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廃棄されていた 「仙台七夕まつり」の飾りをリサイクル 〈TANABATA PAPER〉が誕生!2021年へつなぐために、クラウドファンディングも実施中

  • 2020年7月18日
  • コロカル
毎年廃棄されていた七夕飾りを再利用

例年8月6日〜8日、色鮮やかなぼんぼりのついた吹き流し飾りで彩られる宮城県・仙台市。新型コロナウイルス感染症対策のため、2020年の「仙台七夕まつり」は中止になってしまいましたが、2019年の七夕まつりで実際に使用された七夕飾りをリサイクルした〈TANABATA PAPER〉が〈東北スタンダードマーケット〉から誕生しました!

毎年新作がつくられる七夕飾りは、ぼんぼりや吹き流しをつなぎ合わせるために針金等を使用しており、原料の分別に手間がかかることからリサイクルされず、祭りが終わると廃棄されていました。

七夕飾りのぼんぼりに使用した花紙。これまでは産業廃棄物としてお金をかけて廃棄されていました。(撮影:張田亜美)

七夕飾りのぼんぼりに使用した花紙。これまでは産業廃棄物としてお金をかけて廃棄されていました。(撮影:張田亜美)

「七夕飾りをなんとか再利用したい」と考えていたのが、明治時代から紙問屋を営む〈鳴海屋紙商事株式会社〉。品質の高い「本物の和紙」を使い、仙台市内のさまざまな企業から七夕飾り製作の依頼を受ける老舗です。

今では仙台七夕の象徴として飾られる、〈鶴の吹き流し〉を解体し、〈仙臺七夕祈織〉へと再生させる活動は行っているものの、手掛けたすべての七夕飾りを回収し、糸や針金等の部材を手作業で取り外すには膨大な時間がかかります。

2011年の東日本大震災以来、仙台市の児童生徒約8万8千人が、復興支援への感謝や将来の夢などを祈りながら折る折り鶴を繋いだ〈鶴の吹き流し〉(写真は2019年)。

2011年の東日本大震災以来、仙台市の児童生徒約8万8千人が、復興支援への感謝や将来の夢などを祈りながら折る折り鶴を繋いだ〈鶴の吹き流し〉(写真は2019年)。

〈NOZOMI PAPER Factory〉との出会い

そんな想いを抱えた〈鳴海屋紙商事株式会社〉に、〈東北スタンダードマーケット〉が引き合わせたのが、〈NOZOMI PAPER Factory〉。

「福祉とあそぶ」をテーマに活動するデザインユニット〈HUMORABO(ユーモラボ)〉により企画されたプロジェクトで、南三陸にある生活介護事業所〈洗心会のぞみ福祉作業所〉の利用者たちが、図案の製作から、紙の原料となる牛乳パックの解体、紙漉き、印刷、梱包作業まで一貫して行い、ふかふかの手触りの〈NOZOMI PAPER®〉を生み出しています。

〈NOZOMI PAPER®〉の人気商品。文字を描いたのも、のぞみ福祉作業所の障害のあるアーティストたちです。(撮影:張田亜美)

〈NOZOMI PAPER®〉の人気商品。文字を描いたのも、のぞみ福祉作業所の障害のあるアーティストたちです。(撮影:張田亜美)

紙漉きできるようにするために、牛乳パックからパルプだけをとり出す「手間のかかる作業」に、時間をかけることができるのが彼らの強み。七夕飾りから和紙と針金を分別する手作業も、ここでは仕事にすることができます。〈NOZOMI PAPER®〉についての詳細は、以前取材したこちらの記事をご覧ください。

ひとつひとつの花紙から手で針金を取り外す様子。(撮影:張田亜美)

ひとつひとつの花紙から手で針金を取り外す様子。(撮影:張田亜美)

〈TANABATA PAPER〉誕生!

〈TANABATA PAPER〉づくりが始まったのは、2019年。仙台七夕まつりの直後、まちを彩った七夕飾りが〈鳴海屋紙商事株式会社〉から〈のぞみ福祉作業所〉へ譲られました。

約2ヶ月かけて、花紙から針金を外し、色ごとに分別。全部で11色の原料が出来上がります。(撮影:張田亜美)

約2か月かけて、花紙から針金を外し、色ごとに分別。全部で11色の原料ができあがります。(撮影:張田亜美)

これまでは白い牛乳パックや灰色の地元の新聞を原料としていた〈NOZOMI PAPER®〉でしたが、七夕飾りが加わると作業場もとてもカラフルに。

リサイクルできる原料として、以前より宮城や仙台らしい素材を探していた〈HUMORABO〉の前川雄一さんも、「メンバーも華やいでいるし、景色も明るくなった。何より、〈NOZOMI PAPER®〉を、身近な宮城県内の人たちにももっと知ってもらいたいと考えていたので、七夕に関われるのはうれしい」と話します。

色分けをしてからは、通常のNOZOMI PAPER®をつくる作業工程と同じ。紙には長い繊維が入っているため、手作業でちぎり、ミキサーにかけてさらに粉砕した後に、紙漉きの作業へ入ります。(撮影:張田亜美)

色分けをしてからは、通常のNOZOMI PAPER®をつくる作業工程と同じ。紙には長い繊維が入っているため、手作業でちぎり、ミキサーにかけてさらに粉砕した後に、紙漉きの作業へ入ります。(撮影:張田亜美)

こうして、たくさんの手を介して、完成したカラフルな〈TANABATA PAPER〉。手にとると、つくり手の顔やまつりの様子が浮かんでくる……。不安な毎日の中で、気持ちをおだやかにしてくれる商品です。

漉き上げられたばかりの〈TANABATA PAPER〉。(撮影:張田亜美)

漉き上げられたばかりの〈TANABATA PAPER〉。(撮影:張田亜美)

未来へつなげるために

2020年の仙台七夕まつりでは、〈TANABATA PAPER〉を利用した七夕飾りも市内でお披露目される予定でしたが、まつりの中止に伴い、その機会は失われてしまいました。

祈りの場でもある仙台七夕まつり。「今こそ、新型コロナウイルス感染症収束の願いを込める『場』があるべき」と考えた東北スタンダードマーケットでは、「見る七夕から、触って・感じる七夕へ」という思いのもと、〈TANABATA PAPER〉の短冊や、短冊を吊るした風鈴を作成。2020年8月7日(金)の夜、仙台市内に飾り、その様子がYouTubeとインスタライブで配信されます。

【メイン配信】東北スタンダードマーケット Youtubehttps://www.youtube.com/channel/UCShO61Rb5fq1OQFLDtUpUOg【同時配信】東北スタンダードマーケット Instagramhttps://www.instagram.com/tohoku_standard_market/

〈NOZOMI ART 短冊〉。〈NOZOMI PAPER Factory〉のアーティスト華奈さんによる「幸運の七つ飾り」のアートワークがプリントされています。

〈NOZOMI ART 短冊〉。〈NOZOMI PAPER Factory〉のアーティスト華奈さんによる「幸運の七つ飾り」のアートワークがプリントされています。

さらに、〈TANABATA PAPER〉を2021年以降も続けるために、クラウドファンディングを実施中。リターンとなるのは、8月7日の夜、仙台の七夕に願いを込めて飾られた短冊や風鈴に加え、〈鳴海屋紙商事株式会社〉による本物の七夕飾りや、〈NOZOMI PAPER Factory〉のアーティストが仙台ならではのモチーフを描いたポスターなどさまざまです。

〈NOZOMI PAPER Factory〉の美和子さんが描いた七夕飾り。短冊にするには厚すぎた紙を再利用してポスターサイズの紙を漉き、一枚一枚に美和子さんがペン1本で書き下ろした作品です。

〈NOZOMI PAPER Factory〉の美和子さんが描いた七夕飾り。短冊にするには厚すぎた紙を再利用してポスターサイズの紙を漉き、一枚一枚に美和子さんがペン1本で書き下ろした作品です。

東北スタンダードマーケットの商品パッケージも手がける〈NOZOMI PAPER Factory〉の博行さんが、あなたの願いごとを直筆で短冊に書いて届けてくれるリターンもあります。

東北スタンダードマーケットの商品パッケージも手がける〈NOZOMI PAPER Factory〉の博行さんが、あなたの願いごとを直筆で短冊に書いて届けてくれるリターンもあります。

支援された資金は、「TANABATA PAPER 製造費」、「20201年のTANABATA PAPER プロジェクト活動費」、「仙台七夕まつり運営団体への寄付」に充てられます。

未来へつなぐために—。8月7日、一緒に願いを込めてみませんか?

〈NOZOMI PAPER Factory〉の博行さん(撮影:張田亜美)

〈NOZOMI PAPER Factory〉の博行さん(撮影:張田亜美)

information

TANABATA PAPER

8月7日、「仙台七夕」のオンライン配信へのアクセスはこちらから

【メイン配信】東北スタンダードマーケット Youtube

https://www.youtube.com/channel/UCShO61Rb5fq1OQFLDtUpUOg

【同時配信】東北スタンダードマーケット Instagram

https://www.instagram.com/tohoku_standard_market/

クラウドファンディングへの参加はこちらから

https://camp-fire.jp/projects/290798/preview?token=brsk53va

writer profile

Haruna Sato

佐藤春菜

さとう・はるな●北海道出身。国内外の旅行ガイドブックを編集する都内出版社での勤務を経て、2017年より夫の仕事で拠点を東北に移し、フリーランスに。編集・執筆・アテンドなどを行なう。暮らしを豊かにしてくれる、旅やものづくりについて勉強の日々です。

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