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琵琶湖を望むツリーハウス!コーヒーとキャンプを愛する暮らし

  • 2020年7月11日
  • コロカル
外から内へ、また外へ。境界があいまいな家

滋賀県にある琵琶湖の西側は、目前まで山が迫っている。湖岸から少し山へ登っていくだけで、広大な琵琶湖を望むことができる。その山のなかのひとつ、蓬莱山(ほうらいさん)のふもとに移住し、家を建てたのが淡田さんファミリーだ。少し離れたところからでも、「あの家だ!」とわかるのは、庭にツリーハウスが建てられているから。ツリーハウスにお邪魔すると、真っ正面に日本一広い琵琶湖。見晴しがよくて、とにかく気持ちが良い。

ツリーハウスは庭で存在感を発揮する。

ツリーハウスは庭で存在感を発揮する。

こんな心躍らせるツリーハウスを建ててしまう淡田洋平さんは、2016年、滋賀県大津市に移住した。外装の壁は木に覆われていて、中に入っても全体的に無垢の木でつくられている。まず目に入ってくるのは、“通し土間”と吹き抜けの天井まで設えられた本棚だ。

「京都などの長屋が好きで、裏庭から表庭まで通じる通し土間にしたいと思って。それに本棚と薪ストーブを中心に家のデザインを考えました。薪ストーブと本棚のおかげで、必然的に吹き抜けになりましたね」と話す淡田さん。

吹き抜けの2階から。

吹き抜けの2階から。

フリーランスで主に自動車のCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)デザイナーとして働く淡田さんの仕事場となるデスクは土間にある。上部の吊り棚やデスク周りには、木の内装とは対照的なカメラやヘッドフォン、ドローンなどのガジェットがずらり。イームズのシェルチェアに座り、ここだけ見ると都心のコワーキングオフィスのようだ。

ワークスペースは男っぽい一画。

ワークスペースは男っぽい一画。

本棚にはデザインやインテリア、カルチャー系の雑誌に加えてアウトドアグッズが整然とディスプレイされている。テントやシューズ、バーナー、コッヘルなど、淡田さんに選ばれた“1軍”だ。収納ではなく、飾る。好きなものに囲まれた生活。

淡田さんは、子どもの頃はボーイスカウトに参加していて、当時は兄や友人とキャンプなどによく出かけていた。しばらくアウトドア遊びからは離れていたが、東日本大震災をきっかけに、アウトドアグッズの機能性などに注目。家族ができて再びキャンプに出かけるようになった。

好きなアウトドアギアなどを中心に。

好きなアウトドアギアなどを中心に。

ほかにも、家中にある多肉植物は飯ごうをアレンジしたポットに入れられていたり、〈ノースフェイス〉のアウトドアチェアを家の中で仕事の打ち合わせとして使用したり。アウトドアアイテムを屋内の暮らしにもうまく取り入れ、屋内か屋外かわからないような、両方がシームレスにつながっているようなライフスタイル。通し土間という構造がそれを象徴している。

裏庭の玄関から表庭までの通し土間。

裏庭の玄関から表庭までの通し土間。

ウッドデッキには、逆に屋内用の〈カリモク〉のソファが置いてある。ずっと外に置きっぱなしというが、風雨にさらされて、かえっていい味になっていた。

ウッドデッキでは簡単な食事や仕事も。

ウッドデッキでは簡単な食事や仕事も。

家はライフスタイルに合わせて変えていくもの

「BESSの家は自分たちのライフスタイルに合わせて変えていくことができますよね。うちも、吊り棚や土間の机はあとから設置してもらったものだし、ウッドデッキにかかっている屋根もフクロウの小屋もつけ足したもの。“新築で完成”ではなく、むしろ新築がスタートなんです」(洋平さん)

その最たるものがやはりツリーハウス。1本の木で支えているのが特徴的なつくりで、そこまで広くはないが、大人2、3人なら同時に登れる。

1本ヒノキの上という特徴的なデザイン。

1本ヒノキの上という特徴的なデザイン。

「学生時代に『ナショナル・ジオグラフィック』で見たツリーハウスの写真が印象的で。簡単なデザイン画を起こして、地元の大工さんに建ててもらいました。木は琵琶湖のヒノキの間伐材である“びわ湖材”を大工さんが製材所から見つけてきてくれました。家からだと琵琶湖を少し斜めに見ることになるんですが、ツリーハウスからは真正面に見える場所・角度に設置しました。琵琶湖観賞用です!」

コーヒーを飲んだり、メールなどの簡単な仕事はツリーハウスで行うこともあるようだ。なんだかステキな文面を送れそうな気がする。

BESS「ワンダーデバイス」の暮らしをおもしろくする設備である「ハシゴde本棚」が2階まで。

BESS「ワンダーデバイス」の暮らしをおもしろくする装置である「ハシゴde本棚」が2階まで。

コーヒー好きが高じて、焙煎はじめました

淡田さんがはまっているのが、コーヒーだ。淹れる・飲むだけでなく、焙煎から始める。そうしてアウトドア用のクーラーボックスから取りだしたのは大量のブラジル産の生豆。その豆で煎りたてコーヒーを振る舞ってくれた。

まずは生豆を水研ぎし、薄皮を取り除く。当初はそのまま煎っていたが、大量の薄皮が部屋中に舞ってしまったという。そこでSNSでつながっている焙煎仲間に聞いたところ、水研ぎをオススメされた。洗いながらもカビの生える豆や割れている豆を取り除いたあと、焙煎機に投入。

淡田さんが使用しているのは、〈アウベルクラフト〉という愛知県岡崎市にある工房のもの。これをガスコンロにセッティングして火をつけ、あとはひたすら手で回す。短くて20分。

鍋のような形のタイプもあるが、「突然、焙煎の終わりを迎えるので、中味がよく見えるメッシュタイプがオススメです。あとこの回転タイプのほうが煎りムラが少なく均一に焙煎できます」という。

コーヒーを淹れる時間と同様、煎るのも豊かな時間。

コーヒーを淹れる時間と同様、煎るのも豊かな時間。

ずっと回していると手と顔がだんだんと熱くなってくる。たまに回す手を右手から左手、また右手へと交換しながら回しているうちに、煎ったコーヒー豆豊かな香りと同時にパチパチと音が鳴り始めた。

「それが“1ハゼ”です。それが収まってしばらくするとまた音が鳴り始めます。それが“2ハゼ”です」

あとはお好みで。1ハゼあたりで止めるといわゆる“浅煎り”、2ハゼを越えると“深煎り”になってくる。

じっくりと深煎りした豆を挽いて、すぐにコーヒーを淹れてもらった。本来はもう少しガスを抜いて落ち着かせてから淹れるといいというが、深煎りのじっくりしたコクと香ばしさがありながら、苦味は軽やかで新鮮さを感じた。

パチパチとハゼてきた!

パチパチとハゼてきた!

淡田さんは、5キロもの生豆を購入していた。1杯で10〜12グラムの豆を使用するとして、400杯以上。1日2杯飲んでも200日以上かかる。淡田さんも「なかなか飲み切れない」というが、自分の気分次第で焙煎具合は変えられるし、たったコーヒー1杯にかける手間と時間を楽しむ。そんなライフスタイルをみずから選び取っているのである。

家と土地、絶妙なマッチング

淡田洋平さんは東京の大手自動車メーカーで、CMFデザイナーとして働いていた。あるとき、プロダクトデザイナーである奥さんの明美さんが、京都の出身大学で教鞭を執ることが決まり、移住を決意。当初の2年間は洋平さんが逆単身赴任として東京に残り、明美さんとお子さんふたりは、先に滋賀県草津市に移住した。

「その間に現在の家と土地を探しました。琵琶湖の東側の栄えたまちと違い、西側はのんびりとした田舎の雰囲気があっていいなと思いました」

ツリーハウスから琵琶湖への眺望。

ツリーハウスから琵琶湖への眺望。

エリアは琵琶湖西側の大津市に決まった。さて、どんな家を建てるか。ふたりはかつて、家を建てるつもりもないのに、代官山にある〈BESS〉のLOGWAY(展示場)によく足を運んでいたようだ。

「BESSとの出会いが大きかったですね。なんとなく木の家がいいなと、その頃から感じていました」(明美さん)

玄関、土間、ウッドデッキとつながった広めのリビング。

玄関、土間、ウッドデッキとつながった広めのリビング。

そう考えてみると、この場所にBESSの木の家はとても似合っている。土地を探していたときには、きっとBESSの家が建つことを想像していただろうし、それに合う土地を自然と探り当てたのかもしれない。どちらが先でもなく、必然として引き合わせたのかもしれない。

琵琶湖湖畔に散歩へ。

琵琶湖湖畔を散歩へ。

SNSを通して、わからないことを教えてもらえる

全国のBESSユーザー同士は、SNSを通してつながっている人が多いという。なぜなら、家を建ててからDIYに目覚め、さまざまなものを自分の手でつくり始め、そのノウハウやコツなどを共有する意識があるからだ。

象徴的なのが薪棚である。都市部在住の人は聞き馴染みがないかもしれないが、その名の通り薪を収納する棚のこと。BESSユーザーのかなり多くが薪ストーブを導入しているので、必然的に薪棚が必要になってくる。

薪の種類ごとに整理された美しい淡田家の薪棚。

薪の種類ごとに整理された美しい淡田家の薪棚。

BESSの家に住み始め、初期に必要に迫られて、薪棚を自作してみる人が多い。しかも思ったよりも薪を大量に消費するため、増設したり、耐久性を高めていかなければならない。淡田家にも、2か所に分けて薪棚が設置してあった。

「SNSなどで見ていると、みなさん薪棚を自作していますね。たまに“大丈夫かな”と思って見ていると、案の定、台風で壊れたり(笑)。それでも、それはいい経験で自分の手で試行錯誤してつくるのがいいんです。また、わからないことは、親切なBESSの先輩方々が教えてくれますから」

壊れるからやらない、というような思考は淡田さんにも、周囲のBESSユーザーにもない。家を使うようにして、やりたいと思ったこと、好きなことにどんどんチャレンジしていく。それを可能にする家の許容量。大きな遊び道具を与えられたような感覚なのかもしれない。

コロナ禍で少し時間ができたことによって、数年前から構想していたプロダクトブランドを立ち上げようとしているという淡田さん。まずは、もちろんキャンプとコーヒーグッズから。こちらも“自分の色”が表現されたものになるに違いない。“好き”が詰まった家で“好き”なことに取り組んでいく。そんなライフスタイルは魅力的に感じられた。

information

BESS 

https://www.bess.jp/

editor's profile

Tomohiro Okusa

大草朋宏

おおくさ・ともひろ●エディター/ライター。東京生まれ、千葉育ち。自転車ですぐ東京都内に入れる立地に育ったため、青春時代の千葉で培われたものといえば、落花生への愛情でもなく、パワーライスクルーからの影響でもなく、都内への強く激しいコンプレックスのみ。いまだにそれがすべての原動力。

撮影

中田健司

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