爽やかな風が吹き抜ける5月の小豆島。カラッと晴れた日は本当に気持ちよく、絶好の畑日和です。
そんな5月上旬に採れ始める野菜があります。それは、ズッキーニ!!一番はじめに収穫できる夏野菜です。
ズッキーニの畑。5月の畑仕事は気持ちがいいです。日によってすでに暑くて汗ばみますが。
うちでよく育てているのは緑の縦縞のズッキーニ。いろいろな品種があって、深緑色や黄色のズッキーニもあります。
最近はスーパーでもよく見かけるズッキーニですが、どうやって食べたらおいしいのか、ちょっと悩みますよね。でもこのズッキーニ、炒めものからお味噌汁まで幅広く使える万能野菜だったりします。
おいしい食べ方を紹介する前に、そもそもズッキーニがどんな野菜なのかをお伝えしたく!
ズッキーニはウリ科の野菜です。カボチャやスイカ、キュウリなどの仲間で、ゴワゴワした緑の葉っぱと黄色い花が特徴。ウリ科は夏が旬で、これからの季節はウリ科の野菜の収穫がどんどん増えていくのですが、〈HOMEMAKERS(ホームメイカーズ)〉ではズッキーニが夏野菜の第1弾として登場します。あー、夏が始まるなーと気づかせてくれる野菜です。
夏の畑ではだいたいこのウリ科の黄色の花が咲いていて、ゴワゴワの大きな緑の葉っぱが広がります。
ちなみにこのウリ科の野菜の黄色い花には、雌花と雄花があって、ぱっと見た感じは同じに見えますが、よーく見ると花の中身も違いますし、雄花の付け根は茎ですが、雌花の下には実が育っていきます。
この雄花の中の花粉を雌花の中の雌しべにつけてあげる(受粉させる)と実がしっかりと大きく育っていきます。ミツバチなど虫が花粉を運んでくれたり、ときには雄花をちぎって人の手で雌花に受粉させることもあります。
雄花と雌花って中学生くらいに理科の授業で勉強したことが、この歳になって生きてくるわけです……。というか、ほとんど忘れているのでもう一回勉強し直していますが。
ズッキーニの雌花の中で花の蜜を集めるミツバチさん。しっかり花粉を運んでおくれ〜。
雌花つきのズッキーニ。花の中にチーズなどを詰め込んで衣をつけて揚げた「花ズッキーニのフリット」なんて料理もあります。
雨が続いたときなど自然に受粉しにくいときは、人の手で受粉させることもあります。
ソテーにグリル、スープ。万能野菜・ズッキーニさて、このズッキーニ、どう食べるのがおいしいか。私が一番好きなのは「ズッキーニと豚バラ肉の梅肉炒め」です。
我が家の定番ズッキーニ料理。ズッキーニと豚バラ肉、卵、梅干しがあればできます。
ズッキーニは火が通りやすくすぐにやわらかくなるのですが、個人的には少し固さが残るくらいの火の通り具合が好きです。火が通り過ぎないように、少し厚めに、1センチくらいの厚さに輪切りまたは半月切りにします。
最初に炒り卵をつくっておきます。豚バラ肉を炒めます。その後、ズッキーニを入れて炒めます。豚の油がズッキーニにからまるように。そこに炒り卵を戻して混ぜて、きざんだ梅肉を追加、塩、醤油などで味を整えて完成です。食べごたえのある少し厚めのズッキーニ、豚バラ肉の旨み、梅の酸味が夏にぴったりの炒めものです。
ズッキーニは油との相性がいいので、そのままソテーしてもおいしいです。
ミニサイズのズッキーニを縦にカットしてフライパンでソテー。
ホームメイカーズカフェのスパイスカレー。輪切りにしたズッキーニのソテーをお米の上にどーん。
切り方はお好みで。厚めの輪切りや縦に切ったりします。油をひいてじっくり焼きます。ちょっと焦げ目がつくくらいまで。塩こしょうだけで十分おいしいです。
真ん中をくり抜いたズッキーニは船(ボート)みたい。このときは玉ねぎをみじん切りして炒めたものの上にパン粉をふりかけてオーブンで焼きました。
大きくなってしまったズッキーニは、真ん中の種の部分をくり抜いて、そこにツナやチーズ、ベーコンなどを詰め込んでオーブンで焼く「ズッキーニボート」も最高!
ズッキーニは汁ものやスープの具にも! ズッキーニと皮をむいたトマトのお吸いもの。
お味噌汁の具として使うこともできます。ズッキーニは比較的たんぱくな味なので、最初にさっと油で炒めてからだし汁を加えてつくるとおいしいです。油揚げと合わせても。
そんなに気張らずに普段の料理に使えるので、我が家の夏の食卓にはほぼ毎日ズッキーニがいます。というのもうちの畑では5月から収穫が始まり、タイミングを少しずつずらして種をまき、栽培しているので9月くらいまでずっと採れ続けます。夏の間は、いろんな食べ方でズッキーニを楽しんでいます。
ズッキーニのピザ。トマトソースともよく合います。
今年も暑い夏が少しずつ近づいてきていますね。夏が旬のズッキーニ、おいしく食べましょ。
information
HOMEMAKERS
住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1
営業時間:土曜のみ 11:00〜17:00(L.O. 16:00)*冬季休業
https://homemakers.jp/
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。https://homemakers.jp/