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対馬の海に漂着したプラスチックが収納ボックスに!?

  • 2023年4月18日
  • コロカル
「海ごみの防波堤」とも言われる対馬のゴミを活用

島の形状、潮流などの影響で大量の漂着物が打ち寄せられ、「海ごみの防波堤」ともいわれる長崎県の対馬。その漂着量は年間約2〜3万平方メートル、事業費は約2億8千万円に上るのだとか。

「オーシャンバウンドプラスチック」と、「オーシャンプラスチック」、2種類が存在

そのなかでも多いといわれる海洋プラスチックには、海から内陸50キロに存在し、今後海に流出する可能性があるプラスチックごみを指す「オーシャンバウンドプラスチック」と、海から流れ着いたことが証明ができるプラスチックごみを指す「オーシャンプラスチック」、この2種類が存在します。

オーシャンバウンドプラスチックはまだ海に流出していないため、分別がしやすかったり汚れの付着なども少ないといった理由から、比較的リサイクルがしやすい一方で、オーシャンプラスチックは既に海を渡って他の国や場所から海岸に流れ着いているので、波に揉まれ紫外線を浴び、汚れや破損がひどいプラスチックごみです。

オーシャンプラスチックは既に海を渡って他の国や場所から海岸に流れ着いているので、波に揉まれ紫外線を浴び、汚れや破損がひどいプラスチックごみです。

そのため回収→分別→洗浄→再分別に膨大なコストがかかってしまい、オーシャンバウンドプラスチックに比べてリサイクルがしにくくなっています。現在も良い再利用方法が見つからず、企業も手を出せずにいる状態ですが、埋め立てによる処理もこのままではいずれ限界を迎えてしまいます。

136年間国内自社製造の工具箱を販売する〈株式会社リングスター〉は、このオーシャンプラスチックをどうにか有効活用するため、オーシャンプラスチックを10%配合し、従来の製品と同じ耐荷重を実現した収納ボックスを2023年4月中旬より発売。現在予約受付中です。

発売されるのは、〈対馬オーシャンプラスチックバスケット〉〈対馬オーシャンプラスチックボックス〉のふたつの収納ボックス。

465(L) × 385(W) × 280(H) mm 1.4kg 27ℓ

465(L) × 385(W) × 280(H) mm 1.4kg 27L 2970円(税込)

〈対馬オーシャンプラスチックバスケット〉は、ハンドルを内側に倒せば、同じサイズのバスケットを、中身が入ったままスタッキングができます。ハンドルは頂点でロックがかかり自立するので、かがみ込みによる腰の負担も軽減。

465(L) × 333(W) × 322(H) mm 2.6kg 27ℓ

465(L) × 333(W) × 322(H) mm 2.6kg 27L 5940円(税込) 

一方〈対馬オーシャンプラスチックボックス〉は、 耐久性があるので、収納ボックスとしてだけでなく、椅子や踏み台としても使用可能。蓋は前後どちらからでも開閉できるダブルオープンシステムで、釣りやキャンプでも大人気のボックスです。

年間約2000〜3000個以上が漂着するという“青いポリタンク”(ポリエチレン製)を10%配合し、製品化。

どちらも年間約2000〜3000個以上が漂着するという“青いポリタンク”(ポリエチレン製)を10%配合し、製品化。

〈対馬オーシャンプラスチックバスケット〉

リングスターの工具箱は約136年もの間、長年現場で働くプロの職人向けの工具箱や、ハードなアウトドアに特化した収納ボックスを作り続けてきました。

今回、強度面に不安があるオーシャンプラスチックを使っても耐久力のある製品を作ることができたのは、素材の強さに頼ってきたのではなく、「どうすればプロの職人が信頼できる、安心で強靭な工具箱をつくることができるのか?」という問いに真摯に向き合い、構造上の強度を追求してきたから。今回発売されるふたつのバスケットは、奈良工業試験センターの協力のもと耐久力試験を行い、従来の製品と全く変わらない耐荷重数値を記録。

ちなみに、なぜ10%しか配合しないかというと、同じプラスチックでも異なる素材を混ぜ合わせて成形することは、成形不良や製品の耐久力の低下、機械の故障に繋がる行為であり、コスト高にもなってしまうため、最大限の配合率として10%としたそうです。

また、〈対馬オーシャンプラスチックバスケット〉1個販売につき100円、〈対馬オーシャンプラスチックバスケット〉1個販売につき200円を、長崎県対馬市へ寄付されます。

information

株式会社リングスター

Web:予約ページ

*価格はすべて税込です。

writer profile

Kanae Yamada

山田佳苗

やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。

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