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伝統文化と森林を循環させるサステナブルな〈森をつくる太鼓〉

  • 2022年3月31日
  • コロカル
間伐材と伝統技術から誕生

文久元年に創業し、祭りや芸能で使われる楽器や道具をつくり続けて160年。宮内庁をはじめ、歌舞伎座、国立劇場、国立能楽堂など錚々たるところを相手にしてきた〈宮本卯之助商店〉。森林課題と向き合い、東京・檜原村で持続可能な森林経営に取り組む〈東京チェンソーズ〉。

今春、両者が手を組み、伝統工芸技術と間伐材を掛け合わせたサステナブルな〈森をつくる太鼓〉が誕生しました。これは、江戸東京の伝統に根差した技術や産品などを新しい視点から磨き上げ、世界へ発信していく〈江戸東京きらりプロジェクト〉の一環として生み出されたもの。この太鼓の認知を広げることで、檜原村の木材の価値向上や産業の効率化、多様性のある森づくりへの貢献を目指したいといいます。

プロジェクトをまとめたコンセプトムービー。壮大な森にて木を切り出すところから職人が木材を丁寧に加工し、太鼓ができるまでが美しくまとめられています。各代表のそれぞれが思いを語るシーンも必見。

何度も修理を行うことで長く使用され、それに伴い職人の技術も継承されてきた祭に関わる楽器や道具。しかし現代の消費サイクルの短縮により、以前よりその技術・文化を守り育てることが難しくなっています。

一方、東京は総面積の4割が森林ですが、木材価格の下落に伴い、近年では林業従事者も10分の1ほどに減少。戦後植林された樹齢60年ほどの人工林が各所に育っていますが、充分に生かされておらず、このままだと森の生態系のバランスが崩れ、山崩れといった災害などの原因にもなりかねません。

そこで宮本卯之助商店は、東京チェンソーズが手がける間伐材を用い、伝統技術の継承と森林課題の解決、両方の新たなかたちを探るべく本プロジェクトを敢行。

跳拍子太鼓  浮造りグレイ 203500円

跳拍子太鼓 浮造りグレイ 203500円。

地拍子太鼓  浮造りグレイ 217800円

地拍子太鼓 浮造りグレイ 217800円。

そうして完成したのがこの桶太鼓です。間伐材は太鼓づくりで使用する木材に比べ密度や硬さは劣りますが、職人の手によって美しく力強い打音を響かせる太鼓に仕上がりました。さらに、通常は入れない板目材も入れ、浮造り仕上げを施すことで味わい深い見た目です。

また、一部はFSC(森林管理協議会)認証の太鼓として販売されています。FSC認証とは、適切に管理された森林の資材を使った製品を、目に見える形で消費者に届け、より経済的利益を生産者に還元するという仕組みの証明です。宮本卯之助商店は今後、各地のFSC認証材を用いたプロダクトづくりにも取り組みたいといいます。

宮本卯之助商店代表・宮本芳彦さん

宮本卯之助商店代表・宮本芳彦さん

「自然への感謝や畏れを表す祭と芸能の道具をつくっているのに、環境への積極的な貢献ができていないことに漠然と違和感がありました。土地とのつながりや循環よりも、短期的に値段の折り合う材や手間が選ぶ消費社会では、良いモノを長く使う日本の良さも生かされにくいとも感じていました。コストダウンに外材や海外生産という選択肢ではなく、伝統に固執するのでもない、第3の選択肢はないかと考えていた時に東京チェンソーズに出会いました。このプロジェクトでは、東京の技と材を生かすことで、アートと環境を豊かにするという選択肢を提供したいです。大都市東京からこそ、発信する意義があるプロジェクトだと思っています」(宮本卯之助商店代表・宮本芳彦さん)

東京チェンソーズ代表・青木亮輔さん

東京チェンソーズ代表・青木亮輔さん。

「戦後植林された森林が有史以来最大の蓄積量を誇る日本ですが、まだまだ国産材の利用は十分に進まず、手入れ不足の森林解消には至っていません。その大きな課題のひとつが、そのような状況が一般には認知されていないことだと考えています。人の暮らしと持続可能な資源である木材利用をつなぐこのプロジェクトを、発信力のある東京発の取り組みとして行う意義は大きいと考えています。今回の取り組みをキッカケに、暮らしに根づいた地域材活用の新しい可能性を切り拓き、今後、日本全国で国産材利用のあり方がますます多様化していくことを願っています」(東京チェンソーズ代表・青木亮輔さん)

購入は宮本卯之助商店のオンラインショップをはじめ、宮本卯之助商店西浅草店で可能です。

information

株式会社東京チェンソーズ

Web:東京チェンソーズ

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株式会社 宮本卯之助商店

Web:宮本卯之助商店オンラインショップ

*価格はすべて税込です。

writer profile

Kanae Yamada

山田佳苗

やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。

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