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下田暮らし6年目で新たな複業!未経験の「宿泊業」に就いた理由

  • 2022年4月7日
  • コロカル

もうひとつ、仕事を始めます

下田に移住してから、さまざまな仕事を並行してきた津留崎鎮生さん。実は今話題である「複業」という働き方です。4月から、そこにもうひとつ「肩書き」が加わるといいます。しかも初めての業界で、初めての業種。どのように考え、なぜこの仕事に就くことを決心したのでしょうか?

あらたな複業は?

この4月で下田に移住して丸5年、つまり6年目に突入しました。そんな4月、自分の「働き方」に大きな変化が訪れています。最近、メインの仕事をいくつも持つ「複業」という働き方を聞くようになりましたが、ここ下田に移住してからは、まさにそんな働き方をしていました。

養蜂場に、工務店や地域の情報発信のライター業など。この地で「自分が必要とされる仕事をしたい」と考えていたら、縁に恵まれてこの働き方になっていました。すでに「いくつ仕事しているの?」と言われることもあるのですが、この4月からさらにひとつ仕事が加わることになりました。市内にある施設〈LivingAnywhere Commons伊豆下田〉(以下、LAC伊豆下田)のマネージャーです。

LivingAnywhere Commons伊豆下田の入口

〈LivingAnywhere Commons〉とは?という人も多いかと思います。「場所に縛られないライフスタイルを実践するコミュニティ」のためのコワーキングスペースつきシェアレジデンス……というコンセプトなどなど詳しくは公式サイトをご覧いただきたいのですが、その仕組みをわかりやすくいうと、「サブスクリプション(定額/月額27500円)で全国32か所の拠点に泊まり放題の宿泊施設。ワークスペースも備えているのでワーケーションで使うも良し、ロングステイで使うも良し。ライフスタイルに合わせて自由な使い方が可能です!」というサービスで、不動産情報サイト『LIFULL HOME’S』で知られる株式会社LIFULLが運営しています。

LAC伊豆下田はそのサービスが始まった2019年に全国で2番目に開設した拠点で、現在、その立地や規模の大きさからLACのなかでも最も利用者の多い拠点とのこと。

これまでと随分、方向性が違う仕事です。実は、自分でも少なからずびっくりしているのですが、今回はその経緯について紹介します。

LivingAnywhere Commons伊豆下田の外観

造船会社の寮をリノベーションしたLAC伊豆下田。港からはすぐ近く。伊豆急下田駅や道の駅〈開国下田みなと〉、そして飲食店が多くあるエリアにも近い立地です。

これまでの働き方とこれからの働き方

まず、これまでどんな働き方をしてきたかを振り返ります。移住前の東京時代は職を転々としていました。おそらく、そこらの“転々自慢”の人には負けないくらいに、です。(そんなの勝ってもしょうがないですが)

ざっというと、新卒で入社した建築設計事務所に始まり、バーテンダーや飲食店厨房、建築現場の職人、自営業での飲食店経営、インテリアショップ、リノベーション会社数社の営業から設計、施工管理まで、いろいろとやってきました。数か月でやめた仕事もあれば、6年半勤めた会社では10人ほどの部署で管理職をしていたこともあります。

落ち着きがないヤツだと思われるかもしれませんが、基本的には、そのときそのときの自分が求める「仕事を通じて成し遂げたいこと」や「スキル」だったり、もちろん仕事ですので「収入」を考えた結果、結構まじめに(?)転々としていました。

そして、2017年にこの下田に移住してきてからは、養蜂場〈高橋養蜂〉での農園管理の仕事、工務店や地域の情報発信のライター業などいくつかの仕事をするようになったのです。

〈高橋養蜂〉の農園

養蜂場ではミツバチが安心して飛び回れる環境をつくるため、耕作放棄地だった農園を開拓しています。

ただ昨年は、手に入れた自宅古民家をセルフリノベーションするということもあって、かなり仕事の量を減らしました。そんなリノベーションも昨年末にはひと段落。時間をとられることもなくなってきました。さらには、娘も大きくなって手間がかからなくなり。(というか、構ってくれなくなったと言うべきか)

津留崎さんの奥さん娘さんが窓際スペースで味噌作り

わが家のこの時期の恒例行事、味噌づくり。移住してきた頃は保育園に通っていた娘はこの春、小学5年生に。

そんな状況もあって、これから先の教育でかかるお金のこともあるし、もう少し仕事を増やさなければ……、そんなことを考え始めた頃でした。お世話になっている知人から〈LivingAnywhere Commons伊豆下田〉のマネージャーをやってみないか? とお声がかかったのです。

LAC伊豆下田のマネージャーとは、どんな仕事なのか?

ありがたすぎるタイミングともいえます。でも、宿泊施設のマネージャー?しかも、ただの宿泊施設ではなさそうです。さらには、いくつかの複業のなかでも、特に高橋養蜂で取り組む「ミツバチの楽園」をつくるという目標は、自分にとっても成し遂げたい夢でもあります。

それを考えると、専業でなければできないような仕事ならば難しい。そこを先方に確認すると、「平日、午前中に高橋養蜂に行く」という今の働き方はそのままで、それ以外の時間で可能な業務量に調整できる、とのこと。

だったらば、やれるか? とは思ったものの、これまで転々とした職のなかで宿泊施設の運営に携わったことはありませんし、最近、耳にするようになった「ワーケーション」にも馴染みがありません。つまり、まったくの専門外です。

LAC伊豆下田のレジデンススペース

これまでのLAC伊豆下田は、コミュニティづくりを中心に担う現地スタッフの「コミュニティマネージャー」が運営にあたり、全国の拠点を管理する本部スタッフが施設全体の「マネージャー」という体制でした。この春、施設のブラッシュアップをはかるにあたって、LAC伊豆下田ではマネージャーにも現地のスタッフを配する話となり、その役にお誘いいただいたのです。

場所に縛られないライフスタイルを実践するためにつくられたコミュニティ?サブスクリプション宿泊施設? ワーケーション?そして……施設のマネージメント?自分に向いているのか? 自分に務まるのか?正直、ずいぶん悩みました。でも、悩めば悩むほど、「あれ? この仕事、実は自分に向いているのでは!?」そう思えてきました。(基本、ポジティブシンキングなのです!)

コミュニティスペースの壁にかかった犬型の時計

LivingAnywhere Commonsが大切にすること

まず、LACはそのコンセプトからして、いわゆる宿泊施設とは一線を画します。LACが大切にしているのは何よりも「コミュニティ」。あくまで「コミュニティマネージャー」がメインになりますが、「マネージャー」ももちろん、そのコミュニティづくりを担います。

黒板に書かれた様々なメッセージ

先に書いた職歴で、「自営業での飲食店経営」とありますが、いわゆる「場末のバー」を経営していました。音楽好きや映画好き、バイク乗りが集うようなごちゃごちゃとした店で、定期的にイベントなどもやっていたその店の売りは、それこそ何よりも「コミュニティ」。

津留崎さんが経営していたバーの営業風景

経営していた店の様子です。店名はTOM WAITSのアルバムタイトルから拝借した〈RAINDOGS〉。27歳に開業し、4年ほど営業。若さゆえの勢いだけの店でしたが、よき経験、思い出です。閉店して15年以上経った今でも、常連さんたちからはちょくちょく連絡が来ます。

また、リノベーション会社で10人ほどの部署の管理職の経験あり、とも書きましたが、管理職として最も大切にしていたのは、スタッフがいかに楽しく生き生きと仕事をできるか? という空気づくり。声をかけていただいたLAC伊豆下田のマネージャーという仕事でのコミュニティづくりにも生かすことができるのでは? と感じています。

さらにLACでは、そのコミュニティが施設内だけで完結するのではなく地域の人と関わりを持つことも重視しています。コミュニティのメンバーがそれぞれの地域と関わりを持ち、メンバーにも地域にもWIN-WINとなるような関係をつくり出すことこそが、各地にLACの拠点がある意味なのです。

地元企業の課題解決のためのワークショップ

LAC伊豆下田のユーザーが参加する、地元企業の課題解決のためのワークショップも開催されました。地域にいると見えなくなる課題が浮き彫りになることもあるとのことです。(写真提供:土屋尊司)

つまりLACのメンバーという、ある意味地域にとっての「ヨソモノ」と地域の人をつなげることが大きな役割といえます。移住して丸5年が経ち、地域の人とのつながりもそれなりにできてきました。

農道の整備の様子

お借りしている田んぼの周辺で米づくりをしている人たちが集まって農道の整備を。何でも税金でまかなう都会とは違い、こうした住民たちの地道な活動があって地域が保たれているのだ、と移住して知りました。地域の人とのつながりをつくっていくには、こうした活動に参加していくのも大切だと感じます。

とはいっても、もちろんまだまだ「ヨソモノ」ですし、下田のような移住者の多い地域では、移住者同志のつながりというのもあります。この連載や、地域の情報発信のライター業などもやっていることもあり、地域で精力的に活動する方にお会いすることも多いです。そんな自分ならではの、「ヨソモノ」と地域の人とのつなげ方ができるのではないか? そうも感じています。

下田市が推進するワーケーション。その魅力は?

また、LAC伊豆下田は、ワークスペースやミーティングルームを備えており、ワーケーションに対応した施設です。最近、特にコロナ禍になってから一般的になってきた「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた「ワーケーション」という言葉。実は、観光地のあり方を模索する下田市では、コロナ禍以前よりワーケーションを推進する動きがありました。

そんななかで、2019年に下田市とLAC伊豆下田を運営する株式会社LIFULLとは、「地域活性化連携協定」を結んでいます。とはいっても、個人的にはそうした行政のワーケーションの取り組みとは無関係でしたし、ワーケーション自体もどんなものなのか、ピンと来ていません。

でも、よく考えてみると、下田で暮らし、働くこと自体が「ワーケーション」みたいなものでは? と感じるようになりました。仕事のある日だって、ビーチや海の見えるスポットでランチをすることは日常です。また、仕事した後にビーチを散歩したり、夏には海に入ったり。自分はやっていませんが、仕事の前後に釣りをしたり、サーフィンをしたり、なんて人もそこらにいます。

下田のビーチでランチ

仕事の合間、妻が友人たちとビーチでランチをしているというので一緒に食事を。仕事に戻るのが辛い! という難点がありますが、最高のリフレッシュタイムです。

まさに、ここでの暮らしが「ワーケーション」そのもの、なのです。「下田でのワーケーションの魅力」は身をもって感じています。

下田の海でのシーカヤックの様子

午前仕事、午後海! そんなこともこの地であれば可能です。

LivingAnywhere Commons伊豆下田でお待ちしてます!

というさまざまな要素をよくよく考えていくと、これはまさに「自分に合ってる」仕事なのでは? そんな風に思えてきたのです。(今回、これまでの転々としてきた働き方を振り返ってみて、あらためて「人生、(意外と)無駄なことはないのだ!」と感じます)

結果として、この4月からLAC伊豆下田のマネージャーをお受けすることにしました。

LAC伊豆下田のレジデンススペース

人生で初めての宿泊施設での仕事が始まります。漠然と「いつかはゲストハウス……」と思っていたので、いい経験になりそうです。

キッズルーム

ミーティングルームの隣にあるキッズルーム。子連れワーケーションにも対応可能です。こうしたスペースを生かして地元の人向けのイベントなども企画していきたいです。

未経験の業界で、いきなりの責任者ということで、不安がないわけではありません。でも、せっかくやるのですから、LAC伊豆下田を訪れた人にこの地を楽しんでもらいたいですし、地域の人々にも愛される施設にしていきたいです。そして、地域としても力を注ぐワーケーションの魅力を広めていきたい、ワーケーションでこの地を盛り上げていきたい、とも思っています。

あらたな「復業」のはじまりです。引き続き、平日午前中は高橋養蜂で、ミツバチが安心して飛び回れる環境づくりのために泥んこになりながら作業をします。そして、午後はLAC伊豆下田で、ユーザーさんのために施設がどうあるべきか? 地域のために施設がどうあるべきか? 「ヨソモノ」であるユーザーさんと地域の人とのより良い関わり方とは? そんなことを考えて行動していこうと思っています。

港に面して立つLivingAnywhere Commons伊豆下田

月額27500円で泊まり放題の定額利用だけでなく、一泊ごとの都度払いや回数券での宿泊もできるので、短期の観光のみの人にもご利用いただけますし、お試し移住のような使い方もできそう! そんな提案もしていきたいです。

ということで、LivingAnywhere Commons伊豆下田で、みなさまのお越しをお待ちしています!(この記事を見て来たという方、ひと言お伝えください! 特別なサービスはできないかもしれませんが、地域の魅力や下田での過ごし方など、リアルにお伝えさせていただきます〜)

information

LivingAnywhere Commons 伊豆下田

住所:静岡県下田市武ガ浜3-3

Tel:050-5362-8185

Mail:連絡先メールアドレス

チェックイン:15:00〜

問い合わせ受付時間:10:00〜18:00

定休日:なし

Web:LivingAnywhere Commons 伊豆下田

文 津留崎鎮生

text & photograph

Shizuo Tsurusaki

津留崎鎮生

つるさき・しずお●1974年東京生まれ東京育ち。大学で建築を学ぶ。その後、建築家の弟子、自営業でのカフェバー経営、リノベーション業界で数社と職を転々としながらも、地方に住む人々の暮らしに触れるにつれ「移住しなければ!」と思うように。移住先探しの旅を経て2017年4月に伊豆下田に移住。この地で見つけたいくつかの仕事をしつつ、家や庭をいじりながら暮らしてます。Facebook Instagram

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