ブドウの生育を促すために行われる、「芽かき」「除葉」といった作業。生産者が手作業で取り除いた葉は、従来はそのまま地面に落として土に返されていました。このブドウの葉を活用して誕生したのが〈北海道TEA〉です。北海道のブドウ畑で健やかに育った葉から生まれた、ワインのように楽しめるノンアルコールのお茶になっています。
北海道TEAは未活用の葉を、酸化発酵させることで素材の魅力を引き出しています。鼻から抜けるほのかなブドウの香りとワインのような風味を楽しめますがアルコールはもちろんカフェインも含まれていません。
紅茶に似た製法でつくられており、ワインを思わせる独特な香りや果実味があります。
ロゴマークは「北海道産のお茶」という、これまでにない三方よしの先進さをスタイリッシュな北海道のフォルムで表現。全体的なフォルムは日本の和のイメージを残しながら、Made in 北海道のブランドが世界へ向かっていく勢いとスピード感を表しています。
北海道の未活用・未利用の素材に着目し、北海道ワイン文化を継承商品を開発したのは、ブランディングディレクションを行う〈PATTERN PLANNING株式会社〉と、ブランディングデザインを手がける〈株式会社NEW〉。北海道TEAは、北海道の未活用・未利用の素材に対して新たな可能性を模索するためにお茶を軸とした企画、開発、製造、販売まで取り組むプロジェクトとしてスタートしました。北海道に眠るいろいろな素材と伝統文化や日本の技術、アイデアを加えながら“北海道の茶”を提案していくブランドとなっています。
開発に至ったきっかけは、北海道余市町でワイナリーを営む〈余市のぼりんファーム(モンガク谷ワイナリー)〉の木原さんと担当者の会話。「ブドウの成長過程で芽かきや葉とりを全て手作業でするんだけれど、何かいい活用方法ないかな。天ぷらとかにしても美味しいんだよ」そんな何気ないやりとりが、このプロジェクトのヒントに。ワインを作るためのブドウの成長を促す農作業として5月〜8月に行われる「芽かき」や「葉とり」という作業があることを知り、生産者も消費者にとってもうれしいことはできないだろうかと考え、2019年に開発がスタートしました。
2020年には、「持続可能な暮らしや地域づくり」に取り組む〈NPO法人北海道エコビレッジ推進プロジェクト〉にも協力してもらい、葉を採取。商品化に向けて、専門機関にて農薬検査、生菌数検査などを行い商品の安全性を確かめ、2021年のリリースに至りました。
2月20日新発売の〈北海道TEA〉第3弾では11のブドウ畑が参画〈北海道TEA ワインブドウリーフティー2022〉50グラム3240円
2023年2月20日(月)、誕生から3回目の生産となる〈北海道TEA〉として〈北海道TEA ワインブドウリーフティー2022〉が発売されます。2022年産は茶葉の産地が余市町・仁木町・ニセコ町・岩見沢市にある11のヴィンヤード(ワイン醸造用のブドウ畑)に増え、より幅広い個性を味わえるようになりました。
参画しているのは余市町の〈余市のぼりんファーム(モンガク谷ワイナリー)〉、〈Domaine Takahiko ドメーヌタカヒコ〉、〈Domaine Mont ドメーヌモン〉、〈NPO法人北海道エコビレッジ推進プロジェクト(余市エコビレッジ)〉〈CAMEL FARM WINERY キャメルファームワイナリー〉、〈じきの畑〉、〈山田堂〉、仁木町から〈ル・レーヴ・ワイナリー〉、ニセコ町から〈ニセコワイナリー〉、〈ラララファーム〉、岩見沢市から〈KONDOヴィンヤード〉となっています。
いずれも道内各地で、質の高いワインを生産しているヴィンヤードです。
ホットティー、アイスティーなどおすすめの味わい方で北海道TEAはホットティー、アイスティーどちらでも楽しむことができます。淹れる前の茶葉、お湯を注いだ瞬間の器、お茶から立ち昇る湯気、味わいを楽しむ前に、何度も香りを楽しむことができるのがホットティーです。温かいお茶を口に含むと、角が取れた丸みのある味わいが口いっぱいに、ゆっくり時間をかけて飲む間に温度が下がると、また香りや味が変化していきます。
氷や冷蔵庫で冷やしたアイスティーをワイングラスに注げば、透き通った黄金色は一層美しさを増します。フレッシュなブドウを思わせるすっきりとした味わいでだけでなく、のどを通った後には、タンニンのような口当たりを感じます。鼻から抜ける香りや後味を、ワインのようにじっくりと楽しめます。
北海道TEAはオンラインショップ、もしくはふるさと納税のいずれかで入手可能。ふとした休息の時間に、大切な人へのギフトに、シーンを選ばず楽しめそうです。
information
北海道TEA
Web:〈北海道TEA〉公式ウェブサイト
Web:〈北海道TEA〉商品販売ページ
*価格はすべて税込です。
writer profile
Riho Nakamori
中森りほ
なかもり・りほ●東京生まれ東京在住のフリーライター/編集者。仕事やプライベートで月に1回以上、地方や海外へ。各地のおいしい食べ物やお酒、素敵なホテルや旅館を発掘するのが趣味。好きな番組は『ブラタモリ』『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』。