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東京から地方移住したら、1日の時間の使い方はどう変わる?

  • 2019年1月10日
  • コロカル
1日の時間の使い方はどう変わった?

伊豆下田に移住して2年目の津留崎家。昨年4月から娘が小学校に入学したものの学童保育所がないため、平日午後は夫と妻のどちらかが家にいるという働き方をすることに。では具体的に、どんな1日を過ごしているのでしょう?津留崎家の働き方、暮らし方をご紹介します。

すべては学童保育がない!ことから始まった

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2017年春に下田に移住してきたわが家。移住して2回目の年越しとなりました。

東京に実家のある僕らはほかの多くの方とは逆で、地方から東京に帰省して年末年始を過ごしています。反対車線は帰省ラッシュで大渋滞です。そんな大渋滞に申し訳ないくらいのスイスイ帰省。東京から地方への移住には実はこんな利点もあったりします。

雄大な富士を拝みながら東京へ

雄大な富士を拝みながら東京へ。

東名高速道路

東京で正月を過ごして下田へと向かう東名高速道路、反対車線はUターンラッシュで渋滞40キロ以上のところもあったとか。

そんな下田での暮らしもこの春には3年目を迎えることになります。思い返してみると1年目はこの地に慣れることでいっぱいいっぱいでした。そして、2年目は娘の小学校入学というわが家にとっての大きな変化とともに始まったのです。

実は、娘の小学校入学に際しては、都会では当たり前にある「学童保育」の制度が整備されていないという状況があり、頭を悩ませました。共働きで親世帯に子育てのフォローをお願いできない僕らにとってはかなり切実な問題で、娘が家に帰ってくる平日の昼過ぎには妻か僕のどちらかが家にいられるようにしなければいけないのです。

自治体のサポートに頼らずに、子育てと仕事のバランスをどうとって両立させていくのか?

ランドセルを準備

小学校入学前。ワクワクしながらも、どうにか娘を迎えられる態勢をつくらなければと焦っていました。

わが家では月々にかかる家計も家事も負担は妻と僕で折半でというのがモットー。

妻はフリーランスのカメラマンなので不定期に仕事が入ってきます。最近はありがたいことに下田での仕事も増えてきましたが、東京でいくつか撮影が続くようなときは連泊で撮影に行くということも。妻が東京での仕事を続けるというのはわが家の移住の大前提。自分としてはそれをサポートできるような働き方をと考えていたのです。

結果、メインの収入源を、養蜂場と建築のダブルワークでまかなうという態勢に辿り着きました。

基本的には、養蜂は平日午前に、そして建築は平日午後、自宅にて都合のつく時間でのデスクワークで、という自分の状況としては理想的とも言えるようなありがたい態勢で娘の小学校入学を迎えることができました(懐深いふたりの経営者に感謝です!)。

この経緯については1年ほど前の記事(vol.030参照)に詳しく書きました。

真新しいランドセルを背負ってみた

そして、昨年4月に娘は小学校に入学し、そんな態勢での暮らしが始まったのです。

いま、それから1年近くが経ったことになります。当初想定していなかったことも多々ありました。ということで、その後のわが家の働き方、暮らし方についてご報告したいと思います。

外浦海岸にて今年初の海遊び

自宅近くの外浦海岸にて今年初の海遊び。日中は15度を超えるほど暖かい日だったこともあり足だけ入ってみました。気持ちいい〜!

超早寝早起きスタイルに!?

まず、大きな想定外。平日午後、自宅でのデスクワーク、これがなかなか集中できないということです。

ジブリの映画『となりのトトロ』でお父さんが書斎で仕事していて、メイちゃんがひとり庭で遊んでいる、そんなシーンがあります。実はそんなイメージをしていました。でも、実際はメイちゃんほったらかしで仕事に没頭するお父さんのようにはなれません。宿題を見なきゃいけないとか、習い事の送り迎えしなきゃとか。友だちが来てるから大縄跳びの縄を回してくれと頼まれたり……。

マラソン大会の練習中

マラソン大会の練習の付き添いしたり……。小学生って忙しくてびっくりです。

また、娘のこと以外にも、米づくり期間中は田んぼを見に行かなければいけないとか、妻が撮影で出張で夜もいないというときは、晩ごはんの準備もしなければなりません。

また、昨年、下田に移住してきた僕の母親(vol.038参照)は高齢なこともあり、買い物やら病院やらと何かと付き添いが必要な用事があります。こんな感じで平日午後、自宅で仕事をしていてもちょいちょいと中断しなければという事態が多発。

ちなみに建築の仕事は時間単位で報酬をもらっています。中断が入るたび、時間を引いて報告しているのですが、結局、仕事がほとんど進まなかった、そんな日もありました。

娘と机をひとつにして仕事中

当初はこんな感じで娘と机をひとつにして仕事をしていましたが……。

では、午後に集中できないなら、娘が寝たあと、夜遅くにと考えてトライしたこともあります。でも、寝たあとにとなると毎晩のお楽しみ「晩酌」ができなくなってしまう。

何を甘っちょろいことを……と思われるかもしれませんが、晩酌は僕の人生のささやかな楽しみのひとつです。何日かということであればさすがに我慢できるのですが、お恥ずかしい話、日々のこととなるとつらい……。

我が家の食卓

妻も晩酌好き。僕の母親も晩酌好き。母親は別の家に暮らしていますが、週に何度かはこうして一緒に食卓を囲んでいます。わが家にとってはとても大切な時間です。

で、作戦変更。

夜はしっかり晩酌して(?)、だらだら飲まずに早く寝る。そして早起きして仕事したらどうだろうか?

ということで、秋頃から早寝早起きスタイルを始めてみました。これがなかなか良かったのです。

娘とサイクリング中

一番よいペースとしては22時までに就寝、3時半起床。家族が起き出す前に2、3時間ほど仕事をするという感じです。

1日の時間配分としては

3時半

起床。家族が起きるまで2、3時間工務店のデスクワーク。

7時

朝食を済ませ娘を学校に送り出す。

8時から12時

養蜂場の仕事。

13時半から15時半

工務店のミーティングや現場確認。

15時半から18時

家事(買い物、習い事の送り迎えなどなどを妻と分担。田んぼの期間にはこの時間に田んぼへ)。

18時から22時

風呂、晩酌、晩ごはん、自由時間。

22時までに就寝。

基本的にこんな感じで過ごしています。だらだら晩酌しないこともあり、家計にも体にもよさそうです。

外浦海岸で散歩中の娘と母

働く時間をずらすと暮らしが変わる

こうして、娘が学校から帰ってきてからの時間に仕事をしないと決めてからのほうがオンオフの切り替えがしっかりして、それぞれの時間の過ごし方が濃密になりました。

日によっては養蜂場の仕事が1日がかりになることもあるし、建築の仕事が1日がかりになることもあります。それはそのときそのとき、調整しています。

娘と「だるまさんがころんだ」中

平日の夕方、習い事のお迎えのついでに近くの公園で「だるまさんがころんだ」。仕事を中断して迎えに行っていたときは早く帰らなきゃと焦っていたのですが、早朝に続きをやることにしてからは、夕方は「娘との時間」と割り切って遊ぶことに。

平日の午後といえば、世の中のほとんどのお父さんは働いている時間。そんな時間に娘の習い事の送り迎えに行ったり、スーパーに買い物に行ったりしているのです。

僕は世間で言うところの働き盛りといわれる世代です。「何をやっているのだろうか……」と感じることもあります。でも、いまのわが家にとってはこの態勢が最善な気がしています。

そもそも、この「平日の午後はお父さんは働くもの」とか「働き盛り」という考え方だって長い歴史の中で見たら最近の概念です。そんな概念よりも、いまの自分たちにとって大切なことは何か? そこをよく考えて暮らしをつくっていきたいのです。

大根を干します

毎年つくっているたくあん。基本的には妻主導でやっているのですが、今年は大根を干し終わらないタイミングで撮影が入ってしまい東京へ。続きは僕と娘で「今日は雨が降りそうだから廊下に避難するぞ〜」とかやってました。

この暮らしを始めてみて、働く時間をずらすだけで随分と暮らしが変わるものだと驚いています。最近はこんな早寝早起きをしていますが、この暮らしも娘の成長や妻と僕の仕事の状況によってどんどん変わるのでしょう。

例えば、学年が上がっていけば親といる時間より友だちといる時間が増えるでしょう。いずれは、例えば、留学したい!……ということもあるかもしれません。そうなったら、お金もかかるし、もっと稼がなきゃです。そもそも、いまはいくつかの仕事を時間を分散させて取り組んでいますが、その仕事の状況も変わるかもしれないのです。

とにかく、既成概念にとらわれずに、そのときの状況に応じて自分たちの働き方、暮らし方をカスタマイズしていけばよいのかな? と考えています。

たくあんを仕込み中

そして、干し終わった大根を米ぬかに漬けてしばらくするとたくあんになります。米ぬかはわが家の米から出たぬか! 来年は大根もつくりたい!

この4月には下田に移住して丸2年。まだまだ暮らしが安定しているとはとても言えず、絶えず変わり続けています。1年後はどんな暮らしをしているのか? 全然想像できませんが、それでいいのではないかとも思っています。流れに身を任せながらも、そのときそのときでよく考えて臨機応変に。わが家の「暮らしを考える旅」はまだまだ続く。

〈水仙まつり〉が開催される須崎爪木崎

やはり平日の午後、下田、冬の風物詩〈水仙まつり〉が開催される須崎爪木崎へ。開催期間(12月20日〜1月31日)はかなり混むそうですが、実は開催前の平日はこの通り。自宅から車で10分、「咲き始めたらしいからちょっと見に行こうか」という感じです。下田に暮らしていると「絶景をひとり占め」という贅沢が日常になってきます。ぜひ、冬の下田へも起こしください〜!

文 津留崎鎮生

text & photograph

Shizuo Tsurusaki

津留崎鎮生

つるさき・しずお●1974年東京生まれ東京育ち。大学で建築を学ぶ。その後、建築家の弟子、自営業でのカフェバー経営、リノベーション業界で数社と職を転々としながらも、地方に住む人々の暮らしに触れるにつれ「移住しなければ!」と思うように。移住先探しの旅を経て2017年4月に伊豆下田に移住。この地で見つけたいくつかの仕事をしつつ、家や庭をいじりながら暮らしてます。Facebook Instagram

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