徳川家康の出身地としても名高い愛知県岡崎市。歴史深い市の東部にある額田(ぬかた)地域には、「仙水」と呼ばれる平成の名水百選にも選ばれた湧水群があります。この地域の宝といえるおいしい軟水でつくった氷と、地元特産物やフルーツなどを使ったかき氷でまちおこしをしていこうと、岡崎市ぬかた町商工会が中心となり、2018年に〈おかざきかき氷街道〉が誕生しました。
〈おかざきかき氷街道〉に出店するのは、地元農家や飲食店が運営する8店舗かき氷屋として出店しているのは、額田地域で茶問屋やユズ農家、飲食店を経営する人たちです。額田の特産を知ってもらおうと、本業の強みを生かしたかき氷を期間限定で販売しています。
「かき氷をきっかけに自然あふれるこの地域を知ってもらいたい、異業種の方が手を取り合い『街道』と名をつけて、みんなで地域を盛り上げていきたいとの想いで始まりました。〈おかざきかき氷街道〉では、毎年テーマをもうけ、工夫を凝らしたかき氷をつくっていただいています。2024年のテーマは、干支である「辰年」にちなみ、また岡崎城が別名「龍城」と呼ばれていたことから、龍が昇っていくイメージで、運気が上がることを願い『昇龍氷(のぼりりゅうごおり)』としました」と、おかざきかき氷街道事務局。
〈おかざきかき氷街道〉では、この8店舗をめぐるスタンプラリーも開催。全店舗を制覇した方には、特製の御朱印帳がもらえるなど、うれしい特典もあります。かき氷を食べて、暑さをしのぎ、さらには運気をあげる一石二鳥のイベントといえそう。
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おかざきかき氷街道「昇龍氷」
期間:4月27日(土)〜9月29日(日)
参加店舗:岡崎市額田地域の8店舗
銀白龍〜fromage〜 1650円。
地産地消の食材を中心に、旬のおいしさを味わってもらおうと、食事やスイーツを提供している〈CAFE KURAGARI〉。
手づくりの練乳エスプーマでつくったフロマージュソースのかき氷は、夏空に浮かぶ白い雲を連想させてくれて、夏気分がさらに盛り上がります。氷の中には、自家製アイスとユズのジュレ、銀箔をトッピングし、美しく輝く龍をイメージしています。昇竜氷以外にも、地元産のブルーベリーソースやオリジナルブレンドコーヒーでつくる自家製シロップのかき氷を用意しています。
information
CAFE KURAGARI
住所:愛知県岡崎市石原町牧原日影3
TEL:0564-83-2232
営業時間:10:00〜17:00(16:00 L.O.)※商品がなくなり次第終了
定休日:金、土曜
Web:CAFE KURAGARI
Instagram:@cafe_kuragari
黒雲の昇竜 1800円。
1820年創業の江戸時代から続く〈産地問屋 宮ザキ園 一匙(ひとさじ)〉。創業以来、無農薬有機栽培でお茶を生産している宮ザキ園だからできるかき氷は、香り高いおいしさが自慢です。
黒雲から現れる龍をイメージした「黒雲の昇竜」は、黒胡麻と竹炭をじっくり煮込んだシロップをベースに、濃厚の利宮抹茶でさらに味変を楽しめるとか。ほかにも、最高級抹茶(利宮)を石臼で挽いた抹茶のかき氷をはじめ、ほうじ茶や紅茶を使用したシロップなど、ほのかに香るお茶の風味が、天然氷のおいしさを引き立ててくれます。
数量限定のプレミアム抹茶のかき氷には、濃厚な抹茶かき氷の中に、さらに抹茶アイスが入るという贅沢な味わいも。
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産地問屋 宮ザキ園 一匙
住所:愛知県岡崎市石原町字相野8
TEL:0564-83-2710
営業時間:10:00〜17:00(16:00 L.O.)※商品が亡くなり次第終了
定休日:水、木曜
Web:産地問屋 宮ザキ園 一匙
ドラゴンフルーツ 1800円。
岡崎市の印刷会社(株)イズミが土日祝限定で、キッチンカーのかき氷屋〈いずみ〉を出店。地元産のブルーベリーやイチジクなど、フルーツをたっぷり使用したかき氷が人気です。
今年は、テーマである「昇竜氷」にあわせ、ドラゴンフルーツのかき氷を提供。真っ赤なドラゴンフルーツをトッピングしたかき氷は、見た目にもカラフルでゴージャス!レモネード風味のさわやかなおいしさが口中に広がります。レモンをかけると色変するハーブティーのシロップを使用するなど、遊び心も満載です。
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いづみ
住所:愛知県岡崎市片寄町山下33 天恩寺駐車場
TEL:090-8334-1601
営業時間:10:00〜17:00
営業日:土・日・祝のみ(雨天休業)
Web:いづみ
龍眼 1500円。
完全無農薬の有機栽培で、皮まで食べられるユズの栽培を行っている〈ぬかた体験村農園〉。愛知県岡崎市の特産品であるユズの収穫体験やユズシロップづくりなど、地域密着型の農業体験ができる施設です。
併設する〈カフェ柚子木〉では、ユズを使ったかき氷はもちろん、今年は、イチゴとホワイトチョコレートで龍の眼を表現した昇龍氷の「龍眼(りゅうがん)」が味わえます。
練乳ミルクをエスプーマした甘さたっぷりのイチゴミルクのようなおいしさです。そのほか、1番人気のユズの果汁と練乳、糖蜜のシロップをかけた「柚子ミルク」、珈琲シロップとカスタードクリームをかけ、バーナーであぶった焼き氷など、おしゃれなカフェメニューと合わせて味わってみては。
柚子ミルク 1300円。
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カフェ柚子木
住所:愛知県岡崎市石原町字帝口38
TEL:0564-83-2069
営業時間:10:00〜17:00
定休日:月、火曜
Web:カフェ柚子木
Instagram:@nukatataiken
龍の秘宝を添えて1800円。
額田地域で、鍋料理やアユ料理などを提供している屋内炭火焼バーベキューの〈かしやま〉では、バーベキューの炭火を使って焙煎した自家製のきなこをふんだんに使用したかき氷を提供。
今年のテーマである昇竜氷には、〜龍の秘宝に添えて〜と命名。龍に見立てた草だんごに、岡崎特産の若アユのもなかをトッピング。さらに水わらび餅をセットした豪華な和スイーツが楽しめます。炭火で焙煎したきなこの風味豊かな香りと黒蜜の甘さがマッチして、まさにまるごと和菓子といったかき氷です。
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かしやま
住所:愛知県岡崎市樫山町字月秋78-10
電話:0564-82-3130
営業時間:11:00〜20:00(かき氷の販売は13:00から)
定休日:月曜
Instagram:@kasiyamabbq_
天龍 1800円。
約600本のブルーベリーの木を栽培し、ブルーベリー狩りも楽しめる〈ブルーベリー農園&カフェベルウッド〉。農園だけでなく、完熟ブルーベリーを使ったピザやブルーベリークリームのサンドイッチなど、おしゃれなカフェごはんとスイーツが楽しめます。
今年のテーマである昇竜氷は、「天龍」。自家製ブルーベリーソースをつかったシロップに、ソフトクリームで龍の頭、生クリームで胴体をかたどるなど、かき氷全体で龍を表現。濃厚なブルーベリーソースに、ブルーベリータルトもついて、かき氷とともに、ブルーベリーのおいしさをたっぷり味わえます。
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ブルーベリー農園&カフェベルウッド
住所:愛知県岡崎市生平町字岩倉45-2
TEL:080-6911-6152
営業時間:8:00〜17:0※商品がなくなり次第終了
定休日:木曜
Web:ブルーベリー農園&カフェベルウッド
Instagram:@bb.bellwood
琥珀龍の舞 1300円。
2023年オープンしたカフェ&バー〈山中別邸〉。檜をふんだんに使用した店内は、まるで森のなかにいるようなさわやかな空気に包まれます。ここでいただくかき氷は、地元で採れたフルーツシロップと、デザイン性のある丸いかき氷がかわいいと評判です。
今年のテーマの昇龍氷は、「琥珀龍の舞」。みかんシロップをベースに、カスタードパイと琥珀糖をトッピングし、龍が昇っていく様子を表現。濃厚なエスプーマとカスタード、甘酸っぱい自家製みかんシロップをぜいたくに使った清涼感のあるかき氷は格別です。
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山中別邸
住所:愛知県岡崎市舞木町字山中町123-2
電話:0564-64-0227
営業時間:11:00〜15:00(かき氷限定)※商品がなくなり次第終了
定休日:水、木曜
Instagram:@yamanaka_bettei
龍の宝珠 1800円。
岡崎の里山である日近の里(ひぢかのさと)に出店している、2024年9月29日(日)までの期間限定ショップ〈氷屋 林音(りんね)@日近の里〉。静かな山間のなか、かおれ渓谷を眺めながらいただくかき氷は、また格別です。
昇龍氷「龍の宝珠」のまんまるにかたちづくったかき氷は、龍が手に持つ宝珠を、3つのカットメロンは龍の爪をイメージしているとのこと。メロンをたっぷり使ったかき氷は、メロンのジューシーな甘さと氷の冷たさがマッチして、大人気。売り切れ必至のメニューです。そのほか、額田の特産を使ったはちみつレモンや抹茶のかき氷、他店では珍しい黒ゴマなど、おしゃれなかき氷も充実。いろいろな味わいが楽しめます。
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林音(りんね)
住所:愛知県岡崎市桜形町字牛ノ平26
TEL:070-1646-5776
営業時間:10:00〜17:00(16:00 L.O.)※商品がなくなり次第修了
定休日:水、木曜 (雨天休業)
Instagram:@koriya_rinne
おかざきかき氷街道は、自然の風景や地元の特産も楽しめて、観光スポットとしても最適です! ぜひ、味わってみてください。
writer profile
Naomi Kuroda
黒田 直美
くろだ・なおみ●愛知県生まれ。東京で長年、編集ライターの仕事をしていたが、親の介護を機に愛知県へUターン。現在は東海圏を中心とした伝統工芸や食文化など、地方ならではの取り組みを取材している。食べること、つくることが好きで、現在は陶芸にもはまっている。