広島の市街地にある横川(よこがわ)駅は、可部線が分岐し、駅前には路面電車が乗り入れ、さらにはバスターミナルもある交通の要衝です。
駅前に路面電車の横川電停が移転してきたのが平成15年3月。その路面電車とJRの乗り換えをスムーズにするため、平成15年8月にJRの駅舎が50メートル東に移転しました。そして、旧駅跡にいろいろな店鋪の入った「横川NKビル」が平成16年3月にオープン。バスターミナルも整備され、現在のようになりました。
ところで、駅前広場の一角に、緑色の小さな建物が建っています。中を覗いてみるとレトロな自動車が展示されていますが、いったい何でしょうか?
これは、かつて横川と可部の間を走っていたバスなんです。しかし、ただ単にレトロなバスというのではありません。なんと、このバス「日本で最初の国産乗合バス」なんだそうです。
バスが運行を始めたのは明治38年。しかし、馬車業者の反発があったこと、そしてタイヤがパンクするなどのトラブルが多かったため、わずか半年で運行中止になってしまったそうです。
バスの運行100年を記念して地元の有志により復元されたのがこのレトロバスなんです。当時の写真を参考にして部品を一つずつ作り平成16年に完成するまで2年もかかったそうですよ。しかもエンジンも積んでいるのでちゃんと動くそうです。
普段は建物の中に入っていますが、イベントがある時には外に出て、その全容を見ることができます。実際に走っている姿も見て見たいですね。