いよいよ2022年も残りわずかとなりました。今年はどんな1年だったかなと写真を見ながら振り返ってみると、なんだかんだと、いろいろあったなぁと。
私たちにとって小豆島暮らし10周年となった2022年。10年経っても、日々新しい出会い、発見、学びがたくさんあって、まだまだ飽きることはありません。三村家の個人的なことも含めて、今年最後の小豆島日記で、この1年の大きな出来事、これからの生き方のターニングポイントになるであろう出来事について書いておこうと思います。
小豆島暮らし10年目。庭のサクランボの木もずいぶん大きくなりました。
三村家に新たなメンバーが加入!それではさっそく、2022年の三村家トピックスひとつめ!とっても個人的な出来事なのですが、今年は年明け早々、我が家に新たなメンバーがやってきました。
保護したときは、推定生後1か月のハチワレ子猫ちゃん。
出会いは元旦の夜。家のすぐ近くで「ミャーミャーミャーミャー」と鳴く声がずっとしていて、もういてもたってもいられないうちのお父ちゃん(旦那)と娘。
伐採されて積まれた枝のなかに隠れていて、ちらりと顔を見せたのは小さなハチワレの子猫ちゃん。目があった瞬間から保護しようと決めていたそう(旦那の後日談)。その日は逃げてしまったのですが、三村家の心のなかから消えることはなく、こんな寒いなかでは長く生きられないだろうと心配はつのるばかり。
3日後、また庭で子猫の鳴き声が。あの子に間違いない!痩せた小さな体で家の前をちょろちょろと走り回っていました。とても寒い時期だったので、そのまま外に放置することもできず、保護することに。
幸い健康状態はそこまで悪くなく、ごはんも自力で食べました。
小さい猫はとってもとってもかわいいんです。でも保護するなら責任も大きい。
すでにうちには体調を崩していた15歳の老犬と、先住猫1匹がいるのに、さらに増えて大丈夫なのかという思いもよそに、気づけば我が家の一員になっていました。
我が家のワンニャンズ。縁側でそろって日向ぼっこしていた2022年春。
そんなこんなで2022年は新年早々新メンバーが加わり、ベイビーニャンコに長老ワンコと、毎日生き物をお世話しました。犬も猫もかわいい、でもやっぱり老いたときのお世話はとても大変で、お金がかかったり、気兼ねなく出かけることもできなかったりします。それでもともに暮らすことを我が家は選びました。心配することもあれば、癒やされることもあり、大変だけどそれが家族だなとあらためて思います。
薪ストーブの火入れさて続いて、2022年の三村家トピックスふたつめ!10年越しの思いが叶って、ようやく薪ストーブが我が家にやってきました。薪ストーブ導入ついては、小豆島日記vol.290「薪ストーブのある暮らし、どうやって薪を集める?」で書いたので、工事のことや導入コストなどはそちらを読んでいただければ。
10月からほぼ毎日火がついている我が家の薪ストーブ。この日はストーブの上でさつまいもが温められています。
今年の3月、すでに寒さがやわらぎ始めた頃に設置したので、薪ストーブがある冬を迎えるのは今シーズンが初めて。はたして薪ストーブだけで寒さをしのげるのか、今まさに実験中です。
薪ストーブの導入は、単に暖房器具が変わっただけでなく、私たちの暮らしに思った以上の大きな変化をもたらしました。まず、冬場に家族が集まる場所が薪ストーブの前になりました(笑)。とにかく暖かい、そして火の前にいると落ち着くんです。
本を読んだり、お茶を飲んだり、ゴロゴロしたり。人間も猫も薪ストーブの前に集まってきて、それぞれの時間を過ごしている様子はとても愛おしくて、薪ストーブを導入してほんとによかったなぁと思います。
仕事を終えて、夜のほっとひと息。
それともうひとつ、思った以上に薪がいるので、薪仕事をするようになりました。薪ストーブだけで我が家を暖めようとすると、相当な火のパワーがいります。家にいる時間が長いので、1日中、火がついていることも。薪はしっかり乾燥していないといけないので、来シーズンの薪を集めて乾燥させておかなければいけません。
薪仕事ってただのタスクにしてしまったら本当にしんどいだけなので、友人と一緒に楽しみながらやっています。薪でお湯を沸かして、コーヒー淹れたりしながら。私はその時間を「薪活」と呼んでいるのですが、木々に囲まれた自然のなかで、体を動かして、木を切って割って、積んでいく作業はとても心地よいのです。身近にある間伐した木や廃材を、エネルギーに変えているという循環をダイレクトに感じられるのもとてもうれしいこと。
ストーブの煙突と庭に積まれた薪が、我が家の新しい風景。
伐採した木をもらいに島のあちこちに行っています。
ついにイベントの再開も!そしてこれが最後のトピックス、2022年の三村家トピックス3つめ!2022年はイベント出店再開の年でした。
2020年の春からイベントや行事などが、またかまたかと中止になり、人との出会いがすっかり減ってしまった2年間。ただひたすら畑作業、出荷作業に集中する、そんな時期もよかったけれど、やっぱりみんなで集まって音楽やごはんを楽しんだり、新しいものや人との出会いを楽しんだり、そういう時間って大切だなぁとあらためて思いました。
2022年の夏、友人の〈センゲストハウス〉のビアハウスでタコライスイベント。
サンセットを眺めながら、タコライスとビール。これ以上にいい光景はないなぁ。
今年は夏から秋にかけて、いつもより積極的にイベント出店したり、企画したりしてきました。もっとかっこいい店構えを考えたいし、賑わっている風景を生み出せたらおもしろいなと思っています。そうそう、少し先にはなりそうですが、小豆島でファーマーズマーケットを定期的に開催したいと企んでいます。
2022年12月、生姜の収穫を祝うおまつり〈ジンジャーフェス〉を音楽イベントと同時開催。小規模でしたが、とてもいい雰囲気でした。
受験生の娘も久しぶりに出店のお手伝いをしてくれました。
春がきて夏が過ぎて秋が終わり、今年も冬が始まりました。めぐっていく季節のなかで、同じことを繰り返しながらも、ちょっとずつ成長していたり、違うことに挑戦してみたり、同じ1年なんてない。
小豆島で10年暮らしてきたけれど、この島のことを知れば知るほど、飽きることなく、勉強したいこともあるし、ここでやりたいこともまだまだある。そのことをここで書き続けていけたらいいなと思っています。
私たちが暮らす小豆島・肥土山(ひとやま)の冬の風景。ここで春夏秋冬過ごしています。
今年も小豆島日記を読んでくださり、ありがとうございました。2023年もどうぞよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。
information
HOMEMAKERS
住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1
営業時間:土曜のみ 11:00〜17:00(L.O. 16:00)*冬季休業
https://homemakers.jp/
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。https://homemakers.jp/