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キャンプギア、スケートランプ、薪棚…なんでもつくってしまう人たちの暮ら方

  • 2024年11月20日
  • コロカル
趣味が楽しすぎる!

暮らしのなかで趣味を最大限に楽しむこと。好きなことをやっているのだから当たり前にできそうなものの、こだわりをもって実現させるのは、意外とできていない人も多いだろう。

そこで、暮らしを楽しむ人の家を拝見する連載『わが家が楽しすぎる! BESS×colocal』から、趣味を楽しんでいる「9人の趣味人」を紹介する。〈BESS〉はログハウスなど木の家を得意とする住宅ブランドで、そこに住んでいる人は、家の中でも、外でも、趣味に全力な人が多い。

はたしてどのように趣味に向き合っているのだろうか。

SUP、スノーボードをそのまま収納/福井県福井市

若い世代からも慕われる“遊びの達人”である竹下光彦さん。「横乗り系の遊びは全部、やりました」と語る竹下さんは、福井県鯖江市で生まれ、若い頃はスケーターとしても北陸で名を知られた。

さすがに若い頃と比べて横乗り系の遊びには出かけられなくなったというが、玄関口にはスケートボードが立てかけられ、吹き抜けのリビングの一角には、3メートル近くありそうなサップ(SUP=Stand Up Paddleの頭文字。立ったままパドルを漕いで乗る板)が、立てかけられている。

「空気を入れて膨らませるタイプなので、本当は小さく収納もできます。ただ、丸めてしまうと素材も傷みます。いろいろ保管場所を考えたのですが、これほど大きなサップをそのまま置ける場所といえば、ここしかありませんでした。リビングの窓が大きく、ウッドデッキにもつながっているので、サイズのある道具でも出し入れがラクです」

確かに竹下さんのように、さまざまな道具を駆使しながら屋外の遊びを存分に楽しむ人には、このような家でないと窮屈かもしれない。

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地元食材を生かすお菓子づくり/長野県松本市

お菓子づくりが趣味の的場友恵さんが、この家でこだわり抜いたというのがアイランドキッチンだ。キッチンにはあらゆる調理器具を取りそろえ、それに合わせてキッチンを調整した。〈ミーレ〉の食洗機やオーブン、〈キッチンエイド〉のミキサー、〈ロボクープ〉のフードプロセッサーなど、プロ顔負けのキッチンツールが並んでいる。

松本に移住して、東京暮らしのときにはなかなか挑戦しづらかったお菓子にもチャレンジしている。

「東京に住んでいたときは、マンションの手狭なキッチンがとにかく窮屈でした。このキッチンなら下の女の子3人も広く使うことができるので楽しいし、ストレスなく料理できるようになりました」

とくにマカロンは、簡単そうで意外と難易度の高いお菓子。すぐにひび割れてしまったり、オーブンが変わるだけでも微妙な誤差が生じるのでマカロンづくりに実験的な楽しさを見出している。

新しいレシピに挑戦することも日々の楽しみ。松本に来てBESSの家で暮らすことで、自然を身近に感じ、本格的に家庭菜園を始めたり、地元の特産食材にも注目するようになった。

地元で採れたブルーベリーやルバーブは新鮮でおいしい。そうした地元の食材を、どうしたらお菓子としてさらにおいしくなるか、研究しながらお菓子をつくることがとにかく楽しいようだ。友恵さんの料理への探究心と情熱は、松本に来てより一層燃え上がっている。

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土地の植生を生かした雑木の庭/長野県安曇野市

雑木の庭において重要なのが、その地域の里山を意識すること。「安曇野の自然植生が師匠ですね」と、五郎丸良輔さんは言う。

高木のクヌギやコナラに、アオダモやソヨゴなど中高木、低木、地被植物を寄せて、数種類の木々で構成して島をつくっていく。その島をいくつも配置し、多くの草木を組み上げていくのが五郎丸さんの雑木の庭づくり。安曇野の里山に自生している木々を植栽するので、病気にもなりにくい。

自生種の庭をつくると、その地域の虫や鳥などがやってくる。そうなればもう、その庭は里山そのものといってもいい。現在、五郎丸家の庭には、足元に生える宿根草が400〜500品種、クヌギやコナラなど低木、中高木40〜50の原種や品種が植栽されている。

「庭づくりを続けることによって、個々の庭がつながっていくようにしたい。自生種の庭はその地域の景観をつくり、まち並みをつくっていきます。それが住む人にとってアイデンティティになり、さらには文化にまで育っていけばいいなと思っています」

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自作のキャンプギア/三重県四日市市

市販のキャンプテントを参考に、冬用のテントを自作した伊藤芳樹さん。さらに、自ら図面を描いて大きな夏用のテントもつくり上げた。このほかテーブルやローチェア、コンロ用の棚など、必要なキャンプ道具はほぼすべて手づくりしている。

そのDIYマインドの源について尋ねると、「“人と同じ”がイヤなのかもしれません。自分でつくれば誰かとかぶることはないし、サイズや色、使い勝手なども、思いどおりに仕上げられる。だから、キャンプ場で『このテント、どこのですか?』と聞かれると、無性にうれしいんですよね」と芳樹さんは笑う。

簡単に組み立てや分解ができ、持ち運びしやすいように、試行錯誤を重ねてつくったキャンプギアを、実際にキャンプ場で使うときはもちろんうれしいが、自宅のワークスペースで、ああしようこうしようと構想を練っているときも、必要な材料や道具を調べているときも、すべてが楽しくてたまらないのだ。

「もしかしたら、使う瞬間よりも、つくることのほうが好きなのかもしれません(笑)」

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鉄を溶接し木と組み合わせた家具/兵庫県丹波篠山市

家の中を見渡してみると、鉄と木を組み合わせた家具で統一されている。ほとんどは、山ノ口翔太さんの手づくりで、なんと鉄の溶接も自らの手で行っている。

例えばデスク。無垢の耳つき天板に、鉄の角パイプ3本をZ型に溶接して脚にしている。食器棚は本人いわく「少し歪んでいる」というが、キャスターがついていて使いやすそう。

庭に設置してある薪棚も自作だ。屋外で風雨にさらされることを考え、「鉄でつくったほうが耐久性が高いと思う。僕の予想では40年くらいはもつ」と自信あり。翔太さんは溶接経験があったわけではないが、「やってみたら案外とできたこと」のひとつだ。

この趣味と技術が高じて、BESS神戸のLOGWAYコーチャー(リアルな暮らしの経験や知恵を教えてくれるBESSの先輩ユーザーのボランティア)が集まって、「テツandモク」という部活動チームも結成されている。

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キャンプでの「ダッチパン」づくり/神奈川県小田原市

家族でキャンプにはまり、凝り性だったのは、奥様の笹平由季さん。ビンテージランタンを集め始めるなど、すぐに「道具を集める沼」にもはまったという。キャンプでの食事づくりも加速していく。キャンプグッズのダッチオーブンを駆使しながらさまざまな料理をつくっているが、もともとパンやお菓子づくりが好きだった由季さんの得意料理はダッチパン。

パン自体もとてもおいしそうだが、由季さんのオリジナリティあふれるところが、中央にシエラカップを置いて、スープやグラタンをつくったり、チーズを溶かしてチーズフォンデュにしてしまうこと。フタを開けたときには誰もが感嘆の声を上げてしまう料理だ。今ではアウトドア系ウェブサイトの、“料理アンバサダー”を務めてしまうほどの腕前になっている。

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インコを飼う/埼玉県久喜市

BESS DOMEに住む宮澤家を訪れると、鳥たちが出迎えてくれる。現在、一緒に暮らしているのは4羽のインコ。

「昔から鳥が好きでした」と言うのは愛季さん。

「子どもが小さいときは、まだ飼わないでいたんですが、やはり欲しくなって。かつて自分がほしい鳥に、本に印をつけていました。10年以上経ってそれを見返してみると、当時も、いまほしいと思う鳥に印をつけているんです。昔からほしい鳥が変わっていない。これはもう飼うしかないなと」

ドーム状の家で鳥を飼うのは、とても理に適っているようだ。それは空間のこと。

「私たちは、上の空間を有効活用できません。鳥たちが自由に飛んでくれたらいいなと思って。最初は上に行ったまま下りてこないこともあったけど、今は慣れたのでちゃんと自分のお家に戻ってきます」

ドーム特有の高さ、頭上の空間。人間には使いようのないこの空間は、鳥のためにあるのではないかと思うほどだ。

「鳥が楽しそうです。ドームを買った人は鳥を飼ったほうがいい」

まさに鳥も喜ぶ家だ。

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自作のスケートランプ/三重県四日市市

矢田新一郎さんは自分の趣味でもある、スケートボードのセクションを自作した。

「テーブルとか必需品は失敗したらイヤだけど、スケートランプなら自分でつくってみる」というが、直線的なテーブルをつくるより、スケートランプの曲線をつくるほうがよほど難しいだろう。

「何年か前に息子がスケートボードをやり始めて、これがあれば上手になるかなと思ってつくり始めたんですけど、だんだんつくること自体が楽しくなってきてしまって。つくっているときは、すごく集中していて、楽しかったですね。最初は普通のジャンプランプだけだったんですが、今年はコンクリートを使うなどどんどん進化させています」

自身も滑ることはあるが、今は「息子が滑っているのを、ベンチに座ってビールを飲みながら見ているのがいちばん幸せな時間」だとか。

ちなみに横の小屋に置いてあるのはスケートボード、漫画、CD、自転車、キャンプギア、スニーカー(多くが〈VANS〉)に、〈ファイヤーキング〉のコレクションなど。新一郎さんの好きなものが詰まっている。

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カメラ、レンズ、そしてiPhone/神奈川県秦野市

八島巧実さんは、instagramやtumblr、the LetterなどのSNSで数多くの写真を投稿している。学生時代から写真を趣味として始め、以来、今までずっと写真を撮り続けてきた。大学は工学部出身。現在はカメラのレンズメーカーに就職し、レンズを設計する仕事に就いている。

撮影してSNSに投稿しているのは、主に子ども・家族や日常の風景。レンズメーカーに勤めているだけに、さぞ高額なレンズを使って撮影しているのかと思いきや、そのほとんどはiPhoneだという。

「iPhoneは、まず常に持っていることがいいですよね。かさばらないし、すぐに撮れる。大きいカメラだと、子どもの素早い動きの瞬間を逃してしまいます。それに今まで何度、子どもの頭にレンズをぶつけたことか……」

品質より何より、小さい子どもがいると、物理的なサイズがネックになる。

「パッと撮れてリアリティがあります。普通の一眼レフカメラなどで撮ると、背景をぼかしたりしてそれっぽく写るけど、自分の子どもでそれをやるとなんだか恥ずかしくて(笑)。人のそういう写真を見ているのはいいのですが」

iPhoneがいい、なんて、レンズメーカーの人が言うと余計に説得力がある。

「いい機材を使った品質のいい写真と、いわゆる”いい写真”は別の話。“いい写真”というのは、人それぞれですよね」

八島さんの写真は記録であり、作品とは違うのだ。

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趣味といえば、映画鑑賞、音楽鑑賞、読書、スポーツなどが定番。しかし今回登場した趣味人たちのほとんどは、何かをつくり出している。受け身や消費ではなく、つくり手だ。

家を自分の手で育てていくことと同様に、楽しいことは自分で生み出してみる。もしくはつくること自体を楽しんでみる。そうすれば自分の気持ちも入って、趣味を全力で楽しめるのだろう。

information

BESS 

https://www.bess.jp/

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コロカル編集部

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