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青森県八戸市南郷地域を舞台としたアートプロジェクト〈なんごう小さな芸術祭〉が始動。

  • 2018年10月15日
  • コロカル

青森県八戸市南郷地域を舞台とした、アートプロジェクト〈なんごう小さな芸術祭〉が、10月20日に始動。展示や公演、ワークショップ、ツアーなど、さまざまなアートプログラムを通じて、地域の魅力を再発見する、秋の小さな芸術祭です。

八戸市南郷地域とは?

八戸市南郷地域の田んぼ

里山の自然が残る南郷地域。かつて「南郷村」だったそのエリアは、2005年に八戸市と合併しました。八戸市の南側にあり、市のおよそ3分の1を占める広さがあります。海に面しているため漁業が盛んな八戸市ですが、それとは対照的に、丘陵地帯にある南郷では、農業が主要産業です。

「ジャズとそばの郷」とも呼ばれ、来年30周年を迎える〈南郷サマージャズフェスティバル〉や、そばの名産地として知られています。

東日本大震災の年にスタートしたプロジェクト。

地面に落ちたどんぐり

南郷アートプロジェクトは、2011年にスタート。ちょうど、東日本大震災があった年の秋に行われました。

八戸市役所のまちづくり文化推進室の大澤苑美さんは、立ち上げに携わった一人です。

「南郷の地域資源でアートプロジェクトを立ち上げる、ということが前年度のうちに決まっていたとはいえ、被災した地域を目の当たりにして、新たなプロジェクトをスタートすることに、まったく躊躇がなかったわけではありません」

自粛ムードの漂う世相のなか、プロジェクトの実行に踏み切ったのには、こんな思いがありました。

「1990年から始まった〈南郷サマージャズフェスティバル〉は、旧南郷村が主体となり運営してきたイベントです。そこには、『何もないけど、音出して元気にすっぺ』という南郷の人々のマインドがありました」

山側に位置する南郷では、震災による津波の被害は及ばなかった場所。そこで、一刻でも早く“創造的な復興”を目指そうと考えたといいます。

「何もないけど、アートで元気にすっぺ」と。

こうしてスタートした南郷アートプロジェクトも、今年で8年目を迎えます。

2018年度は、10月20日から約1カ月間にわたり、〈なんごう小さな芸術祭〉を開催。

芸術祭といっても、各地で行われているビエンナーレやトリエンナーレのように、地域に展示するアート作品は、そう多くはありません。

南郷に暮らす人々から聞いた話を演劇や舞踏などで表現する、パフォーミングアーツを中心に、「郷土」「物語」「食」「芸」「色」「アイディア」「知恵」というそれぞれの観点から、プログラムを展開します。

「郷土をあつめる。」では、『黒子のバスケ』『ハイキュー!!』『文豪ストレイドッグス』といった2.5次元舞台も手がける、中屋敷法仁さん作・演出の演劇『くじらむら』、

舞踏カンパニー大駱駝艦による舞踏『おじょう藤九郎さま』など、地域の伝統や民俗をテーマにした公演を行います。

「物語をあつめる。」では、地域の人たちから聞いた話をもとに制作した『なんごうカルタ』の原画や、取材に同行した写真家が撮影した、“小さな物語”を集めた展示。

「食をあつめる。」では、とあるおばあちゃんのおうちで、南郷の食を味わうイベント『南郷のおうち』を開催。食をテーマにした作品を制作している現代美術アーティスト、EAT & ART TAROさんが、南郷のお母さんたちから学んだ郷土料理を振る舞います。

「南郷の家庭では、家で出てくる料理のレベルが高いんです。有名な郷土料理ではないかもしれないけれど、それこそが豊かな食文化なのではないかと思っています」と、大澤さん。

「芸をあつめる。」は、南郷の芸達者とダンサーたち一日限りの競演『南郷紅白大演会』。

そして、最終日には田んぼの収穫祭を舞台にした音楽ライブやダンス『すまもり村の収穫ショー』を行います。

700年前から脈々と米作りがされている田んぼを舞台に、パフォーマーが登場して収穫祭に華を添えます。

「色をあつめる。」は、染色作家の岡博美さんの染色作品を、インスタレーションにして〈舘のやかた〉で展示。染色のワークショップも行われます。

このほか、現代アート展『INCIDENTS in NANGO』や切り絵作家のオープンアトリエ、音楽と朗読のライブ『なんごうの物語』など、地域を楽しみ、ここにしかない表現を楽しむことをコンセプトにした、複数のプログラムを展開します。

期間中にはそれぞれテーマの異なるツアーも全7回にわたって開催されるので、地元の人でなくてもアクセスに困りません。

バスは八戸市の中心街から出ますが、中心街には〈八戸ブックセンター〉や、〈八戸まちなか広場 マチニワ〉、夜は飲兵衛のための横丁もあります。朝は朝で、〈館鼻岸壁朝市〉など、見どころはいろいろ。

小さな芸術祭だからこそ、アートだけでなく地域の観光地もセットで楽しんでくださいね。

里山の自然と、そこで暮らす人々の営みに触れる芸術祭はここにしかありません。

information

なんごう小さな芸術祭

場所:青森県八戸市南郷地域

日程:10月20日(土)〜11月11日(日)の金・土・日曜

※平日も参加可能なプログラムあり

問い合わせ:八戸市南郷文化ホール

TEL:0178-60-8080

Web:なんごう小さな芸術祭

writer profile

Chihiro Kurimoto

栗本千尋

くりもと・ちひろ●青森県八戸市出身。旅行会社勤務→編集プロダクション→映像会社のOLを経て2011年よりフリーライターに。主な執筆媒体はマガジンハウス『BRUTUS』『CasaBRUTUS』『Hanako』など。東京在住ですが2020年に地元へUターン予定。Twitter

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