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キャンプの恵み

Vol.27 BREAKABLEな私という存在

  • 2013年3月14日

 東日本大震災から2年が過ぎました。復興に向けたいくつかの新しい取り組みが根を下ろし始めたことを感じる一方で、「何も終わっていない」「何も変わっていない」という印象も強く残ります。

ノアくんは小さな哲学者でした。
ノアくんは小さな哲学者でした。
 こんなときに忘れずにいたいのは、「私たちはBREAKABLEな存在である」ということです。BREAKABLEとは、「壊れ得る」「壊れやすい」という意味。「キャンプの恵み」の第14回でご紹介した言葉ですが、グリーフキャンプのアクティビティの中で「人と素焼きの植木鉢の共通点は?」と聞かれて、キャンパーのノアくんが「BREAKABLE」と答えたことが、今も忘れられません。

 「人は壊れてしまうことがある」、そんな単純なことを私たちはつい忘れてしまいます。なのにノアくんは、彼の短い人生の中で「人は壊れる」ということを何度も意識せざるを得なかったのでしょうか?

 たとえば、身近な人が自ら死を選んだとき、周りにいる人たちは大きな衝撃を受けます。そして、「なぜ?」という問いを繰り返しますが、納得できる答を見いだすことはできず、見当違いの犯人探しを始めてしまったりするのです。しかし、「人は壊れ得る」ものであり、どんなに身近な人であっても、100%理解するなんてことはできないのです。

 だから、せめて「わかってあげられないかもしれないけれど、ずっと気に留めています。」と、出会えた人たちに敬意をもって伝え続けようと思います。私たちにとっては、その方法がたまたまキャンプであったというわけです。

BREAKABLEな私という存在 キャンプを通じてメッセージを直接に伝えることができるのは、ごく限られた人に過ぎません。それでも、人がBREAKABLEな存在であることを忘れず、そう簡単に理解してあげられるものではないとう謙虚な気持ちを持って、しばらくの間、続けていきたいと思っています。

 東日本大震災で被災された方々へ、どうかお大事に。そして、ほかの誰かを支えようとされている方々へ、どうか自分を大事にすることも忘れないでください。「BREAKABLEな私という存在」を大切にしてほしいと願っています。

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