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少量多品目栽培って? いろんな種類の野菜を育てる小さな農家は儲かるの?

  • 2021年7月12日
  • コロカル
小豆島の夏野菜、収穫中!

7月上旬、まだ本格的な暑さの夏がやってくる前ですが、畑では夏野菜が旬を迎えています。7月第2週だと〈HOMEMAKERS〉ではこんな野菜が収穫できます。

・トマト 5種

・ピーマン 3種

・ナス 5種

・キュウリ

・トウモロコシ

・空芯菜

・トレビス(赤チコリ)

・ズッキーニ 3種

・コリンキー

・レタス 2種

・ケール 2種

・ルッコラ

・赤紫水菜

・赤リアスからし菜

・紫小松菜

・インゲン

・ラディッシュ 2種

ざっと、17品くらい。これに春に収穫して保管してあるじゃがいも、玉ねぎを合わせると20品ほどの野菜を出荷できる状態です。トマトやナスなど細かい品種に分ければ、30種類以上に。毎日毎日たくさんの種類の野菜を見ています。そしてもちろん食べてます。

ある日のまかないごはん。ケール、トマト、赤リアスからし菜、バジル、ナス、コリンキー、じゃがいも、ズッキーニ、玉ねぎ、オクラなどなど野菜を盛りだくさん食べてます。

ある日のまかないごはん。ケール、トマト、赤リアスからし菜、バジル、ナス、コリンキー、じゃがいも、ズッキーニ、玉ねぎ、オクラなどなど野菜を盛りだくさん食べてます。

〈HOMEMAKERS〉の基本の旬野菜セットは9品ほどの旬の野菜を組み合わせています。

〈HOMEMAKERS〉の基本の旬野菜セット(2660円)は9品ほどの旬の野菜を組み合わせています。

私たちはいわゆる「少量多品目栽培」の農家です。言い換えると、たくさんの種類の野菜を少しずつ栽培している農家です。

具体的な数が定義されてるわけではないので、ほかの農家さんと比べて多いか少ないかということですが、だいたい年間60種類以上の野菜を育てていたら多いほうじゃないかなと思います。栽培量としては、市場などに卸せるくらいの量になってくると多いんじゃないかと思います。

日本全国の農家の中でうちがどれくらいかなと客観的に考えてみると、たぶん「超少量多品目栽培」くらいだと思います。うちは農家の規模としてはとてもとても小さくて(栽培面積が小さくて栽培量も少なくて)、そのわりにいろいろな野菜を栽培している。分類したら、家庭菜園に近いほうだと思います。

ま、そもそも北海道や九州の農家さんと比べたら、平地がほとんどない「島」という場所で農業をしているんだから、規模が全然違います。農家と名乗っていいのかな? と、ときどきふと考えたりします(笑)。

5月上旬、植えたばかりのナス、ピーマンの苗たち。

5月上旬、植えたばかりのナス、ピーマンの苗たち。

7月上旬、収穫が始まったナス、ピーマン。畑の景色は日々変わってます。

7月上旬、収穫が始まったナス、ピーマン。畑の景色は日々変わってます。

定番の真黒ナス。このほかに、長ナス、越前水ナス、緑ナス、紫宝ナスなど色や形、食感の違う5種類のナスを育てています。

定番の真黒ナス。このほかに、長ナス、越前水ナス、緑ナス、紫宝ナスなど色や形、食感の違う5種類のナスを育てています。

いろんな種類の野菜を育てる

もともと自分たちが食べる野菜を育てたい! という思いからスタートしているので、いろんな種類の野菜を育てることは私たちにとってはいたって自然なこと。ナスもトマトもキュウリもトウモロコシも、食べたいと思うものをつくっています。

ただ私たちがしているのは家庭菜園ではなく、生業としての「農業」なので、売りやすい野菜、価値が高い野菜、そんなことも意識しながら、栽培する野菜の種類や量を調整しています。

トウモロコシは少しずつタイミングをずらして5回栽培。ずらして栽培することで6月中旬から7月下旬にかけて順次収穫が続きます。

トウモロコシは少しずつタイミングをずらして5回栽培。ずらして栽培することで6月中旬から7月下旬にかけて順次収穫が続きます。

1株にふたつくらい実をつけますが、摘果してひとつを大きく育てます。

1株にふたつくらい実をつけますが、摘果してひとつを大きく育てます。

摘果した大きくなる前のヤングコーン。柔らかいので芯まで丸ごと食べられます。季節限定の楽しみ! 人気の野菜のひとつです。

摘果した大きくなる前のヤングコーン。柔らかいので芯まで丸ごと食べられます。季節限定の楽しみ! 人気の野菜のひとつです。

いろんな種類の野菜を育てるというのは、思っている以上に大変です。その理由。

1 年中休みがない。それなりに忙しい時期と忙しくない時期の波はありますが、それでもやっぱり一年中何かしらの野菜が畑にあるということは、常に種まき作業だったり、メンテナンスだったり、収穫、発送作業など仕事があります。

2 野菜によって異なる肥料や資材が必要なので、費用がかかる。長さが異なる支柱だったり、幅や色が違うマルチシートだったり、かなりいろいろな種類のものが必要です。それを保管しておく場所も必要。

3 綿密な栽培計画が必要。限られた畑の中で次から次へと野菜を育てていくために、スケジュールを組みたてる必要があります。大根が終わったら次はここでレタスの苗を植える。とか、時間軸のあるパズルゲームみたいな感じで、年中この組み立てをしています。苗はもう育ってしまっているのに、植えるとことがない! なんてことがときどきあったりします。

どんどん大きくなっていくオクラの苗。畑に植えるタイミングを逃さないようにとよく焦ってます。

どんどん大きくなっていくオクラの苗。畑に植えるタイミングを逃さないようにとよく焦ってます。

ポットに種をまいて苗を育てて定植。同時に苗を植えられるように畑では畝の準備。ここまで手間をかけたのに、今年オクラはアブラムシが大量発生してしまいました(涙)。

ポットに種をまいて苗を育てて定植。同時に苗を植えられるように畑では畝の準備。ここまで手間をかけたのに、今年オクラはアブラムシが大量発生してしまいました(涙)。

小さな農家、私たちのスタイル

おいしい野菜を無事に育てられた! で終わりではなくて、その先には同じくらい大変な、野菜を売るという仕事があります。

少量多品目栽培の農家の場合、多くが個人のお客さんやお店と直接やりとして販売しています。オンラインストアやSNSを常時運用する、お客さんと直接メールなどでやりとりする、発送管理をする、こういう仕事は表に見えにくいのでボリューム感をつかみにくいのですが、かなり時間がかかります。

ちなみに、野菜を育てるのは主にたくちゃん(夫)の担当。3人のスタッフが週3日、一緒に作業をしています。野菜を売るのは主に嫁である私の担当。4〜6人のボランティアスタッフが週に1日程度、野菜の出荷作業を手伝いに来てくれています。チームで日々なんとか作業を進めています。

5月末、キュウリの苗を約100株植えました。

5月末、キュウリの苗を約100株植えました。

6月中旬からキュウリ祭りが続いています。キュウリがこんなにも豊作なのは今年が初めて。

6月中旬からキュウリ祭りが続いています。キュウリがこんなにも豊作なのは今年が初めて。

「いろんな種類の野菜を育てる小さな農家は儲かるの?」の結論としては、いまのところの私たちの考えとしては「儲からない」(汗)。

儲からないというのは、大きな利益が出ないということです。赤字(利益がマイナス)というわけではありません。休みも寝る時間も削って、毎日朝早くから夜遅くまで働けばもっと儲かるのかもしれませんが、そういうのは違うなと思っているので、そんなにがむしゃらには働いていません。

自然の中で畑仕事がしたい! 野菜にいつも触れていたい! 新鮮でおいしいいろんな種類の野菜を食べたい! 同じような考え方の仲間と共に働きたい! 利益がたくさん出なくても、そんな生き方がしたいからそれがいい。お金だけじゃない部分までみて、いまの私たちはいまのスタイルでなんとかやっていきたいなと思っています。

もちろん改善できる点はどんどん直していって、少しでもいいお給料をみんなに渡せたらいいなと思ってますし、野菜の価格もお手頃な価格にしたいなと思っています。

初収穫のときはいつもうれしい。日々、土づくり、種まき、苗植え、手入れ、収穫、片づけ、その繰り返し。

初収穫のときはいつもうれしい。日々、土づくり、種まき、苗植え、手入れ、収穫、片づけ、その繰り返し。

農家は大変です。でも楽しいです。今日も明日も野菜とともに。

information

HOMEMAKERS 

住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1

営業時間:土曜のみ 11:00〜17:00(L.O. 16:00)

https://homemakers.jp/

writer profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。https://homemakers.jp/

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