが、親の介護を機に愛知県へUターン。現在は東海圏を中心とした伝統工芸や食文化など、地方ならではの取り組みを取材している。食べること、つくることが好きで、現在は陶芸にもはまっている。

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