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九谷焼産業の“Question”に向き合う〈QUTANI〉プロジェクト。渋⾕区神宮前の〈Gallery 85.4〉でポップアップイベントも

  • 2023年3月13日
  • コロカル
海外でも愛される伝統の九谷焼。新しい価値を構築して未来へ

〈QUTANI〉は九谷焼産業に存在する疑問“Question”に向き合い、さまざまな異業種とのコラボレーションを行なって、疑問の明確化、問題点の改善に取り組むプロジェクトです。

〈QUTANI〉プロジェクトでは、現代の住環境、トレンドに合わせた九谷焼の商品を開発したり、これまでの常識に捉われない発想で九谷焼産業の再価値化を図ったりと、未来の九谷焼を継続的に構築することを目指しています。

海外でも愛される伝統の九谷焼。これまでの常識とは異なる新しい価値を構築して未来へ

江戸時代前期に、現在の加賀市山中温泉九谷町で始まったとされる九谷焼。石川県南部に位置する、金沢市、小松市、加賀市、能美市で生産され、日本を代表する色絵陶磁器として発展してきました。

5種の絵の具が生み出す独特な重厚感と色彩のハーモニーは、時代を超えて多くの人を魅了し続ける

九谷焼は山水、花鳥など絵画的で大胆な「上絵付け」による装飾が美しく、皿や茶碗のほか装飾品としても広く愛されています。絵画的で華やかな上絵付けは「九谷五彩」と呼ばれる赤・黄・緑・紫・紺青の絵の具が用いられ、それを使いこなす技法と呉須による効果的な線描が九谷焼の特徴であるとともに最大の魅力です。

5種の絵の具が生み出す独特な重厚感と色彩のハーモニーは、時代を超えて多くの人を魅了し続け、その彩法は時代の流れとともに変化し、赤を使わない「青九谷」や赤絵金彩の「赤九谷」など、九谷焼特有のさまざまな画風が生み出されてきました。

明治にかけて主流となった九谷庄三(しょうざ)の金襴手(きんらんで)という技法は、「ジャパンクタニ」と称され世界的にも親しまれ、貿易が盛んとなり、海外の著名人の多くに愛用されるなど、伝統的な美術工芸品として国内はもちろん、海外での地位も確立。また現代においても数多くの名工を輩出し、その技法は受け継がれています。

一方で、近年は廃業する製陶所が後をたたず、職人の数も減少。新しいものを生み出すことが難しくなっています。

製陶所で眠っていた3種類の品々に着目

〈QUTANI〉プロジェクトでは、製品としては流通されなかった九谷焼に着目し3つのテーマから再価値化を図っています。

その3つとは製陶所で販売されないままさまざまな理由で保管されていた〈QUTANI DEAD STOCK〉、製造の段階で発生した不具合が原因で、不良品として扱われた〈QUTANI REUSE〉、廃業してしまった製陶所に眠る過去の名工が手がけたサンプル品や試作品を中心とした〈QUTANI OUTLET〉です。

「QUTANI DEAD STOCK」のシリーズ

渋⾕区神宮前にある〈Gallery 85.4〉で行われたポップアップイベントでは、「QUTANI DEAD STOCK」のシリーズを展示。完成度が高いにもかかわらず何らかの理由で、30〜40年と日の目を浴びず、素焼きの状態で廃棄を待っていたプロダクトです。

熟練した職人たちが作り出しながらも、人目につくことがなかったプロダクト

熟練した職人たちがつくり出しながらも、人目につくことがなかったプロダクトを、直接に手にとってもらいたいと〈QUTANI〉プロジェクトが選んだ場所がGaralley 85.4だったのです。

絵付けされないままのQUTANI DEAD STOCK

絵付けされないままのQUTANI DEAD STOCKがGaralley 85.4が持つ無色透明・無味無臭で、展示コンセプトによって表情に変化するという特徴と親和性を生み出しましました。

伝統工芸の高い技術によって生み出されながらも、眠っていたたくさんの「QUTANI_DEAD STOCK」

伝統工芸の高い技術によって生み出されながらも、眠っていたたくさんの「QUTANI_DEAD STOCK」が展示される〈QUTANI〉のポップアップイベント。隠れていた九谷焼の価値に触れてみる機会になったのではないでしょうか。

information

〈QUTANI〉 POP−UP 

住所:東京都渋⾕区神宮前2-6-7 神宮前ファッションビル1F Gallery 85.4

TEL:03-6447-0325

会期:2023年3⽉9⽇(⽊)〜13⽇(⽉)*会期中無休

時間:12:00〜18:00

会場Instagram:@gallery85.4

writer profile

Saori Nozaki

野崎さおり

のざき・さおり●富山県生まれ、転勤族育ち。非正規雇用の会社員などを経てライターになり、人見知りを克服。とにかくよく食べる。趣味の現代アート鑑賞のため各地を旅するうちに、郷土料理好きに。

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