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京都・東山〈LURRA°〉世界に向けて動き出した次世代のレストラン

  • 2020年1月14日
  • コロカル
京都から世界へ働きかける食のプロジェクト

2019年7月、京都は東山に注目のレストランが誕生しました。名前は〈LURRA°(ルーラ)〉。

「LURRA」はバスク語で「地球」という意味で、Aの上の小さな丸は、その周りを回る月なんだそう。合わせて「世界にここ以外にはないLURRA°という座標」という意味が込められています。

〈LURRA°〉のロゴマーク。こちらの扉を開くと、新しい“食の旅”が始まります。

〈LURRA°〉のロゴマーク。こちらの扉を開くと、新しい“食の旅”が始まります。

ニュージーランドの〈Clooney(クルーニー)〉というレストランでヘッドシェフ、ヘッドソムリエ、バーマネジメントとして働き、レストランアワード〈Cuisine Good Awards〉で国内最高評価である3ハットを受賞した、ジェイカブ・キアー、宮下拓己、堺部雄介の3人が、日本から世界に向けたプロジェクトとしてスタートした同店。

「京都のように伝統と革新の両方が存在し、自然豊かな国際都市は世界的に見ても多くは存在しません。そのような京都で、食だけではなく、お店全体のシステムやまちに根付く伝統・文化、自然などにまるっと向き合い、多様なアウトプットで世界に向けて発信していけたらと思っています」

とゼネラルマネージャーの宮下さん。何やらただならならぬ気配が漂います。

世界を旅する気分を味わえるコース料理

メニューはシェフのジェイカブが手がける、メキシコやペルー、日本、アメリカなど様々なバックグラウンドを持つ独創的な料理10品とドリンクペアリング7種の1コース25,000円(税・サ込)のみ。日本の食材を使いつつ、世界中を旅する気分を味わってほしいという想いが込められています。

使用する食材はほとんどが業者を通しておらず、大原や伏見などの野菜や、関西圏内で採れたものばかり。数か月に一度は必ず3連休を取り食材リサーチに出かけ、自分たちの目と舌で確かめたもの使っているんだそう。

シェフのジェイカブ・キアーが調理中

シェフのジェイカブ・キアーが調理中。

お気に入りの京都の食材について聞くと以下のような答えが。

「オープン前に行っていたポップアップイベントで毎回お出ししていた金時人参。日本人にとってはお正月料理などで馴染みの深い食材ですが、それとはまったく違う方法で提供しました。

あと京都・祇園にある千代豆腐さんというお豆腐やさんの湯葉がびっくりするぐらいおいしくて。秋メニューでは、くるみや焼いた果物、生の柿、ぎんなんなどと合わせた白和えを出しました」

料理に合わせ、ミクソロジストが繊細に作り出すドリンク

料理に合わせ、ミクソロジストが繊細につくるドリンク。

料理にペアリングされるミクソロジーも、〈季の美〉という京都蒸溜所のクラフトジンや〈京都醸造〉のクラフトビールを使ったカクテルドリンクなどが登場。アルコールドリンクとノンアルコールドリンク両方選択でき、料理と共に味わうことで、香りや味わいが伸びるものをつくっています。

薪火を見ながら料理を楽しむ

カウンター越しの会話も楽しめる心地よい空気が漂う

カウンター越しの会話も楽しめる心地よい空気が漂う。

〈LURRA°〉の特徴は料理だけではありません。

お店の設計は〈HIN アーツ&サイエンス 二条通京都〉を手掛けた〈ikken設計室〉が担当。約150年ほど前の町家をリノベーションした店内はまるで友人宅のようなアットホームな雰囲気で土壁や箱階段はそっくり再現され、化粧室も箱庭のもみじを抜けて行くようなかたちに。外観は伝統的な京町家、中に入ると無国籍とも言える空間が広がり、ギャップに驚きます。

ひときわ存在感を放つ薪窯

ひときわ存在感を放つ薪窯。

また、キッチンはガスを一切通しておらず、すべて薪火で調理。通常オーブンは300℃まで温度が上昇しますが、窯は600度まであがり、野菜も水分を残しながらしっかりと火が入って、燻製香が付き今まで味わったことがないほど瑞々しい仕上がりに。

「店内のどの席からも薪火が見えるようになっており、こうこうと燃える姿を見ていると自然と心が落ち着きます」と宮下さん。

お店のシステムは12名一斉にお食事がスタート。部屋の中には燻製の香りで満たされ、一体感が感じられ、友人宅にいるようにリラックスできます。

カラトリーから器までこだわり抜く

鹿の角を使ったカトラリーで食事を楽しむ

鹿の角を使ったカトラリーで食事を楽しむ。

スプーン・フォーク

また、器やカトラリーも日本の工芸品を採用。

「器は京都でつくられたものだけではないのですが、僕が器がとても好きで、できるだけつくり手の顔が見える器を使っており、ひとつひとつにこだわりがあります。

あと鹿の角を使ったカトラリーがあるのですが、それは刀鍛冶300年以上を誇る義定さんにお願いしています。京刃物は伝統工芸なのに、僕が思うほど認知度は高くないようです。それもあって、これを機に少しでも多くの人に知ってもらいたい。そんな想いを込めて、義定さんと一緒に話し合いながら製作しました。

現在、京都の伝統工芸に関わる方々との交流があり、アイデアを出し合って、レストランに関わるプロダクトを一緒につくっています。レストランという枠組みだけではなく、文化や社会に対して働きかけるような取り組みができたら」(宮下さん)

暖かな光が溢れ出す夜の〈LURRA°〉

暖かな光が溢れ出す夜の〈LURRA°〉。

若干30歳前後の若者たちによる、洗練を極めた料理だけでなく、空間やプロダクトのひとつひとつにまでこだわる〈LURRA°〉。

彼らの豊かな発想、そしてそれを具現化する才能は、これからさらに京都のフードシーンを盛り上げていくことでしょう。食への探究心のある方は、京都に足を運んだ際、ぜひチェックしてみてください。

information

LURRA° ルーラ

住所:京都市東山区石泉院町396

営業時間:17:30〜23:30 ※17:30、20:30からの一斉スタートのみ

定休日:日、月曜日

TEL:050-3196-1433

Web:https://lurrakyoto.com/

※HPより要予約

writer profile

Kanae Yamada

山田佳苗

やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。

credit

撮影:中島光行

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