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はちみつだって自給自足! ミツバチを飼う「養蜂」って、興味深い!

  • 2018年6月12日
  • コロカル

我が家の壁の中には、ニホンミツバチが住んでいます。〈いとしまシェアハウス〉は築80年の古民家で、家のあちこちに小さな隙間があるのですが、そこから入り込んだミツバチたちが家に巣をつくっていたようなのです。

ポカポカ陽気の日には、軒下の壁にできた細長い割れ目から、たっぷりの花粉を足にくっつけて出入りするミツバチの姿をよく見かけました。せっせと働くミツバチたちの姿がもうかわいくて!

あの壁の中は、巣の中は、どうなっているのだろう? 彼らの暮らしをもっと近くで見てみたい、そんな気持ちは強くなるばかり。せっかくミツバチが身近に住んでいるのなら自分で飼ってみよう! そう思い立ち、養蜂を始めたのは今から4年ほど前のことでした。

春は養蜂家がそわそわする、勝負の季節!

茶色い蓋をされているのが、女王蜂が生まれる場所。

茶色い蓋をされているのが、女王蜂が生まれる場所。

春になるとニホンミツバチの群れには新しい女王蜂が誕生し、古い女王蜂は巣から出て、別の住処を探します。これを「分蜂(ぶんぽう)」といい、養蜂家たちはこのタイミングを狙って巣箱を設置し、あの手この手を使ってミツバチたちに入居してもらおうと策を練るのです。

巣箱に蜜蝋を塗ると、ミツバチたちが入居しやすいのだとか。

巣箱に蜜蝋を塗ると、ミツバチたちが入居しやすいのだとか。

古い巣箱を出発した女王蜂と数千の働き蜂たちは、いったん近くにある梅の木や柿の木の枝にぶら下がって丸くかたまります。この集合体を「蜂球(ほうきゅう)」といいます。この蜂球を、引っ越し先を探すための仮の拠点とし、いい場所が見つかると一気に移動します。

柿の木にぶら下がった蜂球。インパクト大!

柿の木にぶら下がった蜂球。インパクト大!

いつだか、まちなかに分蜂したミツバチが蜂球をつくってニュースになったことがありました。確かに、知識のない状態でいきなり蜂球に出合ったらびっくりしてしまうかもしれません。でも、心配しなくて大丈夫です。

分蜂中のミツバチは、しばらく食料を得られないことを見越して、お腹をいっぱいにして巣を出発します。だからとてもおとなしく、穏やか。もしどこかで蜂球を見かけても、どうかそっと見守ってあげてください。1週間ほどでどこかへ旅立つはず。

気まぐれなミツバチたちを捕まえる

群れの捕獲は手早く行うのがポイント。

群れの捕獲は手早く行うのがポイント。

私の養蜂のスタートは、庭の木にできた蜂球を捕まえたところから始まりました。巣箱を置いて入ってもらうスタイルではなく、直接ミツバチの群れを捕まえて巣箱へ移すちょっと大胆な手法。木に集まったミツバチを、箒でささっとダンボールへ移し、ダンボールの中に集まったミツバチたちを巣箱へ移動させます。

巣箱を気に入ってくれれば、大成功。そこに巣を作り始めます。ただ、ニホンミツバチは野生のため、たとえ群れを捕獲できたとしても、彼らが巣箱や環境を気に入らないとあっという間に引っ越してしまいます。ある日、巣箱がすっからかんになっていたときの切なさといったら……!

今年は3群捕獲したのですが、つくったばかりの巣箱を気に入ってもらえず、そのうちの2群はいなくなってしまいました。

ホームセンターで買った新しい木材を使ったため、薬品などの臭い消しのために水に漬けておいたのですが、それが不十分だったようで……。新品の巣箱は川に漬け込んだり、しばらく雨ざらしにしておかないとミツバチたちが逃げてしまうといわれています。

外の気温に左右されないよう、奮発して分厚い木材を使ってみたり、巣の様子がこまめに観察できるよう、中が透けて見える構造にしてみたり、気合を入れてつくった巣箱だっただけに、見事にフラれてがっくり。

ピッカピカの巣箱、人間にはかっこよく見えるのですが、ミツバチにとってはそうではなかった様子。結局居着いてくれたのは、以前も巣をつくってくれた古い巣箱でした。

ああ、あの新品の巣箱に住んでほしかったなあ。

まだまだ修業が足りません。来年こそは巣箱を気に入ってもらえるよう、今から巣箱を雨ざらしにして準備しておかないと。

ハチというと、人を襲ったり刺したりと怖いイメージがあるかもしれませんが、ニホンミツバチはおとなしく、滅多に人を刺したりしません。というのも、彼らは針で敵を刺すと、自分も死んでしまうのです。そのため、よほど攻撃的な行為を行わなければ刺されることはありません。

ニホンミツバチは人の顔を覚え、認識するといわれています。私は巣のお掃除や巣箱の拡張を行う際に、できるだけミツバチたちに声をかけ、コミュニケーションをとるようにしています。

とはいえ、不意に刺されてしまうこともありますので、ミツバチと触れ合う際は細心の注意が必要です。アナフィラキシーショックを起こすと命の危険がありますので、ミツバチに刺されて様子がおかしいなと感じたら、すぐ病院へ行かれてください。

1年に一度のご褒美、採蜜

群れの強さや大きさによりますが、ニホンミツバチから蜜がとれるのはだいたい春か秋、年に1回程度。そうすると、蜜はとれても1年分を自給するほどの量は収穫できません。

そのため、我が家にとってのはちみつは、毎朝トーストに塗って食べるものというより「ちょっと豪華な食材」ポジションにあたります。

体調が悪いときにスプーン1杯をぺろりと舐める、薬の代わりとして、「今頑張って乗り切りたい!」という踏ん張りどころで登場するエネルギー源として、いざというときのための、とっておき食材として大切に食べています。自家製はちみつは濃厚でパワーがあるので、ひと舐めで十分!

本当ははちみつをいろんな料理に使ってみたい気持ちはあるのだけれど、そのためにはあと数箱、巣箱を増やしたいなあ。 今年も採蜜を心待ちにしながら、ニホンミツバチとの暮らしを楽しんでいます。

今日のシェアハウスごはん

ご近所さんが金婚式を迎えたので、みんなでごはんをつくってお祝いに。ちらし寿司には、「50」の文字を入れました。家の前に生えていたクチナシの花がいい香りだったので、さっと添えたら喜んでくれました。

50年も一緒だなんて、ふたりの歴史を感じます。おめでとうございます!

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いとしまシェアハウス

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CHIHARU HATAKEYAMA

畠山千春

はたけやま・ちはる●新米猟師兼ライター。3.11をきっかけに「自分の暮らしを自分でつくる」活動をスタート。2011年より鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩猟・皮なめしを行う。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉を運営。2014年『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。ブログ:ちはるの森

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