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キャンプの恵み

Vol.42 第三の場所

  • 2013年10月10日

 ここのところ、「タンタターン、タタッタターン」という『第三の男』のメロディが頭の中をくるくる回っています。古い映画の主題曲ですが、日本ではビールのCMソングと説明した方が、通りがよいのかもしれません。

 きっかけは、日本キャンプ協会と日本YMCA同盟、東京YWCA、ボーイスカウト日本連盟、ガールスカウト日本連盟という5つの団体が合同で行う事業について話し合う会議でした。その事業の中心に据えるコンセプトを考えているときに思いついたのが、「第三の場所」という言葉だったのです。その瞬間、頭の中で『第三の男』のメロディが流れ始めました。もしかしたら、会議中に小さく口遊んでいたかもしれません。


自然の中での新しい体験は、生活に新しい空気を運んできます。

家族や友だちではない人だから話せることもあります。
 多くの子どもたちにとって、第一の場所は家庭です。そして、第二の場所は学校、塾や習い事。この二つが生活の大部分を占めるわけですが、どちらも他者との関係性がかなり固定化した場所です。そのため、ひとたび関係が悪化すると、息苦しい状態がいつまでも続いてしまいがち。だから、誰しも第三の場所を必要とします。

 三十年と少し前、私が子どものころは、子どもが第三の場所を持つことは容易でした。私はちっとも活発な子ではなかったけれど、裏山には秘密基地がありましたし、内緒で漁師さんの舟に乗せてもらったりしたこともあります。けっこう秘密に満ちた生活をしていたのです。

 今の子どもたちはというと、なかなかそんな時間は持てなさそうです。だからダメだと言うつもりはありませんが、第一、第二、そしてその延長線上にある場所しかなかったら、とっても苦しくなってしまうときもあると思うのです。

 キャンプの中には、いつもとは違う人間関係があり、新しい体験もいっぱい。子どもにとっては「冒険」と言えるような出来事も待っているでしょう。だから、第三の場所としてはかなりいい線をいっているはずだと思うのです。

 2月に行うその事業では、キャンプとは無縁の「第三の場所の達人」を招いて、キャンプの第三の場所としての可能性を探ります。どんなものになるかは、お楽しみ。詳細が決まったらお知らせしたいと思います。


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