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キャンプの恵み

Vol.62 チェンジ・メーカーズ

  • 2014年7月31日

 チェンジ・メーカー(Change Maker)とは、社会問題の解決につながるアイデアを実現し、事業化する「社会起業家」を指す言葉です。世界を見回すと、キャンプを活用するチェンジ・メーカーはけっこうたくさんいます。

Camp Sizanani創設者のPhil Lilienthalさん
Camp Sizanani創設者のPhil Lilienthalさん
キャンプでたくさんの新しい経験をしながら、ライフ・スキルを学びます
キャンプでたくさんの新しい経験をしながら、ライフ・スキルを学びます
 たとえば、重い病気の子どもたちを対象としたキャンプの世界的なネットワークであるSerious Fun Children’s Networkを始めたのは、俳優のポール・ニューマンさんでした。グループが行ったキャンプには、1988年以来、51万人以上の病気の子どもとその家族が参加しています。

 また、親の代から続くキャンプ場の運営を子どもに任せて引退したフィルさんは、南アフリカでCamp Sizananiを始めました。これは大きな社会問題であるエイズから子どもを守るため、キャンプの共同生活を通じて感染や発症を防ぐためのライフ・スキルを学ぶというものです。10年間で6,300人を超える子どもたちが参加し、地域的な広がりも出てきました。

 いずれも、キャンプのよさを十分に生かして、大きな社会変革を生み出しています。

 一方、日本でもさまざまな場面でチェンジ・メーカーたちの活躍が始まっていますが、まだまだ緒についたばかりという印象です。そして残念なことに、キャンプの活用も進んでいません。チェンジ・メーカーが目指すのは、人と社会の変革です。キャンプは人の変革にかかわる活動ですから、本来、親和性はとても高いはずなのです。

 ところが、多くの人が想像する以上に、キャンプにはお金がかかります。年3回のキャンプと週末の地域活動を行うCamp Sizananiでは、法人運営費を含め、3千万円以上が必要です。医療施設を整え、年間2,000人以上を招待する規模のSerious Funのキャンプであれば、その額は数億円にのぼります。寄付の文化が十分に育っていない日本では、ちょっと想像しにくい金額です。

 課題は果てしないほどに山積していますが、キャンプを活用したチェンジ・メーカーたちがどんどん活躍できるような日本であってほしいなとおもいます。さて、なにから始めればいいのだろうか…。


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