こんにちは。「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。
体調不良のためしばらくお休みしておりましたが、また無事に連載を再開できることになりました。(あたたかく待っていてくださった皆さま、本当にありがとうございました!)
体調を崩して学んだのが、日頃のセルフケアの大切さ。家で簡単にできる健康管理として、今回は小豆を使った「カイロ」のつくり方を紹介したいと思います。
厳しい寒さが続き、体を冷やしやすいこの季節、元気な体づくりのためにも手づくりカイロで体を温めてみませんか?
つくり方は簡単、小豆を布袋に入れて電子レンジでチンするだけ。小豆に含まれる水分が蒸気になり、穏やかな温もりで体を温める自然素材のカイロになります。PCやスマホで疲れた目を癒すアイピローとしてもぴったり。冷蔵庫で冷やせば、夏の冷感アイテムとしても使えます。
布袋に入れたり、手ぬぐいやハンカチに包むだけなので、縫わずにつくれるのもポイントです。繰り返し使えるからお財布にも地球にもやさしい◎
お正月のおせちやお料理で使いきれなかった小豆が、キッチンに少しだけ余っていたりしませんか? 簡単なつくり方のレシピから、お手入れ方法、さらには体を効果的に温めるおすすめのツボまで、まるっとご紹介します。
あったかいアイピロー でリラックス。小豆には毒素を吸い取るデトックス効果もあるとされています。
とっても簡単! 「小豆カイロ」のつくり方<材料>
・小豆(150〜200グラム)
・不織布袋
・綿の袋(巾着袋などがおすすめ)、もしくはハンカチや手ぬぐい
※電子レンジで加熱する際、発火・溶解しない布であるかを十分に確認してからご使用ください
■おすすめ材料アレンジ
小豆以外にも、お好みで以下の材料を入れてみるのもおすすめです。
・乾燥よもぎ:お灸のもぐさの原材料「よもぎ」を加えると、体の芯までポカポカになるような気がします。お灸のような効果も◎
・塩:疲れ目を癒やす効果があるとされています。岩塩など自然塩がおすすめ
・ドライラベンダーなど香りのあるもの
小豆とよもぎでカイロをつくってみます。
<つくり方>
(1)小豆などの材料を不織布袋に入れる。
(2)中身がこぼれないように不織布袋を折り曲げて綿の袋に入れ、完成!
小豆はこぼれやすいので、不織布の袋に入れてから綿の袋に入れると扱いやすいです。また、レンジで何度も温めると綿の袋が傷みやすいので、不織布の袋を取り出して温めると長持ちします。
<カイロの温め方・使い方>
(1)電子レンジで約1分〜1分半ほど温めてください。温める時間の目安は、目などデリケートな場所の場合は約1分、体の場合は1分半程度です。
(2)電子レンジがない方は、小豆を袋から出し、鉄鍋などで弱火で軽く炒ってください。焦げないように注意! 小豆の中に水分が入った状態をキープしないといけないので、温まったらすぐ取り出してください。炒りすぎると繰り返し使えなくなってしまいます。ちなみに我が家では、直火式の湯たんぽをコンロで温めるとき、上に乗せて温めています。
(3)目や背中、腰、ツボなど、温めたい場所に置いてご使用ください。心地よい小豆の重みと、やさしい温かさで、じんわりと血行を促進します。アイピローとして使う場合は、寝る前がおすすめ。1日の目の疲れをすっととってくれます。
・やけどには十分ご注意ください! 熱し過ぎた場合は時間をおいて冷ましたり、使用中に熱いと感じたらすぐに外してください。
・小豆はゆっくりと空気中の水分を取り込み、繰り返し蒸気を出します。小豆が水分を吸収する前に再加熱すると、中身が焦げて繰り返し使えない状態になってしまいます。加熱は1回ごとに時間をあけ、1日に2回程度にしてください。
・天然素材のため、暖かい季節は冷蔵庫での保管がおすすめです。
カイロをあてると心地いい! おすすめ「ツボ」5選さて、小豆カイロをつくったら、さっそく使ってみましょう。
カイロを体の「ツボ」に当てることで、効果的に全身を温めることができます。
ツボとは、簡単にいうと人体のエネルギーが通る「道」のこと。お灸や鍼(はり)はツボを熱や針で刺激することで気の流れや血行をよくし、さまざまな体の不調や不快な症状を改善する民間療法。そこまで本格的でなくても、今回つくったカイロでツボをやさしく温めるだけでもおうちでできる冷え対策としては十分。
ツボの位置は正確でなくても大丈夫です。小豆カイロをつくるのはちょっとハードルが高いな、という方はもちろん市販のカイロでも十分効果があります。
人間の体には361か所(注)ものツボが全身に点在するとされていますが、今回は寒さや冷えによく効くツボを5つ、ご紹介します!
(注:2006年、世界保健機関(WHO)が人体のツボの数を国際的に361か所に統一)
女性特有の症状に効果があるという「三陰交」にカイロを当ててみます。ほわ〜っと温かい。
■大椎(だいつい)首には「大椎」という重要なツボがあります。首を前に曲げたときに、首の後ろの骨が飛び出しているところにあるのがこのツボ。ここを冷やすと風邪をひきやすいといわれているので、しっかりと温めることが大切です。寒さ対策や風邪予防、頭痛などにも効果があるのだそう。カイロをパーカーのフードに入れておくと、やさしく温めてくれます。
■太渓(たいけい)太い血管のある足首の内くるぶし周辺は、冷えに効くといわれるツボが集まる場所。内くるぶしの骨のすぐ隣、アキレス腱との間のくぼみには「太渓」というツボがあり、冷え性を改善する働きがあるのだとか。足などの末端は特に冷えやすいので、カイロでじっくり温めて。
■三陰交(さんいんこう)女性のためのツボといわれる「三陰交」。内くるぶしの骨から指4本分上がったところにあります。3つのツボの道が交わるため、下半身の冷えやむくみ、生理痛、更年期障害など、女性特有の全身の不調改善に効果があるとされている万能ツボです。
■気海(きかい)おへそから指2本分下にある「気海」は、全身の冷えに効果があるといわれています。元気の源ともいわれるツボで、温めることで全身の血行を促し、毎日元気に過ごせる体の基礎をつくってくれるそう。季節の変わり目にケアすると◎
■命門(めいもん)おへそのちょうど裏側にある、腰のツボ「命門」。そこから左右に指2本分外側にあるのが「腎兪(じんゆ)」。どちらもエネルギーを高め、体を温めるといわれています。腰を温めることで、効果的に全身を温めることができるそう。うつ伏せに寝転がってカイロを腰に当てると、ほっこりじんわりリラックス。
おうちでできる簡単冷え対策、ぜひ試してみてください。今年も健康第一に過ごしましょうー!
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CHIHARU HATAKEYAMA
畠山千春
はたけやま・ちはる●新米猟師兼ライター。3.11をきっかけに「自分の暮らしを自分でつくる」活動をスタート。2011年より鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩猟・皮なめしを行う。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉を運営。2014年『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。ブログ:ちはるの森