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記事で魅力を発信し、暮らしを体験する旅をつくる、地域活性プロジェクトチーム

  • 2018年3月30日
  • コロカル
神戸出身で、淡路島へIターンしたプロジェクトリーダー

兵庫県神戸市・芦屋市・淡路市・洲本市。海を挟んで近接する4市が、島と都市を両立した魅力的な暮らしを提案する移住促進プロジェクト〈島&都市デュアル〉。昨年10月の発足から約半年。プロジェクトはどのように進み、かたちを成してきたのか。

立ち上げと同時にオープンしたWEBサイト『島&都市デュアル 暮らしツアーズ』の編集長を務める富田祐介さんにお話をうかがいました。

富田さんは神戸市垂水区出身。学生時代から数年間、淡路島の古民家再生事業に携わり、その後、東京の設計事務所へ就職。2011年に淡路島の洲本市へ移住したIターン移住者です。

「東京の設計事務所に勤務する傍ら、個人で企業のイベント企画、地域資源やつながりを生かしたイベントや仕組みづくりの提案、運営に関わってきました」

2011年、厚生労働省の委託事業として地域の雇用創出を図るプロジェクト〈淡路はたらくカタチ研究島〉の立ち上げに合わせて淡路島・洲本市に移住。その後、独立し淡路島を拠点とした地域ネットワークを生かした研修企画、観光企画、食企画を行なう〈シマトワークス〉を設立、地域と人をつなぐさまざまな活動を続けています。

お話をうかがったのは、淡路市長澤にある元小学校の校舎を改装したコミュニケーションスペース〈ノマド村〉。2015年に活動を終了した〈淡路はたらくカタチ研究島〉を引き継ぎ誕生した〈ハタラボ島協同組合〉の活動拠点となっています。週末はカフェやイベントスペースとしても開放中。

すでに観光の企画やプロジェクト戦略を生業にしていたこと、神戸にあるホテルで神戸と淡路島をつなぐイベントやディレクションを行っているなどの実績を買われ、プロジェクトの編集長に抜擢。

「もともと神戸と淡路島で一緒に何かできないかと考えていたということもあって。今回のお話をうかがい、これはおもしろそうだなと、即お引き受けしました」

同じ目標に向かって歩んでいくためのチームづくり

プロジェクト立ち上げから現在までの活動は多岐にわたります。各市のナビゲーターを束ねるキャップの選出、各市で旅ツアーの制作やWEBで記事を執筆してくれるナビゲーター探し、デュアルな暮らしを体験してもらうプレスツアーやモニターツアーの実施など、数え上げればきりがないほど。

そのなかで富田さんが力を注いだのは〈島&都市デュアル 暮らしナビゲーター〉というチームの枠組みづくりだったといいます。

「各市のキャップやナビゲーター、集まった人たち全員が同じ方向へ向かって進んでいくための準備が必要だと思いました。自分たちが島&都市デュアルでやりたいことは何か、できることは何か、どんな未来に向かっていきたいのか。博報堂のプロジェクトチーム、コロカル編集部、雛形編集部のスタッフも交えて何度も話し合いを重ね、少しずつ、つくるべきプロジェクトのカタチが見えてきたように思います」

2017年12月9、10日には4市それぞれの暮らしの魅力を提案する「デュアルな暮らし特別体験ツアー」を実施。家族構成やライフスタイルに合わせた「子育て・スタートアップコース」、「地域コミュニティ堪能コース」、「こだわり島暮らしコース」の3コースが組まれ、全国から応募した30名ほどが参加しました。

現在は月に1回の4市キャップ会議に加え、各市によるナビゲーター会議、ナビゲーターたちが個々にスカイプなどで意見を交換し合い、交流会を催すなど、チームの絆はぐっと深まりつつあるよう。

「一緒に活動する各市のキャップやナビゲーターたちは、みんなSNSなどでの発信力があり、自分のコミュニティを持っている人ばかり。しっかりとした枠組みさえ決まれば、個々の発信によってプロジェクトの魅力や活動内容が自然と外へ広がっていくはず、と思っています」

まずは自分たちが“デュアルな暮らし”を楽しむこと

現在、島&都市デュアル暮らしツアーズでは、各市のナビゲーター本人が案内役を務める“リアルな暮らし”が体感できる旅ツアーがスタート。また、4月からはナビゲーターたちによる「暮らし」をテーマにしたコラム連載も始まります。

「現在はオリジナルのツアーづくりと記事執筆のふたつのプロジェクトが稼働中です。各市のナビゲーターの中から“旅をつくりたい人”、“記事を執筆したい人”を募り、地域の魅力や暮らしを伝えるためのユニークな旅のプランや記事を制作しています」

ナビゲーターたちとの交流を深めるうちに、プロジェクトの要とも言える印象的な出来事が。

「完成したツアーの一部を実際に体験してみようと、淡路市・洲本市のナビゲーター数名で芦屋市・神戸市へ出向き、コースを体感しましたが、どれも新鮮な体験ばかりでした」

芦屋市ではヨットハーバーや山の手の豪邸エリアに車で案内してもらったあと、ナビゲーターの私邸で薬膳フレンチをいただき、茶室でお茶を学ぶ。

神戸市長田区にある下町情緒溢れる商店街を歩き、地域のコミュニティスペースを訪ねたり、揚げたてのコロッケを頬張ったり……。

「そこで生活している人の案内だからこそ、知らなかったまちや暮らしの一面に触れることができた」と話します。

「このツアーのポイントは、主役が情報ではなく人であるところ。知らない人のお家や日常の一部を体験するなんて従来の旅ではありえないことだし、内容に満足すれば、その人に会うために何度でもまちに足を運ぶようになる。見知らぬ土地にいつでも会いに行ける人や場所ができるってすごいことだと思うんですよね。体験ツアーについて頭では理解していたつもりだったけれど、実際に参加して独自のおもしろさにワクワクしました」

旅づくり志望で記事執筆には興味のなかったナビゲーターたちも「今日の体験を記事にしたい、伝えたい!」と口々に話していたそう。

「心が震える瞬間に出合うと、誰かに伝えたくなるじゃないですか。そういう熱を含んだ文章って、より人の心に届く気がするんです。

これからやるべきことは、まず僕たちナビゲーター自身が“デュアルな暮らし”を体感して、それをいろんな人に発信していくこと。その体験を読んだ人が、『自分も体験したい』と思ってくれれば本望だし、『うちならこんな体験ができるよ』と誘ってくれる人も出てくるかもしれない。そうやってどんどん“デュアルの輪”が広がって、“なにかおもしろいことが体験できる場”としてこのコミュニティが認知されていけばいいかなと」

例えば、ナビゲーター自身が他の3市の暮らしや旅を体験する「デュアル体験ルポ」などを公開していくのもおもしろいかも、と富田さん。

「いま掲載している旅やコラムは自分の住むまちの暮らしや情報がメインですが、別のまちについて発信する記事があってもいいんじゃないかって。ゆくゆくは洲本市に暮らす僕が、神戸市のいいところを自慢できるようになりたいし、芦屋市の人が淡路市を自慢したり、まちを案内できるようになってほしい。ナビゲーターみんなが、自分のまち以外のいいところを知ってほしい! 伝えたい! と思えるようになることが、プロジェクトの完成形かなと思っています」

「この半年間はじっくりと船出の準備を、春からいよいよ出航! という気持ちです」と笑顔で話す富田さん。

「プロジェクトが始まってから市をまたぎ、海もまたいでいろいろな人たちと出会い、会議や内輪ツアーなどの交流の中で『これはおもしろいことができるぞ』という感覚的な手応えは十分です。ナビゲーターさんの中から『一緒にこんなことをやりたい』という話もあがってきていて、リアルにデュアルな活動が生まれる気配も出てきています。ここからエンジンをかけて、“ウチの人”も“ソトの人”と一緒に楽しめるプロジェクトに育てていきたいですね」

いよいよ本格始動する『島&都市デュアル 暮らしツアーズ』。移住や暮らしの新しいアイデアが、ここからどんどん生まれていきそうです。

information

島&都市デュアル 暮らしツアーズ

https://shimatoshi.jp

writer profile

Azusa Shimokawa

下川あづ紗

しもかわ・あづさ●兵庫県生まれ。ライター/編集者。雑誌や書籍、ウェブを中心に、ファッション、インテリア、ライフスタイルなどに関する記事を執筆中。2014年に地元である神戸に帰郷し、夫と息子、犬1匹と古民家暮らしを満喫中。出没エリアは神戸&阪神間、京都など。

credit

撮影:吉村規子

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